ランチを終えて席に戻ると、抗えない眠気の波が押し寄せてくる。まぶたが重くなり、大切な会議なのに集中できない。運転中なのに、ふと意識が途切れそうになる――。
そんな経験、ありませんか?
「食後は誰でも眠くなるもの」。そう自分に言い聞かせて、今日もコーヒーで無理やり目を覚ましていませんか?
実は、あなたを襲うその眠気の裏側では、体内で激しい血糖値の乱高下が起きているかもしれません。自律神経が悲鳴をあげているかもしれません。そして、もしかしたら――それは、体が発している「助けて」のサインなのかもしれないのです。
特に気をつけたいのは、毎回繰り返される強烈な眠気や、動悸・冷や汗を伴う眠気。これらは、深刻な病気の前触れである可能性があります。
この記事では、なぜ食後に眠くなるのか、その体の中で何が起きているのかを丁寧に解説します。そして、あなたの眠気が「心配のいらないもの」なのか「医師に相談すべきもの」なのかを判断するためのセルフチェック方法と、今日から始められる具体的な対策をご紹介します。
午後の時間を、もう眠気に奪われたくない。大切な仕事も、家族との時間も、しっかりと自分のものにしたい。そう願うあなたのために、この記事を書きました。
まずは一緒に、「あなたの眠気」と向き合ってみませんか?
こんな想いを抱えている方へ
✓ 昼食後、毎日のように強い眠気と闘っている
✓ 会議や運転中、眠ってしまいそうで怖い
✓ 食事を変えても、眠気が消えてくれない
✓ 眠気と一緒に、動悸や冷や汗が出て不安
✓ もしかして糖尿病?と心配になっている
✓ この眠気から解放される方法を知りたい

一つでも心当たりがある方は、どうか最後までお付き合いください。
食後の眠気の原因と具体的なメカニズム
食後の眠気 なぜ起こる?あなたの体の中で何が起きているのか
血糖値のジェットコースター変化、血糖値の急上昇と急降下が眠気を生み出す


ランチでご飯やパンを食べた後、あなたの体の中では様々な変化が起きています。
炭水化物が体内に入ると、血糖値が上がります。すると体はインスリン※という「血糖値を下げる係」を送り込みます。その結果、今度は血糖値が急降下します。脳に届くはずだった糖(エネルギー)が一時的に不足してしまうのです。



【解説】インスリン※
膵臓から分泌されるホルモンの一種です。糖の代謝を調節し、血糖値を下げる働きを持ちます
参考:健康日本21アクション支援システム Webサイト
この「エネルギー切れ」の状態――それが、あなたを襲う強烈な眠気の正体です。
この血糖値の急上昇と急降下といった激しい変化を「血糖値スパイク」と呼びます。 この変化が激しいほど、体の対応が追い付かず急激な眠気となります。


特に注意したいのが、白米、食パン、砂糖たっぷりのお菓子といった「高GI食品」※です。これらの高GI食品は血糖値を急激に上昇させる食品です。
参考文献:Nutrients 2020, 12(10), 2989; https://doi.org/10.3390/nu12102989
そのため高GI食品をたくさんとると”眠気の引き金”となります。
一方で、食物繊維が豊富な野菜や、たんぱく質、良質な脂質を一緒に摂ると、血糖値の上昇は緩やかにします。
参考文献:Nutr Res Pract. 2019 Jan 30;13(2):126–133. doi: 10.4162/nrp.2019.13.2.126
そして、血糖値の上昇を緩やかにすることが、食後の眠気を和らげる第一歩になるのです。
食後の眠気と血糖値スパイクについては以前の記事も参考にしてください👇
食後の眠気は血糖値スパイク?今すぐできる対策5選 – 暮らしのお役立ち情報
食後の眠気は血糖値の乱高下が原因?今すぐできる改善法 – 暮らしのお役立ち情報
血糖値スパイクの原因と対策を解説!食後の眠気やだるさをなくす方法 – 暮らしのお役立ち情報



