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十五夜のお月見、意外と知らない由来と作法とは

十五夜のお月見、意外と知らない由来と作法とは

9月のイベントといえばお月見ですが、しっかりとお月見をした人は少ないのではないでしょうか。お月見自体も何となくススキとお団子で山を作って飾るというようなものをイメージしている人は少なくないはずです。しかし、なぜススキとお団子を飾るのかをしっかりと理解している人は少ないのではないでしょうか。今回は意外と知らないお月見についてご紹介します。

1.十五夜とは

十五夜はお月見とも呼ばれています。十五夜はその名の通り、 主に旧暦815日から16日の夜(八月十五夜)に行われているからその名前が付きました。そのため、月見に関する話題で単に「十五夜(じゅうごや)」とはこの夜を意味します。ちなみに、今年の中秋の名月は9月15日(日)になります。

1-1.お月見はそのままの通り月を見る文化

中国や日本では、単に月を愛でる慣習であれば古くからあり、日本では縄文時代頃からあると言われています。ただ、『竹取物語』には、月を眺めるかぐや姫を嫗(おうな・年を取った女性のこと)が注意する場面があり、月見を忌む思想も同時にあったと推察されます。

1-2.お月見は中国の文化から広まった

名月の日に月を鑑賞する風習の始まりは、唐代の頃からです。宋代の『東京夢華録』には身分に関わらず街を挙げて夜通し騒ぐ様子が記録されています。この風習が貞観年間(西暦859-877)の頃、日本の貴族社会に入ってきました。

平安時代の月見は徐々に規模が大きくなり、延喜19(西暦919)には宇多法皇が日本独自の十三夜の月見を催したりもしました。当時の日本での月見は詩歌や管絃を楽しみつつ酒を酌む、といった雅味な催しで庶民とは縁のないものです。この頃の月見は中国、日本ともに願掛けや供え物といった宗教的な要素はなく、ただ月を眺めつつ楽しんでいたようです。

初秋は台風や秋雨の日々が続きますが、中秋には大陸の乾燥した冷たい空気が流れ込むため、秋晴れに恵まれ大気の澄んだ季節となり、月がとても美しく見えます。そこで、上流社会で観月の宴を催し、風雅に月をめでていましたが、のちに作物の収穫祭と結びつき、人々は豊かな実りの象徴として十五夜を鑑賞し、お供えものをして感謝や祈りを捧げるようになったようです。

1-3.十五夜以外のお月見

実は十五夜以外にもお月見をする風習があります。

○九月十三夜

先ほど少し紹介した宇多法皇が催したお月見です。

八月十五夜に対して、九月十三夜(旧暦913日から14日の夜)の月は「後の月」と呼ばれています。十三夜はお月見の風習の由来である中国にはなく、日本独自の風習と言われています。ちょうど食べ頃の大豆や栗などを供えることから、この夜の月を豆名月または栗名月と呼ばれています。

○十月十夜

旧暦1010日の月は「十日夜の月」と呼ばれ、「中秋の名月」と「後の月」に対しては「三の月」とも言い、この夜に見る月がその年の収獲の終わりを告げるとされています。

2.お月見の作法

お月見といえば、山盛りにしたお団子にススキのイメージがあるのではないでしょうか。実際にそれは正しく、基本的にそれだけです。ただし月見団子には飾り方の決まりがあるのでそれをご紹介します。

2-1.月見団子の飾り方

月見団子は十五夜の場合15個のお団子をお供えします。十三夜の場合は13個ですが、今回は十五夜のお話なのでそこは省きます。

十五夜のお団子15個の飾り方は、一段目に9個、2段目に4個、3段目に2個と飾ります。

お団子は台に載っているイメージですが、お皿やお盆に白い紙を敷いて並べれば問題ありません。

ちなみに月見団子は元々収穫のお祝いとして収穫したお米をお供えしていたのですが、いつのころからお月様に見立てるため満月に見立てて丸いお団子を作るようになったようです。

