ズッキーニの栄養価・食べたら効能は期待以上?!効率よく摂取するレシピも紹介

ズッキーニは低カロリーでカリウムやβ-カロテン、ビタミンCなどの栄養素が豊富なヘルシー野菜です。
今ではスーパーなどで購入できる野菜になりましたが、ズッキーニは80年代以降に日本で広まった新しい野菜です。イタリア料理やフランス料理で使われることが多く、くせのないあっさりとした味わいがどんな料理にも合いそうな予感がします。見た目はきゅうりに似ていますが、実際にはどんな野菜なのでしょうか。ズッキーニを使ったおすすめレシピとともに紹介していきます。

目次

1ズッキーニの栄養を徹底解説!きゅうりとの比較も

深い緑色で、見た目はキュウリによく似ていますが表面はいぼがなくなめらかです。味は淡白で癖が無く、焼いた食感はなすに似ています。ズッキーニとはイタリア語で「小さなカボチャ」を意味し、「ウリ科・かぼちゃ属」に属する「ペポかぼちゃ」の一種です。北アメリカ南部からメキシコ地域が原産で、アメリカから輸入されるまでは、食卓やスーパーではめったに見ない野菜で、外国料理に使用されるレストランで使用される特別な野菜でした。1980年頃から広く売られ、今では輸入量も大幅に増えて誰もが知る食材になりました。

1-1ズッキーニの基本的な栄養成分とは

スーパーなどで見かける大きさのズッキーニは、1本15~20センチで、重さは200~240g程度です。では実際に、ズッキーニにどんな栄養成分が入っているのでしょうか。ズッキーニに含まれる栄養素を一覧表にまとめました。※可食部100g中

1-1-1 100gあたり カリウム320mg

ズッキーニには100gあたりカリウムが320mg含まれます。カリウムが豊富な野菜や果物として例に挙げられるバナナは360mg、きゅうりやレタスも200mgなので、ズッキーニは比較的多くのカリウムを含みます。しかし、日本かぼちゃ(400mg)や 西洋かぼちゃ(450mg)と比較するとやや低くなります。

1-1-2 100gあたり ビタミンC 20mg

ズッキーニには100gあたりビタミンCが20mg含まれます。ビタミンCが豊富な野菜や果物として例に挙げられるブロッコリーには140mg、緑ピーマンには76mg、ゴールデンキウイフルーツには140mgのビタミンCがふくまれており、比較するとズッキーニにはそれほど多くのビタミンCは含まれていないと言えます。ここで、西洋かぼちゃには43mg、日本かぼちゃには16mgのビタミンCが含まれ、ズッキーニは西洋かぼちゃの半分以下のビタミンCを含んでいます。

1-1-3 100gあたり βカロテン 310mg

ズッキーニには100gあたりβカロテンを310mg含まれます。βカロテンが豊富な野菜として例に挙げられるにんじんには6700mg、トマトでも540mgを含むため、それほど多くのβカロテンを含んでいるとは言えません。ここで、西洋かぼちゃでは3900mg、日本かぼちゃは700mgのβカロテンを含み、通常私たちが食べているズッキーニは西洋かぼちゃの約1/10倍のβカロテンを豊富に含むことがわかります。

1-1-4 100gあたり 食物繊維1.3g

ズッキーニには100gあたり食物繊維が1.3g含まれ、そのうち不溶性食物繊維が1.1gと大部分をしめます。食物繊維が豊富な野菜として例に挙げられるごぼうには2.3g、レタスに1.1g含まれ、比較的多くの食物繊維を含みます。ここで、西洋かぼちゃでは3.5g、日本かぼちゃは2.8gの食物繊維であり、ズッキーニに比べ非常に豊富な食物繊維を含んでいます。

1-1-5 100gあたり糖質は2.3g

ズッキーニはカボチャの仲間ですが、95%が水分で糖質は100gあたり2.3gです。他の主な野菜と比較してもヘルシーのイメージがあるきゅうりとほぼ同じ程度であり、糖質の低い野菜に分類されます。きゅうりとは異なり、ズッキーニにはビタミンやミネラルも含まれているので、ダイエットや血糖値に配慮が必要な方の食事に活用するに適した食材です。

ここで、野菜を長薄切りにしたものを千切りにするなどして麺にする「ベジパスタ」があります。お手持ちのピーラーやスライサーなどを利用するなども可能で、専用スライサーも販売されています。

1-1-6 GI値23で 低GI

ズッキーニは血糖値を上げにくい低GI食品です。ビタミンやミネラルも含まれているので、ダイエット中や血糖値に注意が必要な方にお勧め食材です。

1-2 きゅうりとズッキーニの栄養比較:どちらが健康に良い?