【解説】GIとはグリセミック・インデックスのことです。GIは食品を食べた後に、血糖値がどれくらい速く上昇するかを数値化した指標です。
ブドウ糖を摂取した時の上昇率を「100」として、相対的な数値で表されます。この数値を知ることで、ダイエットや糖尿病予防、食後の眠気対策などに役立てることができます。
下記のサイトではカテゴリごとに「高・中・低」が色分けされた表があり、非常に見やすいです。
山梨県厚生連 健康管理センター
自律神経の働きが休息モードにシフトし眠気を感じる


食事を終えると、あなたの体は自動的に「消化モード」に切り替わります。食後は食べたものを胃や腸で消化し吸収します。
この切り替えを担っているのが、副交感神経です。「休息と消化」を司るこの神経が優位になると、心拍数はゆっくりと下がり、体全体がリラックス状態になります。
副交感神経が優位になることで眠気が強く出やすくなります。この自律神経の影響による眠気は血糖値の影響に関係なく起こることもあります。
消化のために血流が胃腸に集中、脳への血流が減少し眠たくなる


食べたものを消化するため、あなたの体は大量の血液を胃や腸に送り込みます。これは消化という大仕事を成し遂げるためです。でも、それは同時に、脳への血流が相対的に減ることを意味します。酸素も栄養も、いつもより少なくなる。すると脳は「ちょっと休ませて…」となり、眠気として現れるのです。
特に、脂質やたんぱく質がたっぷりの食事は消化に時間がかかります。その分、長く血流が胃腸に集中し続け、眠気もしつこく続いてしまう傾向があります。
食後の眠気は何分後・何時間後に出る?


眠気の始まりは食後30分〜1時間――静かに忍び寄る予兆
食事を終えて30分ほど経つと、血糖値が上昇し始めます。同時に、インスリンの分泌も高まり、脳内では眠気を誘発するホルモン(セロトニンからメラトニンへの合成)が活発になるとされています。
特に、特に高糖質食や炭水化物中心の食事では、このタイミングで眠気を強く感じやすくなります。
眠気のピークは食後1〜2時間――最も集中力が奪われる時間帯
食後1時間前後で血糖値は最高点に。そして、インスリンの働きで血糖値が急降下し始めます。
この「血糖値の崖」を転がり落ちるとき、あなたは強烈な眠気とだるさを感じるのです。一般的に、食後1〜2時間が最も眠気が強くなる時間帯とされています。
参考文献:Benton D, Parker PY. “Breakfast, blood glucose, and cognition.” Am J Clin Nutr. 1998
もしあなたが糖尿病予備群だったり、インスリン抵抗性がある場合、この血糖値の乱高下――いわゆる「血糖値スパイク」――はさらに激しくなり、眠気も一層強まる傾向があります。
眠気の持続時間は30分〜2時間――午後の生産性を奪う時間
通常、血糖値の上昇から低下までの一連のプロセスは、2〜3時間で落ち着きます。その間、眠気は続き、短い人で30分、長い人では2時間近くかたもいます。
昼食後の業務効率が著しく低下する、いわゆる「午後の眠気」。それは、まさにこの持続時間と重なっているのです。あなたも思い当たる節があるのではないでしょうか?
一人ひとり違う眠気のパターン――食事内容と体調が鍵
食後30分〜1時間で眠気が始まり、1〜2時間でピークを迎え、30分〜2時間程度続く。これが一般的なパターンです。
ただし、何を食べたか、血糖値がどう反応するか、その日の体調はどうか――これらによって大きく変わります。さらに、前日の睡眠不足やストレスの状態も、眠気の強さに影響を与えます。
ひどい食後の眠気セルフチェック&受診の目安
食後の眠気がひどいと感じたら:今すぐセルフチェックを
✅ セルフチェック表(食後の眠気が「異常に強い」時)
以下の質問に「はい」が多ければ、注意が必要です。どうか、軽く考えないでください。
□ 食後30分〜1時間で急に強い眠気に襲われる
□ 会議・仕事中・運転中など「集中すべき場面」で眠ってしまいそうになる
□ 昼食の内容にかかわらず(少量でも、低糖質でも)強い眠気が出る
□ 食後の眠気で日常生活や仕事に支障が出ている
□ 食後の眠気と一緒に「動悸」「冷や汗」「手の震え」を感じる
□ 最近、体重増加・強い疲労感・物忘れが増えている
□ 睡眠時間は十分なのに、昼間も強い眠気が続いている
毎回繰り返される強烈な眠気――それは「異常」のサインかもしれません
通常の「食後の眠気」は、食後30分〜2時間にかけて訪れるもの。でも、食事の直後から毎回強い眠気に襲われるなら、それは話が違います。
血糖調節がうまくいっていない可能性――反応性低血糖などの疑いがあります。軽い眠気は誰にでもある生理現象ですが、「毎回・極端に強い」眠気は、体が発する病的なサインかもしれないのです。
眠気だけじゃない――動悸、冷や汗、頭痛があるなら要注意


