低GI食品がなぜ血糖値の安定化や糖尿病予防を目指せるのかを知る

低GI食品は血糖値をゆるやかに上げるため、糖尿病の人に向いています。

血糖値が急に上がるのを防ぎ、血糖値の乱れの予防につながるためです。

今回は、低GI食品がなぜ糖尿病予防につながるのかについて詳しく解説します。

この記事でわかること

  • 低GI食品は血糖値が上がるのを防ぎ、糖尿病リスクの予防につながる
  • 低GI食品に含まれる全粒穀物やナッツは血糖値を緩やかに上げる
  • 低GI食品とあわせて食物繊維や良質なタンパク質を摂ると、糖尿病の予防を目指せる


低GI食品の効果を知りたい人や、手軽にとれる低GI食品を知って糖尿病になりたくないと思う人は、ぜひ参考にしてください。

低GI食品は血糖値の上昇を穏やかに保ち糖尿病リスクの予防につながる

低GI食品とは、血糖値の上昇をゆるやかに保つ食品のことです。

血糖値の急な上がり下がりを抑えて、糖尿病の予防に役立ちます。

糖尿病は、インスリンの分泌や働きがうまくできず、血液中のブドウ糖が増える病気です。

健康な人は食事のあと数時間で血糖値が下がりますが、糖尿病の患者は高血糖の状態が長く続くとされています。


糖尿病の改善や予防には、上手に血糖値のバランスを保つのが大切です。

低GI食品は、食後に血糖値が急に下がるのを防ぐため、適切な血糖コントロールに役立ちます。

良好な血糖コントロールは糖尿病のリスクを下げる傾向にあるほか、下記のような合併症の予防にもつながります。

    • 脳梗塞
    • 神経障害
    • 網膜症


低GI食品を意識してとると、血糖値の乱れを防ぎ、糖尿病のリスクの予防が期待できます。

低GI食品は食後の血糖値の上昇を抑えて糖尿病の予防に役立つ

低GI食品は、食後の血糖値が急に上がるのを抑え、インスリンが多く分泌されるのを防ぐ効果が期待できる方法の一つです。

膵臓への負担を軽減し、糖尿病予防につながるとされています。

通常は食後に血糖値が上がると、インスリンというホルモンが分泌されて、血糖値を下げてしまう傾向があるのです。

しかし、糖尿病の人はインスリンがうまく働かないといわれています。

その結果、インスリンを多く分泌しようと、膵臓に負担がかかってしまうのです。


インスリンがうまく働かないと、高血糖が長く続き、糖尿病になってしまうかもしれません。

そのため、食後の血糖値が急に上がらないような工夫が大切です。

低GI食品をとった後は血糖値がゆるやかに上がり、インスリンも過剰に分泌されないと考えられているため、糖尿病の予防に役立ちます

GI値とは、血糖値の上昇速度を表す指標のことです。


GI値が高い食品ほど、急激に血糖値が上がるといわれています。

食品はGI値により、3つに分けられます。

分類 GI値
低GI食品 55以下
中GI食品 56以上69以下
高GI食品 70以上


参照元:
日本調理科学会誌 – J-STAGE

次に紹介する低GI食品を多くとり、糖尿病の予防につなげましょう。

低GI食品の全粒穀物やヨーグルトをとると血糖値の急降下の予防につながる

低GI食品の全粒穀物やヨーグルトをとると血糖値の急降下の予防につながる

主な低GI食品は、以下のとおりです。

食品 GI値
全粒粉パン 50
玄米 55
無糖ヨーグルト 25
ナッツ 25
納豆 33
豆腐 42
鶏肉 45
牛肉 45
まぐろ 40
あじ 40
りんご 36
グレープフルーツ 25


