アカシア樹皮由来プロアントシアニジンが食後血糖値に与える影響のメカニズム解明の論文(Vol1)

【機能性表示食品『アカポリ糖ケア』の届出 作用機序に関する論文(マウス試験)】

アカシア樹皮由来プロアントシアニジンは、脂肪を分解するリパーゼという酵素や糖を分解するグルコシダーゼという酵素の働きを阻害することがわかりました。また、アカシア樹皮由来プロアントシアニジンは、マウスの消化管において、脂肪や糖の吸収を抑制することがわかりました。 この論文は、機能性表示食品『アカポリ糖ケア』の届出に際して、作用機序を説明する論文になっています。

【試験内容の詳細】

アカシアポリフェノールのリパーゼおよびグルコシダーゼ活性阻害作用 (The inhibition of lipase and glucosidase activities by acacia polyphenol), N Ikarashi, R Takeda, K Ito, W Ochiai, K Sugiyama, Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine 2011, 2011

目的

アカシアの樹皮から抽出したポリフェノールは、ロビネチニドールやフィセチニドールなどのユニークなカテキン類であるフラバン―3-オール類を多く含むプロアントシアニジンです。本研究では、in vitro 試験によりアカシア樹皮抽出物(アカシアポリフェノール)のリパーゼ阻害活性およびグルコシダーゼ阻害活性を測定しました。また、マウスにオリーブ油、グルコース、マルトース、スクロースあるいはデンプン水溶液を経口投与することにより、これらの吸収に及ぼすアカシアポリフェノールの影響について検討しました。

方法

In vitro 試験:膵リパーゼ活性は基質としてトリオレイン、酵素としてブタ膵リパーゼを用い、オレイン酸への変換量を測定することにより算出しました。グルコシダーゼ活性は、基質としてマルトースあるいはスクロース、酵素としてラット腸管アセトン粉末を用い、グルコースへの変換量を測定することにより算出しました。 In vivo 試験:絶食させたICR マウスにアカシアポリフェノール(0.25-1.0 g/kg)水溶液を強制経口投与しました。アカシアポリフェノール水溶液投与直後にオリーブ油(5mL/kg)、マルトース(2 g/kg)、スクロース(4 g/kg)、グルコース(2 g/kg)あるいはデンプン(4 g/kg)水溶液を強制経口投与しました。経時的に採血を行い、血漿中トリグリセリド濃度あるいはグルコース濃度を測定しました。

結果

In vitro 試験:アカシアポリフェノールはリパーゼ、マルターゼおよびスクラーゼ活性を濃度依存的に阻害し、そのIC50 はそれぞれ0.95 mg/mL、0.22 mg/mL および0.60 mg/mL でした。 In vivo 試験:ICR マウスにアカシアポリフェノール水溶液を経口投与した直後にオリーブ油を経口投与し、血漿中トリグリセリド濃度を測定した結果、アカシアポリフェノールはオリーブ油負荷による血漿中トリグリセリド濃度の上昇を投与量依存的に有意に抑制しました。また、アカシアポリフェノールはマルトースおよびスクロース負荷による血糖値の上昇を投与量依存的に有意に抑制し、この作用はマルトースに対する方が強い結果を得ました。さらに、アカシアポリフェノールはグルコース負荷による血糖値の上昇も抑制しました。また、アカシアポリフェノールはデンプン負荷による血糖値の上昇をわずかに抑制しました。

結論

アカシアポリフェノールはリパーゼおよびグルコシダーゼ阻害活性を示すことが明らかとなり、また、マウスの試験により、消化管において脂肪および糖の吸収を抑制することが示唆され、2量体だけではなく、グルコースの吸収も抑制することがわかりました。