血糖値が急降下したとき、自律神経が異常な反応を示すとき、眠気だけでなく様々な症状が現れることがあります。
動悸がする。冷や汗が流れる。頭が痛くなる。こうした症状が眠気と一緒に現れるなら、それは「低血糖症」や「インスリン分泌過多」のサイン。放置すると危険です。どうか、一人で抱え込まずに医療機関に相談してください。



どこに相談していいかわからない場合は内科を受診してみて下さい。身体的な病気が眠気の原因となっていないかを調べ、必要に応じて専門科への紹介を行なってくれます。悩まず、気軽に相談してみましょう。
生活に支障をきたすレベルの眠気――事故のリスクを考えて
運転中、作業中に強い眠気が襲ってくる。それは、単なる不便ではありません。事故のリスクが高く、命に関わる問題です。
医学的にも、「過眠症」や「睡眠時無呼吸症候群」の可能性が考慮されます。ただの眠気でも日常生活や仕事に影響が出るレベルなら、それは「要相談ライン」を超えています。
家族歴がある方へ――糖尿病や睡眠障害が隠れているかも
食後の異常な眠気は、糖尿病(特に食後の血糖値の乱高下)や睡眠時無呼吸症候群のサインであることがあります。
もしあなたの家族に糖尿病の方がいたり、過去に何か病気をしたことがあるなら、リスクは高まります。早めのチェックが、あなたの未来を守る第一歩になります。
食後の強い眠気と糖尿病――見逃してはいけない関係性


上記のチェックリストで当てはまる項目が多かった方へ。それは、あなたの体が発しているSOSかもしれません。
これまでお伝えしてきたように、食後の眠気には血糖値が深く関わっています。そして糖尿病は、様々な合併症を引き起こす病気。初期段階では自覚症状が乏しく、気づかないうちに静かに進行していくのです。
毎回の食後に強烈な眠気――糖尿病や耐糖能異常のサイン
糖尿病、あるいはその前段階(境界型糖尿病)にある方の体内では、食後に血糖値が大きく乱高下しやすくなっています。それが、眠気やだるさとして感じられるのです。
特に注意したいのが「少量の炭水化物でも強い眠気が出る」というケース。毎回の食後に異常なほど強い眠気を感じるなら、それは健常な生理的範囲を超えている可能性があります。
眠気に加えて、のどが渇く、トイレが近い、体重が減る…
糖尿病の典型的な自覚症状は「3大症状(多飲・多尿・体重減少)」に加えて倦怠感。これらの症状とあわせて、耐え難いほどの眠気が一緒に現れている。この症状がでているようならかなり要注意です。
「頭がぼんやりして、意識が落ちそうになる」――そんな、通常の眠気とは明らかに質が異なる感覚。それは、体が発する最後の警告かもしれません。
糖尿病以外の可能性も――ナルコレプシーという病気
食後の耐え難い眠気は、必ずしも糖尿病だけが原因ではありません。ナルコレプシーという、睡眠に関わる病気の可能性もあります。
ナルコレプシーは、睡眠と覚醒をコントロールする脳の仕組みに障害が生じる病気。日中に突然、抗いがたい眠気や睡眠発作が起こります。
発症は10代後半から20代前半が多く、日本では約600人に1人の割合とされています。会話の最中、授業中、運転中――どんな場面でも、発作的に眠り込んでしまうのが特徴です。
もしナルコレプシーの症状があるなら、早めに精神科、心療内科、小児科などの専門機関を受診しましょう。
日本睡眠学会「ナルコレプシーの診断・治療ガイドライン」
病院にかかるほどではないけど、食後とにかく眠い方へ
先ほども書きましたが、上記のチェックリストで当てはまる項目が多く、心配な方は内科を受診することをお勧めします。
でも、「受診するほどではないけれど、食後の眠気に本当に困っている」「この眠気を何とかしたい」という方へ。ここからは、今日から始められる具体的な対策をご紹介します。
食後の眠気対策の基本――小さな習慣が大きな変化を生む
低GI食品や食物繊維・たんぱく質を上手に取り入れる


