アカシア樹皮由来プロアントシアニジンが食後血糖値に与える影響のメカニズム解明の論文(Vol2)

【機能性表示食品『アカポリ糖ケア』の届出 作用機序に関する論文(試験管試験)】

アカシア樹皮由来プロアントシアニジンは、デンプンを分解するα-アミラーゼや脂肪を分解するリパーゼという酵素に対して強い阻害活性があることが明らかとなりました。 また、アカシア樹皮由来プロアントシアニジンがどういう構造をしている化合物であるかについて化学的な分析を行い、構造決定を行い、新規物質の発見につながりました。 この論文は、機能性表示食品『アカポリ糖ケア』の届出に際して、作用機序を説明する論文になっています。

【試験内容の詳細】

アカシア樹皮プロアントシアニジンのαアミラーゼ阻害とリパーゼ阻害と構造決定 (α-Amylase and lipase inhibitory activity and structural characterization of acacia bark proanthocyanidins), R Kusano, S Ogawa, Y Matsuo, T Tanaka, Y Yazaki, I Kouno, Journal of Natural Products 74 (2), 119-128, 2011

目的

プロアントシアニジンは、さまざまな健康への利用が知られています。またアカシア樹皮抽出物も最近、抗糖尿病、抗肥満がマウスの試験で示されました。しかし、プロアントシアニジンのオリゴマーは、ほとんど吸収されないため、糖質や脂質の吸収を抑える作用、つまり、消化酵素の阻害活性がそれらの効果を示す作用機序であると考えられます。本研究では、リパーゼとαアミラーゼの2 つの消化酵素への阻害活性について調べるとともに、アカシア樹皮抽出物の活性画分化合物の構造決定を目的としました。

結果

アカシア樹皮抽出物は250 μg/ml の時、強いαアミラーゼ阻害(73.7 ± 3.8%)を示しました。これは、紅茶 (68.5 ± 4.6%)、緑茶(21.0 ± 3.7%)、ウーロン茶 (10.9 ± 2.7%)、グァバ葉の茶(32.4 ± 9.5%)より強い値でした。カラムを用いて得た最も阻害活性をもつFr. 2217(4 量体から8 量体)では、92.4 ± 1.9% の阻害を示し、これは緑茶のepigallocatechin 3-O-gallate(77.7 ± 6.5%)、紅茶のtheaflavin 3, 3’-di-O-gallate (88.7 ± 2.5%) に匹敵し、また、中国甘茶のsanguiin H-6 (65.3 ± 5.4%) やラズベリーよりも強いことがわかりました。 アカシア樹皮由来プロアントシアニジンからの画分は、リパーゼ阻害活性も示しました。 次に、抽出物からは、3つ新しい化合物として、flavan-3-ol 配糖体(4’-O-Methylrobinetinidol 3’-O-β-D-glucopyranoside)と2 つのプロアントシアニジンダイマー(Fisetinidol-(4α,6)-gallocatechin、Epirobinetinidol-(4β,8)-catechin)が同定され、それらを含む16 種類の化合物を特定されました。単離された残りの既知成分13 種類は、(-)-robinetinidol、syringic acid、(+)-gallocatechin、(+)-catechin、taxifolin、butin、 robinetinidol-(4α-8)-catechin、robinetinidol-(4α-8)-gallocatechin、fisetinidol- (4α-8)-catechin、1, 6-di-O-galloyl-D-glucose、3-methoxy-4-hydroxyphenyl-1-O-β-D-glucopyranoside、3,5-methoxy-4-hydroxybenzylalchol-4-O-β-D-glucopyranoside、とmultifidol glucosideでした。

結論

アカシアの樹皮由来プロアントシアニジンは、α-アミラーゼとリパーゼに対して強い阻害活性を示しました。もっとも強い活性の分画は、ロビネチニドールをユニットとする4 量体から8 量体であることが分かりました。これらのプロアントシアニジンのα-アミラーゼとリパーゼ阻害活性は、糖質と脂質吸収を抑制するための有用な機能性食品素材となる可能性が考えられます。