アルコールの糖質はどのくらいなのか?各種お酒の糖質を紹介!

更新:25/10/17 改訂

最近のダイエットの主流である糖質制限、皆さんはやっているでしょうか。今では外食でも糖質制限のメニューを提供するなど糖質制限が多くの人に認識されています。糖質制限をしている人はわかると思いますが、食べ物を食べるとき糖質がどれくらい入っていて、食べてもいいものか気になるものです。今回はそんな気になる糖質の中のアルコールの糖質について紹介します。

1.アルコールの糖質は種類より異なる

純粋なアルコール自体に糖質が含まれることはありません。しかし、アルコールが含まれているお酒は種類によって糖質の量は様々です。主なアルコール類に含まれている糖質量は下記の通です。まずは自分がよく飲むお酒の糖質を確認してみましょう。

ここで、下記のカテゴリー区分は次の通りです。

A:果実酒  B:醸造酒  C:蒸留酒

1-1.醸造酒には糖質が含まれている

糖質が含まれているお酒は基本的に醸造酒です。醸造酒とは穀物や果実を絞ったジュースなど糖を含む液体に酵母を入れて発酵させることにより、糖をアルコールに変換しています。使用する材料に糖質が多く含まれており、原料由来の糖質が残りやすいため、醸造酒には糖が含まれています。

醸造酒の種類は上の表だとBのカテゴリのものです。醸造酒かどうかは、覚えるしかありませんが、ビール、日本酒、ワインが該当することを覚えておけばよいでしょう。また醸造酒は基本的にはアルコール度数はそこまで高くはありません。

1-2. 糖質ゼロは蒸留酒!

表の中ではCのカテゴリのものが蒸留酒です。醸造酒とは異なり、蒸留酒には糖質が含まれていません。これは蒸留酒と製法が異なるからです。醸造酒と蒸留酒は基本的に途中までは作り方は同じなのですが、その違いは蒸留酒の名の通り蒸留という工程を行っているからです。

醸造酒は水とアルコールが混ざっている状態ですが、醸造酒をさらに加熱することで、お酒に含まれているアルコールを取り出します。この取り出したアルコールを冷やして加水、熟成などの工程を得ることで焼酎やウイスキー・ブランデーなどのお酒ができるのです。この蒸留において、糖質は取り除かれるため、糖質がほぼ含まれなくなるのです。

1-3.果実酒は糖質が高め

醸造酒や蒸留酒とは違い分類できないのが、果実をアルコールで漬けた果実酒(表のAのカテゴリ)です。

果実酒は、果実をアルコールで漬けるだけでなく、多量の氷砂糖も一緒に入れます。その量は作る好みによりますが、果実とアルコールを含めた量の1割以上の氷砂糖を入れます。含まれる糖質は、その製造で使用する氷砂糖によって変わるため一概には言えませんがつける果実の糖質も含まれるため、基本的に糖質は高めになっています。

ちなみに、果実酒に使われているお酒は蒸留したお酒に加水したアルコール度数35%ほどのホワイトリカーという果実酒用のお酒です。純粋なアルコールに水を加えただけなので、これ自体には糖質は含まれていません。

1-4.注意:実際に飲む1杯分の糖質は異なる

表を見ると、100mlあたりの糖質が一番高くなっているのは梅酒ですが、実際に飲む量での糖質は表の右側になります。

梅酒の糖質が高いことは変わりませんが、ビール、発泡酒が1杯で換算した場合では10gを超えてしまっています。集まりや家飲みでも、1杯だけ飲んでおしまい!ということはなかなか少ないのではないでしょうか。

1回の飲みの場で、下記のような飲み合わせで5杯分のアルコールを飲んだ場合を表にしました。

アルコールの種類や飲み方によっても糖質量が違うことがわかります。

※ハイボールはウイスキーを炭酸で割っているだけのため糖質は0gです。

1-5.カクテル系のお酒は要注意

代表的なお酒については、1章で紹介しましたが、これらのほかにもカクテルなどがあります。ここで、カクテルといってもその種類はかなりの種類があり、カクテルブックに掲載されている代表的なものだけで、2~300種類もあります。

これらをすべてに関して覚えることはできませんので、各種カクテルが使うアルコールを理解しておくと選択する際の助けになります。

1-5-1.リキュール系のカクテルは避けるべき

カクテルといえば、女性でも飲みやすいカシスオレンジなどのリキュールを使ったお酒です。リキュールとは、蒸留酒に果実やハーブなどの副材料を加えて香味を付けて、砂糖やシロップなどを加えています。そのためリキュール系のお酒は飲みやすいこともあり糖質が高めです。リキュールにもよりますが、おおよそ100g当たりの糖質量は20gとかなりの高糖質です。