雑穀米、野菜、豆類といった低GI食品や、たんぱく質を食事に取り入れてみてください。血糖値の上昇が緩やかになり、インスリンの急増・急降下を防ぐことができます。
参考文献: 今井佐恵子, et al. “糖尿病患者における食品の摂取順序による食後血糖上昇抑制効果.” 糖尿病 53.2 (2010): 112-115.
金本郁男, et al. “低 Glycemic Index 食の摂取順序の違いが食後血糖プロファイルに及ぼす影響.” 糖尿病 53.2 (2010): 96-101.
この意識が、食後の眠気を軽減する大きな一歩になります。一方で、白米、パン、砂糖菓子を単独で食べると、血糖値は急激に変動し、眠気も強くなってしまいます。
腹八分目で、炭水化物は控えめに
「お腹いっぱい食べたい」――その気持ちはよくわかります。でも、食べ過ぎは消化に負担をかけ、血糖値の上昇も大きくなります。結果、眠気は増すばかり。
腹八分目を心がけることで、血糖値と消化の両面から眠気を抑えることができるのです。
正しい姿勢を保つ――意外と見落とされがちな対策


実は、正しい姿勢も食後の眠気を和らげる手助けになります。
前かがみの姿勢は呼吸を浅くし、酸素の供給を低下させます。それが眠気を助長してしまうのです。一方、背筋を伸ばすと酸素の取り込みが増え、眠気の軽減につながります。
さらに、食後に深呼吸を組み合わせると、効果はより高まります。
軽い運動を取り入れる――10分の散歩が午後を変える


食後、少しだけ体を動かしてみませんか?軽い歩行やストレッチは、血糖値の急上昇を抑え、脳への酸素と血流を増やして眠気を和らげてくれます。
10分程度の散歩、デスクワーク中なら立ち上がって伸びをするだけでも効果的。小さな一歩が、午後のあなたを大きく変えてくれます。
作業環境を明るく・涼しく保つ


暗くて暖かい環境は、副交感神経を優位にし、眠気を強めてしまいます。反対に、明るくてやや涼しい環境は、覚醒度を高めてくれます。
デスクライトで明るさを調整したり、冷水で顔を洗うのも有効です。環境を少し変えるだけで、眠気との闘いが楽になります。
15〜20分の仮眠――罪悪感を手放して


「仕事中に寝るなんて…」と罪悪感を感じる必要はありません。NASAなどの研究でも、短時間の仮眠(パワーナップ)は眠気解消と集中力向上に有効だと報告されています。
参考文献: Rosekind MR, et al. “Crew factors in flight operations IX: Effects of planned cockpit rest on crew performance and alertness in long-haul operations.” NASA Technical Memorandum. 1994
この論文では運転・作業安全分野において短時間仮眠(20–40分)の有効性エビデンスが記載されています。
ただし、30分以上寝ると深い睡眠に入り、起きたときにかえってだるくなってしまいます。15〜20分を目安に、短く、効果的にパワーナップを活用しましょう。
サプリでできる食後の眠気対策はある?
眠気を直接改善するサプリは存在しない
正直にお伝えします。「食後の眠気改善サプリ」として承認されたものは、残念ながら存在しません。一方、食後の血糖値を抑えるといった機能性食品や睡眠の質を上げる機能性表示食品の届出はあります。