上記の食品はタンパク質食物繊維も多く含まれており、血糖値が急に上がるのを防ぐと考えられています。

精製されたパンや麺を控え、玄米や全粒粉パンを多くとってください。

チーズや牛乳、プレーンヨーグルトも代表的な低GI食品の一つです。

ヨーグルトは腸内環境を整え、免疫力をサポートする働きがあるといわれています。

納豆や豆腐は朝食に一品加えると、手軽に栄養バランスの良い食事をとれるでしょう。

糖尿病の予防につなげるには低GI食品と合わせて食物繊維やタンパク質をとる

低GI食品と合わせて、食物繊維良質なタンパク質を含む食品をとると、より効果的に血糖をコントロールできるとされています。

食物繊維や良質なタンパク質を豊富に含む主な低GI食品は、以下のとおりです。

    • 魚や肉
    • きのこ類
    • 海藻類
    • 大豆食品


肉や魚は血糖値が急に上がるのを抑える成分を多く含むといわれており、ほとんどが低GI食品の可能性が高いです。

さらに、タンパク質を摂取するとインクレチンと呼ばれるホルモンが分泌するといわれています。

インクレチンは血糖値を上げるグルカゴンの働きを抑え、血糖値を下げる効果が期待できます。


食物繊維
が豊富に含まれるきのこ類は、胃腸で糖の吸収をゆるやかにする働きがあるため、血糖値が上がりすぎるのを防ぐのです。

食物繊維はお通じの改善に役立ち、すっきりさせます。

大豆製品はGI値が低く、すぐれた植物性タンパク質を豊富に含むのがメリットです。

タンパク質は消化に時間がかかり、胃の中で糖質と混ざり合い、ゆるやかに吸収されます。

さらに、大豆製品はイソフラボンという栄養素が多く含まれています。

研究によると、イソフラボンが豊富な大豆製品の摂取は、糖尿病や心臓病のリスクを低下させると示されました。


大豆製品に含まれるタンパク質とイソフラボンは、血糖値の改善に効果的です。

糖尿病を予防するために、食物繊維や良質なタンパク質を多く含む、低GI食品をとりましょう。

参考: SienceDaily 大豆が糖尿病リスクを軽減する仕組み

低GI食品を日常生活で活用するために玄米やナッツを摂る

低GI食品を日常生活で活用するために玄米やナッツを摂る

低GI食品を日常で取り入れるには、白米の代わりに玄米を選び、菓子類はナッツにおきかえるなどの工夫が効果的です。

玄米は白米に比べてGI値が低く、食物繊維が豊富なため、糖の吸収をゆるやかにするといわれています。

そのため、糖尿病の予防の効果を期待できるうえ、太りすぎの予防にもつながる食品です。

ナッツもGI値が低く、良質な脂質やタンパク質、食物繊維を含むとされています。

満腹感を長もちさせるため、間食をやめたり、血糖値を適切にコントロールできたりすると考えられています。

ナッツ類は少し食べるだけでも栄養価が高く、手軽に食生活に取り入れられるのが魅力です。

普段の食生活に玄米やナッツを取り入れる方法は、下記を参考にしてください。

    • 白米の代わりに玄米を炊く
    • 玄米をおにぎりやチャーハンに活用する
    • おやつにナッツを食べる


炊飯器の玄米モードを使用すると、手軽に玄米をとれます。

食感が好きではない場合は、白米に玄米を少量まぜると良いでしょう。

冷めても美味しい玄米は、お弁当や作りおきにも向いています。

おやつとして無塩のアーモンドを食べる場合は、1日10〜20粒程度を目安にとってください。

ナッツを砕いてヨーグルトやサラダにトッピングすると、食感だけでなく栄養価も上がるといわれています。

低GI食品のナッツやヨーグルト、チーズはコンビニやスーパーマーケットなどで買えるため、普段のおやつにも向いています。


低GI食品の玄米やナッツを気軽に取り入れて糖尿病の予防につなげ、いきいきとした日常を過ごしてください。

低GI食品の食べ過ぎは血糖値の乱高下を引き起こす

低GI食品の食べすぎは、血糖値を急に下げる傾向があります。

低GI食品は食後の血糖値の上昇をゆるやかにするといわれており、糖尿病予防につながる可能性があります。

しかし、過剰に摂取すると血糖のコントロールが難しくなる可能性が高まり、健康に悪影響を及ぼすかもしれません。

低GI食品は食べ過ぎると、全体のカロリーが増加し、体重が増える恐れがあるのです。


体重が増えると、インスリンの働きが低下し、結果的に血糖値のコントロールが難しくなる場合があります。

低GI食品を効果的に活用するためには、以下の3点を意識してください。

    • 適量を守る
    • バランスの良い食事
    • 食べる順番


低GI食品だけでなく、タンパク質や脂質、ビタミンなどさまざまな栄養素をバランス良く取るのが大切です。

食物繊維が豊富に含まれる野菜から食べると、血糖値の上昇をゆるやかにする効果が期待できます。

低GI食品は健康維持に役立ちますが、とりすぎはおすすめできません

ほどよく低GI食品を取り入れた食事や、バランスの取れた食事を心がけて健康的な生活を送りましょう。

低GI食品は血糖値の安定に寄与し糖尿病リスクの軽減につながる

低GI食品は血糖値の安定に寄与し糖尿病リスクの軽減につながる

低GI食品はインスリンが多く出るのを防ぎ、血糖値の上がり方をゆるやかにすると考えられています。

そのため、血糖値を落ちつかせて糖尿病の予防に効果が期待できます。

主な低GI食品は玄米やヨーグルト、ナッツや豆腐などがあり、食物繊維や良質なタンパク質も豊富です。

低GI食品を取り入れる際には、下記3つのポイントを意識してください。

    • 主食は白米など高GI食品を避け、低GI食品に置き換える
    • ナッツやヨーグルトなど、おやつも活用する
    • 低GI食品を主食に取り入れる


低GI食品を適切に摂取しながら上手に血糖コントロールし、糖尿病のリスクを軽減しましょう。