リキュールは含まれる果実によって種類が多種にあるのですが、

カシスリキュール(カシスオレンジで使用)
コーヒーリキュールカ(ルーアなどで使用)
ココナッツリキュール(マリブコークなどマリブで有名)

など様々です。

カクテルには各種リキュールの名前がついているため、代表的なリキュールを覚えると助けになります。注文するときには、リキュール系のカクテルかどうか尋ねるとよいでしょう。

気になる人は下記のリンクよりリキュールベースのカクテルをチェックしてみましょう。

参考:「リキュールベースのカクテル」Wikipedia

1-5-2.割り材の糖質に注意が必要

ジントニックなどに代表されるトニックウォーターを使用しているカクテルにも糖質が含まれており、その量は100g当たり9gです。

トニックウォーターは、炭酸水にレモンやライムなどの柑橘系の果物のエキスと糖分を加えたものになります。そのため含まれる糖質は多くはありませんが、少なくもありません。

トニックウォーターが使われているカクテルは、「ジントニック」や「カンパリトニック」などのように「トニック」という名前がついていてわかりやすいものもあるのですが、これに限らないものもあるので。わからないものについては聞いてみるようにしましょう。

また、マリブコーラやコークハイ等お酒をコーラで割っているカクテルもあるので、これらにも注意するようにしましょう。

2.アルコールと糖質の分解が血糖値に与える影響

「アルコールは糖質ゼロだから血糖値に安心」と思っていませんか? 実はそう単純ではありません。アルコールと糖質は体内でまったく異なる仕組みで分解されます。その際には、肝臓の処理能力をめぐって“取り合い”をしてしまうのです。そのため、飲酒は血糖値を上げる場合と、逆に下げすぎてしまう場合の両方のリスクを持っています。

「飲酒=血糖値が必ず上がる」ではなく、シチュエーションによって「上がる/下がる」両方の可能性があるのです。

2-1.アルコールを食事(糖質)と摂取なら「高血糖」気味

アルコールは肝臓でアルコール脱水素酵素(ADH)やアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって分解されます。このとき「NAD⁺」という補酵素が「NADH」に変化し、肝臓内の代謝のバランスを大きく変えてしまいます。肝臓はアルコール処理を最優先するため、糖質の代謝や脂肪の燃焼が後回しになり、食事で摂った糖質が血液中に残りやすくなるのです。

2-2.アルコールを空腹で摂取なら「低血糖リスク」の可能性

一方で、空腹時にアルコールを飲むと、肝臓が本来行う「糖新生(糖を新たに作る働き)」がストップしてしまいます。その結果、血糖値が急激に下がり、低血糖を引き起こすことがあります。特に糖尿病の薬を使っている人にとっては注意が必要です。

「アルコールと糖質の分解」は、飲むタイミングによって血糖値を上げる方向にも、下げる方向にも働きます。大切なのは、「お酒は血糖値を不安定にする要因」と理解して、飲む量や飲み方を工夫することです。

2-3.糖質オフ/ゼロビールはダイエットにオススメできない

糖質カット/オフのビールとはその名のとおり糖質を押さえたビールです。しかし、ビールとはいっても多くの糖質カットの製品は「発泡酒」もしくは「第3のビール」であり、厳密に言うとビールではありません。

糖質がゼロから普通のものより50%カットしているものまで、多種多様な商品が販売されています。糖質が含まれてないお酒は第1章で紹介した「蒸留酒」を飲んでいただければいいのですが、ここで紹介する商品は、糖質が高めのビールを気にせずに飲みたい方向けの商品です。

糖質がカットされているといっても実際には糖質が含まれています。確かに、糖質自体は普通のものよりかは含まれている量は少ないのですが、実はゼロと書かれていても完全に含まれていないというわけではありません。ゼロと書かれていても法律上100mlあたり、0.5g未満に抑えればゼロと謳ってもよいのです。そのため、糖質を気にする人は糖質オフのビールを飲むのではなく、普通にハイボールなどを飲む方がよいでしょう。

2-4.糖質ゼロでもカロリーはゼロではない

糖質ゼロのアルコール飲料でも、エタノールそのものが1gあたり約7.1kcalのエネルギーを持つため、カロリーはしっかり存在します。糖質制限中でも飲めるとはいえ、飲みすぎればカロリー過多になる可能性もあるので注意が必要です。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。アルコールの糖質は様々です。その中でどのようなお酒の糖質が高いかは理解できたかと思います。基本的に蒸留酒には糖質が含まれていないということを念頭に、それらのソーダ割などを中心に飲むことで、糖質を抑えることができます。自分の好みのお酒もあるとは思いますが、糖質を気にする人はほどほどにするようにしましょう。