アカシア樹皮由来プロアントシアニジンが食後血糖値に与える影響のメカニズム解明の論文(Vol.3)

【機能性表示食品『アカポリ糖ケア』の届出 作用機序に関する論文(試験管試験)】

アカシア樹皮抽出物をいくつかのフラクションに分画することで、フラクションごとのαアミラーゼ阻害活性成分の探索を行いました。さらに、構造の違いによる活性の違いを調べました。さらに、アカシア樹皮抽出物には、(+)ピニトールが含まれることが明らかとなりました。 この論文は、機能性表示食品『アカポリ糖ケア』の届出に際して、作用機序を説明する論文になっています。

【試験内容の詳細】

Characterization of the α-Amylase Inhibitory Activity of Oligomeric Proanthocyanidins from Acacia mearnsii Bark Extract, Y Matsuo, R Kusano, S Ogawa, Y Yazaki, T Tanaka, Natural product communications 11 (12), 1851-1854, 2016 https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1934578X1601101219

目的

5,7-デオキシフラバン―3-オールは、一般にチオール分解やフロログルシノール分解によって分解されます。しかし、アカシア樹皮抽出物に含まれるプロアントシアニジンは、B環がピロガロールタイプとカテコールタイプである5-デオキシフラバン―3-オールが主要であり、化学的に非常に安定で、分解することができません。従いまして、構成成分の分析は非常に難しいものとなっています。 アカシア樹皮抽出物はさまざまな生理活性が報告されていますが、活性成分の構造決定は非常に重要なことです。そこで本実験では、各フラクションのα-アミラーゼ阻害活性と、13CNMRおよびMS分析により、活性成分であるプロアントシアニジンの構造決定を行うことを目的としました。

結果

アカシア樹皮抽出物のフラクションごとのαアミラーゼ阻害の検証を行い、13CNMRとMSと熱分解生成物により阻害活性を比較した。5-デオキシフラバン―3-オールにおいては、ピロガロールタイプ(3個)のB環よりもカテコールタイプ(2個)のB環のプロアントシアニジンオリゴマーを含むフラクションが強い活性を示しました。(ピロ)カテコールのピークを示す熱分解生成物のHPLCは、強い活性を示すフラクションから得られた混合物においてのみ検出されました。さらに、(+)ピニトールは抽出物の主要なポリオールとしてアカシア樹皮抽出物の8.9%の割合で単離されました。

結論

アカシアの樹皮由来プロアントシアニジンは、強いα-アミラーゼ阻害活性を示すことが改めて確認されました。糖質と脂質吸収を抑制するための有用な機能性食品素材となる可能性が考えられます。