機能性表示食品の「機能性」は消費者庁のデータベースから簡単に検索できます。活用してみて下さい。
機能性表示食品検索
食後の眠気に漢方は効く?――長期的に体質を整える方法
漢方の世界では、食後のだるさや眠気は「脾気虚(消化機能の低下)」や「気滞(エネルギーの巡りの滞り)」として捉えられます。
代表的な漢方薬には以下のようなものがあります。
- 六君子湯(ろっくんしとう):胃腸が弱く、消化不良に悩む方に
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):疲労感・倦怠感を伴う場合に
- 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう):胃のつかえや膨満感が強い方に
ただし、漢方は「体質を整える」ことを目的とし、西洋薬のような即効性は期待しにくいもの。継続的に使用して、徐々に効果が現れるケースが多いのです。漢方で「今すぐ眠気を改善したい」という方には向きません。しかし、長期的な体調管理としては有効です。
また、食後の眠気が強い場合、糖尿病や低血糖、睡眠時無呼吸症候群が背景にあることも少なくありません。漢方の視点だけで判断すると、病気を見逃してしまうリスクがあります。専門家に相談し、医療機関での検査を受けることをお勧めします。
カフェインで眠気を撃退――ただし、飲み方には注意を


カフェインを含んだ飲み物や菓子、または錠剤のようなものを活用し眠気対策をすることは有効です。
カフェインには確かに覚醒作用があり、眠気防止には即効性があります。
ただし、飲みすぎは胃酸の分泌を促して消化を妨げたり、夜の睡眠に影響を与えることもあるので注意しましょう。カフェインを眠気覚ましに飲むときのおすすめの飲み方をまとめました。参考にしてください。
おすすめの飲み方:
- 食後30分〜1時間後に1杯のコーヒー
- 午後3時以降は控える
- 緑茶やほうじ茶で軽くカフェインを摂るのも◎
上手に付き合えば、カフェインはあなたの強い味方になってくれます。
コーヒーやカフェインの覚醒効果についてはこちらの記事にもまとめています👇
「コーヒーを飲むと集中力が高まる」って、ウソ?ホント? – 暮らしのお役立ち情報
食後の眠気――寝るべき?それとも我慢するべき?
強い眠気を我慢するより短時間仮眠が有効
強い眠気を必死に我慢する。その努力は素晴らしいですが、実は逆効果かもしれません。
NASAやハーバード大学の研究によると、短時間の仮眠は作業効率と集中力を回復させる効果があるとされています。眠気を我慢するよりも、一度リセットした方が、その後のパフォーマンスが高まるのです。
参考文献:Mednick SC, et al. “The restorative effect of naps on perceptual deterioration.” Nat Neurosci. 2002


仮眠は30分以内にとどめる
ただし、30分以上眠ると深い睡眠に入ってしまい、起きた後に「睡眠慣性(起床直後の強いだるさ)」が現れてしまいます。
最も効果的とされるのは、15〜20分。短く、浅く、効率的に活用しましょう。
カフェインナップ――仮眠前のコーヒーが鍵
「カフェインナップ」という方法をご存知ですか?
先ほどの章で書きましたが、カフェインには覚醒作用があり、カフェインを含んだ飲み物や菓子、または錠剤のようなものを活用し眠気対策をすることは有効です。
カフェインナップは仮眠の前にコーヒーを飲む方法です。ちょうど20分後にカフェインの覚醒作用が働き、スッキリと目覚められます。
コーヒーでも緑茶でもOK。ただし、カフェインに敏感な方や、夜の睡眠に影響が出やすい方は注意してください。
横にならず、椅子やデスクで浅く眠る
完全に横になると、体は「本格的に寝る時間だ」と判断し、深い眠りに入りやすくなります。短時間での覚醒が難しくなってしまうのです。
リクライニングチェアに座る、デスクに伏せるなど、「浅い眠り」を意識した姿勢が理想的です。
午後遅い時間帯の仮眠は避けて
16時以降の仮眠は、夜の睡眠リズムに影響を与え、寝付きが悪くなるリスクがあります。
昼食後から15時までの間が、仮眠に最適な時間帯です。しかし、会社で仕事をされている方などはマナーやTPOをしっかり把握しましょう。
最後に――あなたの眠気と、これからも向き合っていくために
食後の眠気は、多くの人が経験する身近な悩みです。でも、その裏には血糖値の変動、自律神経の働き、そして時には病気のサインが隠れていることもあります。
大切なのは、「自分の眠気」をよく観察し、必要であれば専門家に相談すること。そして、日々の小さな習慣を変えていくこと。
この記事が、あなたの午後を取り戻し、より健康で充実した毎日を送るための一助となれば幸いです。
どうか、一人で抱え込まないでください。あなたの体は、いつもあなたに語りかけています。その声に、耳を傾けてあげてくださいね。
