ニンニクは糖質制限にピッタリ!その理由と活用法、食べ方までをご紹介

1.糖質制限の強い味方になるニンニク

料理の香りづけ、風味づけに使われる香味野菜のひとつであるニンニク。滋養強壮、スタミナ補給にも適していることが古くから知られています。さらに、血糖値や体重を整える糖質制限をしている人にとっても、ニンニクの活用は大いにすすめられるのです。

 

1-1.ニンニクの糖質量は心配しなくていい

ニンニク100gの糖質量は21.3gで、この数字だけ見ると「糖質が多めかな?」と思われるかもしれません。けれども、実際に料理を作るときは、ニンニクの皮をむいて1片ごとに使うものです。ニンニク1片の重さは6~10gで、糖質量は1.3~2.1gしかありません。さらに、ニンニクを食べる量は1日2~3片でよいとされているので、その場合の糖質量は多くても6g程度。これは玉ネギ1/2個の糖質量よりも少ない値です。結論として、ニンニクを食べるときに糖質量を気にする必要はないといえます。

 

1-2.香り成分のアリシンが糖質のエネルギー燃焼を助ける

ニンニクの香りのもととなっているのは、アリシンという硫化アリル(イオウを含んだ成分)の一種です。アリシンにはさまざまな作用がありますが、特に糖質制限をしている人にうれしいのは、糖質のエネルギー燃焼を助けてくれるということ。そもそも、白米や麺類に含まれる糖質をエネルギーに変換するときには、ビタミンB1の働きが不可欠です。ただし、ビタミンB1は水溶性のビタミンで、それだけを多く摂取しても、一度に使われなかった分は尿として排出されてしまいます。ニンニクに含まれているアリシンは、このビタミンB1と結合して、血液中にとどまる時間を長くします。その結果、ビタミンB1の作用が持続すると、糖質が体のエネルギーとして存分に使われるようになって、血糖値や体重の調整もよりスムーズにできるように。もちろん、体の活力も保たれるようになり、これがニンニクを食べるとスタミナがつくといわれるゆえんです。

 

1-3.体を温めて肝臓をいたわる作用もある

ニンニクのアリシンには、血管を柔らかく広げるとともに、血小板の粘着力を弱める働きがあることがわかっています。その結果、手足など末梢まで血液の流れが整うと、体がポカポカと温まりやすくなるのです。そのほか、アリシンは肝臓の脂肪代謝を高めたり、肝臓にたまった有害物質が排出されるように促す作用もあります。食べ過ぎ・飲みすぎが気になる人にとっては、こうした肝臓をいたわる働きもありがたいところです。

 

2.ニンニクを選ぶときはここがポイント

近所のスーパーなどで、年間を通して手軽に購入できるニンニク。おいしいものを選ぶときのチェックポイントもぜひ頭に入れておきましょう。

 

2-1.ニンニクのおいしい産地はどこ?

国産のニンニクは、寒地栽培と暖地栽培の品種に大きく分けられます。寒地栽培のニンニクでは、福地ホワイト六片がよく知られています。ニンニクの国内生産量の70%を占める青森県の特産で、風味が濃厚で甘みがあり、香りはさほどきつくありません。北海道産のニンニクである富良野は香りが強く、生だとやや辛みが強め。火を通すと逆に甘みが増して、ホクホクした触感が楽しめます。四国や九州で暖地栽培されているニンニクでは、上海早生が知られています。香りも風味もマイルドなので、料理の味わいをじゃませず、薬味として万能的に使えるでしょう。輸入もののニンニクでは中国産とスペイン産が広く流通しており、国産のものよりも安価で入手できる点がメリット。スペイン産のニンニクは、オリーブオイルを使う料理と風味の相性がいいといわれています。

 

2-2.ニンニクを買うときはここをチェック

ニンニクの見た目からおいしいものを選ぶには、外側の皮がしっかり重なっていて、全体にツヤがあるかどうかを確かめます。手に取ったときの重さもポイントで、見た目の大きさに対してずっしりと重いニンニクは、出荷から店頭に並ぶまでの乾燥状態がほどよく、みずみずしさがあります。反対に乾燥しすぎたニンニクはスカスカに軽くなって、風味と香りが弱くなっていることが多いもの。また、皮と実の間にすき間があるニンニクは、収穫から日がたちすぎている可能性があります。

 

3.おいしくて体にいい!ニンニクの簡単レシピ

肉や野菜の炒めもの、ギョウザなど、料理の風味アップに幅広く活用できるニンニク。ニンニク本来の甘みや香ばしさを味わうには、丸ごと加熱していただくのもおすすめです。

 

3-1.豚肉のニンニクショウガ焼き

  • 材料(2人分)

玉ネギ…1/4個

豚ロースしょうが焼き用肉…6枚

合わせ調味料

・おろしニンニク…小さじ1/2

・おろしショウガ…小さじ1

・しょう油、みりん…各大さじ1と1/2

  • 作り方

①玉ネギは1cm幅のくし形に切る。豚肉は筋を切り、めん棒などで軽くたたいておく

②フライパンにサラダ油小さじ1を中火で熱する。豚肉を並べて入れて、空いたところに玉ネギを入れる

③玉ねぎを炒めながら、肉を約2分焼いてひっくり返し、さらに約1分焼く

④合わせ調味料を加え、汁気がほぼなくなるまで炒め合わせてできあがり。好みでキャベツ、トマト、ブロッコリーなどをつけ合わせる

  • ここがポイント!

豚肉には糖質のエネルギー燃焼を促すビタミンB1が豊富。ニンニクと一緒の摂れば、匂い成分のアリシンがその働きを持続させてくれます。糖質制限中のおかずとして理想的な組み合わせです。

 

3-2.アサリの白ワイン蒸しニンニク風

  • 材料(4人分)

殻つきアサリ…600~800g

ニンニク…2片

バター…50g

スイートバジル…適宜

パセリ…適宜

白ワイン…1/4カップ

  • 作り方

①アサリは殻のまま塩水でよく洗い、砂抜きする

②ニンニクを千切りにする

③フライパンにバターを落とし、②のニンニクを中火でじっくりキツネ色になるまで炒める

④③にアサリと白ワインを加えて殻が開くまで炒め、ワインのアルコールを飛ばす

⑤④へバジルを加える

⑥⑤を器に盛り、パセリを散らしてでき上がり

  • ここがポイント!

アサリに含まれているタウリンというアミノ酸は、ニンニクのアリシンとともに肝臓の働きを手助けします。味つけのバターは濃厚な味わいの一方で、50g中の糖質量はわずか0.3gしかなく、糖質制限中でも安心です。

 

3-3.ニンニクのクリームチーズあえ

 

  • 材料(4人分)

ニンニク…2玉

クリームチーズ…150g

ワサビ…少々

カツオ節…適宜

しょう油…適宜

  • 作り方

①ニンニクは皮をむいてラップに包み、ニンニクが半透明になるまでレンジにかける

②①を器に盛り、クリームチーズ、ワサビとあえる

③②にカツオ節をまぶし、しょう油をかけてできあがり

  • ここがポイント!

クリームチーズの甘みとニンニクの香ばしさの相性がよいお手軽メニューです。お酒のつまみにもよいでしょう。クリームチーズはタンパク質豊富かつ低糖質の食品で、150g中の糖質量は3gしかありません。

 

4.まとめ

和食、洋食、中華など、どんな料理にもおいしさをプラスするニンニクは、糖質制限まで手助けするすぐれた香味野菜。ぜひご自宅に常備して、血糖値や体重のコントロールに役立てたいものです。