2-2.月見団子の作り方

月見団子の作り方は簡単で、上新粉とお湯のみでできます。

上新粉…300g

熱湯 …220230g

材料はこれだけです

作り方は

①上新粉に熱湯を加えて耳たぶくらいの柔らかさになるまでこねます。

②鍋の8分目くらいまで水を入れ沸騰させます、できた生地を丸めておき沸騰したお湯に入れ34分程度ゆでます

③団子が浮いてきたら、救い上げて冷水に入れて冷やしたら完成です。

 

お好みで砂糖や塩を混ぜるとおいしく食べることができます。

2-3.野菜のお供え物

お団子以外にも飾りがあり、収穫祭も兼ねているため野菜を飾ります。

飾る野菜は、十五夜は別名「芋名月」と呼ばれ、サトイモなどのイモ類の収穫を祝う行事でもあるため、サトイモやサツマイモを飾られます。また、旬の野菜や果実なども飾られ、特にブドウなどのツルがあるものは、月と人とのつながりがつよくなるという縁起のいいお供え物です。

2-4.ススキなどの秋の七草のお供え物

ススキもお月見には代表的な飾りです。本来は収穫祭なので稲穂を飾るのがよいのですが、時期的に稲穂がなかったためススキを備えるようになったようです。

また、ススキ以外の秋の七草(萩、桔梗、撫子、葛、藤袴、女郎花)を備えることでも問題ありません。

また、これらのお月見のお供え物の並べ方は、月から見て右側に月見団子、左側にススキと野菜類をお供えするようにしましょう。

3.三大お月見鑑賞地

眺める月はどれも同じですが、昔の人が月を愛で、歴史に残っているような土地が三大お月見鑑賞地として残っています。

3-1.大覚寺大沢池(京都府京都市)

嵯峨天皇が大沢池にて、中秋の名月に舟を浮かべ、文化人・貴族の方々と遊ばれたことから始まった「観月の夕べ」を体験することができます。空を見上げれば煌々と、目を落とせば静かな水面に映る月を見ることができます。

日 程:令和元年913(金・中秋)915()
時 間:17時~20時半受付終了
参拝料:大人500円 小人300

旧嵯峨御所 大本山 大覚寺

3-2.猿沢池(奈良県奈良市)

中秋の名月(令和元年91213日)

猿沢池の西北の隅に鳥居を背にした珍しい後ろ向きの神社があります。 これが采女神社で『大和物語』によりますと「奈良時代に帝に仕えていた采女(後宮で帝の給仕をする女官の職名)が、帝のご寵愛が衰えたのを嘆いて猿沢池の池畔の柳に衣を掛け、入水したので、その霊を慰めるために社を建てた。しかし、采女は我が身を投じた池を見るにしのびないと一夜のうちに社を後ろ向きにした。」と伝えられています。

中秋の名月には花扇奉納行列があり、秋の七草で美しく飾られた2m余りの花扇と数十人の稚児、御所車に乗った十二単姿の花扇使が天平衣装をまとって市内を練り歩きます。その後春日大社神官による厳かな神事の後、花扇が奉納されます。そして、南都楽所の奏する雅楽が流れるなか、花扇をはじめ、花扇使を乗せた2隻の管絃船(龍頭・鷁首)が、猿沢池に浮かぶ流し灯籠の間をぬ って池をめぐり、最後には花扇を池中に投じる雅やかな行事ですを見学することができます。

奈良市観光協会:采女祭/采女神社(春日大社末社)

3-3.石山寺(滋賀県大津市)

紫式部が参籠し、湖面に生える十五夜の月を眺め、「源氏物語」の構想を練ったと伝わっている石山寺です。近江八景のひとつ「石山の秋月」には石山寺の月見亭が描かれ、月の名所としても知られています。平安時代から伝わるお月見の名所、石山寺では中秋の名月に合わせて「秋月祭」を開催しています。

日 程:令和元年913(金・中秋)914()
時 間:18時~21(最終入山午後830)
参拝料:大人600円 小学生250

石山寺:秋月祭

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。お月見の起源を考えれば、別にお月見団子を作ったりススキを飾ったりしなくても月を見ているだけでも問題ありません。中秋の名月に一度空を見上げて月を探して、お月見をしてみてはいかがでしょうか。