ズッキーニときゅうりはカロリーなども含め、栄養素の特徴もほぼ同じです。カリウム、マグネシウム、ビタミンC、葉酸ではズッキーニの方が数値は高めであり、同じ量を使用する場合はズッキーニがより栄養豊富と言えます。

1-3  ズッキーニのカロリーは低め 100gあたり16kcal

カボチャの仲間としては水分が多く、炭水化物が少ないです。同じカボチャの日本かぼちゃは41kcal、 西洋かぼちゃは78kcaになります。カロリーにおいては、きゅうり(100gあたり13kcal)と同程度と言えます。ズッキーニはよく油を吸うため、油を使った調理法や調味料で食べる場合はこれより高くなるので、注意が必要です。

2ズッキーニの健康効果

ズッキーニは100g 16kcalです。1本が150~240g程度なので、一本食べてたとしても24~40kcalと低カロリーな食材です。カロリーが低いだけでなく栄養素も含んでおり、ダイエットやカロリーコントロールの際に活用したい食材です。ここではズッキーニを食べることによる健康効果について紹介します。

2-1 カリウムは高血圧・こむら返り対策に

こむら返りは「足がつる」ともいわれ筋肉のけいれんの一種です。水分が不足していたり、神経の伝達と筋肉の収縮を調整しているカルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルバランスが乱崩れることで引き起こされる可能性が言われています。カリウムは筋肉の収縮や神経伝達にも重要な役割を果たしていています。夏は汗をかくことも多く、汗とともに水分とともにミネラルも失われていきます。カリウムを多く含む野菜などを採ることは、足がつりやすい夏の夜の対策に有効ではないでしょうか。

 

また、ズッキーニに含まれるカリウムは、血圧を調整するのに役立ちます。カリウムは体内のナトリウムとのバランスを保ち、血圧を下げる効果があります。 また、ナトリウムを排出する作用があるので、むくみにも効果的です。

2-2 ビタミンCは美肌や疲労回復効果的

ビタミンCは抗酸化作用があり、活性酸素を除去して細胞を守ります。また、身体を構成するたんぱく質の一つであるコラーゲンを作る工程に関わっています。コラーゲンは体の中の細胞と細胞を結び付ける

働きがあるので、血管や皮膚、骨・筋肉を丈夫にする効果があります。ビタミンCは肌に直接塗っても効果があり、皮膚の老化を防ぎます。

2-3 βカロテンは視力の維持や皮膚・粘膜の健康に効果的

βカロテンは色の鮮やかな野菜や果物に多く含まれるカロテノイド(色素)の一つで、強力な抗酸化力で活性酸素を除去する効果があります。体内に入ったβカロテンは、体内で足りない時にビタミンAに変換されて働きます。夜間視力や眼の機能維持、網膜を含む粘膜を丈夫にする、皮膚の新陳代謝を向上させるなどの効果があり、不足すると眼の疲れや肌荒れ・乾燥などが生じる可能性があります。

2-4 食物繊維は整腸・便秘解消に効果的

食物繊維は腸内環境を整える効果があります。ズッキーニに多く含まれる不溶性の食物繊維は、文字通り水に溶けませんが水分を含んで膨らみ、腸を刺激してぜん動運動を活性化します。水溶性・不溶性ともに食物繊維は腸内の不要な物を排出する効果があるので、便秘の解消に活用できる成分です。

2-5 血糖値・血圧管理に適する

ズッキーニは低糖質で食物繊維を比較的多く含むため、血糖値の管理が必要な方に適した食材と言えます。また、カリウムも比較的多く含むため、減塩(摂取ナトリウムを減らす)ことを同時に行うことで、血圧の管理に適しています。

3ズッキーニの健康効果を高める調理法 油を使う

野菜は調理による栄養素の損失に注目する必要があります。ズッキーニに含まれる貴重な栄養素を残さず摂るには、調理法に気をつけないといけません。

3-1カリウム摂取には生で食べるかスープで

カリウムは加熱すると減少してしまいます。水にさらす時間を短くして生で食べるか、茹で汁ごととることができるスープや煮込み料理がおすすめです。どうやって油を使うのか

3-2ビタミンC摂取には生で食べるかスープで

ビタミンCは水に溶けやすく、加熱すると減少してしまいます。水にさらす時間を短くして生で食べるか、茹で汁ごととることができるスープや煮込み料理がおすすめです。どうやって油を使うのか

3-3βカロテンは油と一緒で効率UP

βカロテンは油に溶けて熱にも強く、油と一緒に採ると吸収率がUPします。炒めたり素揚げにしたり、また、サラダで生食の際にもオリーブオイルや油を使用したドレッシングをかけたりすると効率よく摂取できます。

4ズッキーニの選び方

ズッキーニはかぼちゃの仲間のウリ科に属し、1本が150~240g程度の野菜です。食べる部分が完全に熟す前の若い時期に収穫するで、旬は初夏以降になります。かぼちゃのように寝かせて熟成させることはできないため、切り取ってから早い時期の新鮮なうちに食べるとおいしい野菜です。

4-1色が鮮やかでつやがある

皮がつやつやしてハリのあるものを選びましょう。若く新鮮なものは皮が柔らかく、生でも美味しく食べられます。皮は柔らかいものをお勧めします。

4-2大きすぎないで均一でも重たい

大き過ぎず上下で太さの差がなく大きく太いものは育ちすぎて味も大味である可能性があります。

4-3ヘタの切り口がみずみずしい

みずみずしく新鮮な切り口のものを選びましょう。古いものはヘタの切り口もしなびています。切り口がスカスカにならないうちに食べきりましょう。

5ズッキーニの栄養を最大限に引き出す保存方法 乾燥と低温を避ける

野菜室に置くか、冷蔵庫に入らない場合は温度が低くならない場所に置きましょう。

5-1常温なら涼しく暗い場所

そのまま置くのではなく新聞紙やキッチンペーパーでくるむなど、高温にならない環境で温度を一定に保ち、暗い場所に置いておくことをお勧めします。1週間程度で使い切りましょう。切った残りは野菜室でラップなどにくるんで保存しましょう。

5-2冷蔵なら野菜室で

冷暗所が最適で、寒すぎると痛みやすくなります。冷蔵室ではなく野菜室で保存するのが最も良いでしょう。その際は、そのまま入れるのではなくビニールやラップでくるみます。使いかけの残りはラップでくるんで水分蒸発を防ぎ、

5-3冷凍なら切らずに1本丸ごともOK

ズッキーニは、切らずに丸ごと1本でも、スライスしてもそれを焼いたものでも、いずれも冷凍できます。冷凍したズッキーニは炒め物や煮込み料理への利用がおすすめで、保存は約2週間を目安に使い切りましょう。

6ズッキーニの栄養を引き出すおすすめレシピ

ズッキーニの栄養素を逃さず採れるレシピを調理法ごとに紹介していきます。

6-1生でたべる

6-1-1 生がおいしい! ズッキーニサラダ

水に溶けだしてしまうカリウムとビタミンCを生で食べて効率よく摂取しましょう。

参照:生がおいしい! ズッキーニサラダのレシピ・つくり方 | キッコーマン | ホームクッキング (kikkoman.co.jp)

【材料】
(2人分)
ズッキーニ 1本
(A)
エキストラバージンオリーブオイル 大さじ1
しょうゆ 小さじ2
レモン汁 小さじ1
砂糖 小さじ1/2
【つくり方】
1ズッキーニはピーラーでむき、水にさらす。
2器に水気をきった(1)を盛りつけ、(A)を混ぜ合わせてかける。

6-1-2和えるだけ 無限ズッキーニ

参照:無限ズッキーニ – 料理研究家リュウジのバズレシピ.com (bazurecipe.com)

【材料】
・ズッキーニ…1本
・ツナ缶…1缶
・黒コショウ…適量
(A)
・塩…小さじ1/3
・うま味調味料…5ふり
・ゴマ油…小さじ1

【つくり方】
1ズッキーニは薄い輪切りにする。ツナは油をきる。
2ボウルに上記(1)で準備したズッキーニ・ツナと、(A)をあえる。
3器に盛り、黒こしょうをふる。

 

 

 

 

※コラム:日本のズッキーニの収穫量ランキングです。1位の長野県と2位の宮崎県で生産量の半分をしめます。それぞれの産地で栽培方法が異なるため、出回る時期も違います。

1位:長野県3370t

2位:宮崎県3050t

3位:群馬県1260t

総計:11300t

出典:農林水産省「地域特産野菜生産状況調査」

9まとめ