がんこなこりをほぐす「肩こりスッキリ!おすすめストレッチ」紹介!

1.女性のお悩みNо.1!肩こりが起きる3大原因

日本人が日ごろ抱えている体の不調について、厚生労働省が調査したところ、女性の回答の第1位は肩こり。男性でも腰痛に次いで、肩こりが第2位となっています。老若男女を問わず、今や肩こりは国民共通の悩みの種といえるのです。

 

1-1.肩こりとはどんな状態のことをいう?

肩、首、背中などの筋肉が長時間緊張を続けると、血管が圧迫されて血流がとどこおり、筋肉内に疲労物質が多く蓄積。筋肉に運ばれる酸素も不足していきます。その結果生じる筋肉のだるさ、重さ、疲労感など、もろもろの症状がすなわち肩こりです。筋肉の緊張が慢性化して神経が刺激されると、強い痛みが生じることもあります。ふだん意識することはありませんが、私たちが日常生活を送る際、肩、首、背中などの筋肉には常に大きな負担がかかっています。これらの部位の筋肉が連動して、4~6kgある頭部と計6~8kgある両腕を支えてバランスを取っているからです。そのため、よくない生活習慣やクセが積み重なると、ただでさえ重労働に耐えている筋肉の緊張がリミットを超えて、つらい肩こりとなって現れるようになります。

 

1-2.ガチガチ、ズキズキの肩こりを引き起こす3つの原因

個々の生活習慣などによって一概にはいえませんが、肩こりの原因は主に次の3つ。体型や骨格がもとになって肩こりが生じる場合もあります。

 

1-2-1.ふだんの姿勢や動作のクセ

長時間のデスクワークやスマートフォンの操作をしていると、背中がついつい丸まって猫背になり、首は前に突き出したまま、あるいはうつむいたままの状態になります。その間、頭部を支える筋肉はずっと緊張を強いられることとなり、必然的に肩こりが起きやすくなるのです。そのほか、パソコンのキーボードの位置が高すぎる・低すぎる、または遠すぎる・近すぎると、長く使ううちに腕から肩の筋肉の負担が増大。バッグをいつも同じ方の肩にかける、同じ方の手で重い荷物を持つといったバランスの崩れた体の使い方も、筋肉の緊張をほぐれにくくして肩こりを助長します。

 

1-2-2.過度なストレス

ストレスがかかった状態で長時間の作業をしていると、無意識のうちに体に力が入って筋肉の緊張が高まり、肩こりが悪化しやすくなるもの。さらにそのストレスがもととなり、体を興奮状態からリラックス状態に切り替える自律神経が乱れると、夜の睡眠もさまたげられます。すると、筋肉の疲労回復がスムーズにできなくなって、肩こりもなかなか抜けなくなるのです。

 

1-2-3.体型や骨格

太りぎみ、またはやせすぎといった体型の問題も、肩こりの背景として無視できません。太っている人の場合、肩・首・根中などについた脂肪によって筋肉の締めつけがきつくなる、腹部の脂肪が背骨のバランスを崩すために肩から首の骨格の負担が増すことなどが、肩こりの誘因にあげられます。やせすぎの人ではそもそも肩まわりの筋肉の量がとぼしいために、少しの負担でも筋肉が過度に緊張して肩がこってしまうのです。また、肩こりは骨格の特徴とも関係があり、特に注目されているのが鎖骨の形状です。首の下から両肩に向かって伸びている鎖骨は、本来はV字型に左右に張り出して、肩・腕・背中・胸の骨の動きを助けています。この鎖骨が水平に近い状態に広がっている、いわゆるなで肩の人は、首周辺の筋肉が下に引っ張られて緊張しやすく、そのために肩がこりやすいといわれています。

 

2.放っておくと体のトラブルが続々発生!こんな症状も肩こりから起きる

肩こりで問題になるのは、肩まわりの不快感や痛みだけではありません。我慢しながら過ごしているうちに、全身に悪影響が広がってしまうこともあるのです。

 

2-1.肩こりが引き起こす体の不調

肩まわりの筋肉の緊張と血行不良が首から頭部に広がると、緊張性頭痛といわれる頭痛の一因になります。後頭部の筋肉が緊張して、神経を圧迫することで、ジワッと締めつけられるような痛みが起きるのです。また、眼球組織の酸素補給もとどこおってしまうことから、目が疲れやすくなることも困ったトラブル。ひどくなると、パソコンの画面や書類の細かい文字を30分も見続けると、視界がかすむ・ぼやける、白目が充血して目の奥が痛むなどの症状が現れます。疲れ目を我慢しながらデスクワークなどを続けていると、肩まわりの筋肉の緊張がさらに高まって、こりがひどくなるという悪循環も生まれます。また、意外に思われるかもしれませんが、肩こりによって冷え性を招いてしまうこともあります。肩から背中にかけての筋肉がこわばって、血行がとどこおることで体が冷えやすくなってしまうのです。

 

2-2.肩こりが引き起こすメンタルの不調

自律神経の乱れから不眠におちいると、肩こりが慢性化することは先に述べましたが、肩こりの不快感や痛みによって脳内のホルモン分泌のバランスが崩れて、大もとの自律神経の乱れがより深刻になるケースもあります。そうなると夜に寝つけない、眠りが浅くなるなど不眠症状がさらにゆううつになるだけでなく、気分が落ち込んでうつ状態におちいったり、集中力の低下やイライラにも悩まされることに。肩こりに悩んでいる人は、食欲の低下、めまい、吐き気などを訴えることも多くありますが、これらも自律神経の乱れからくる症状です。

 

3.肩こりケアの急所になるのは肩甲骨!

肩こりのつらさから何とか逃れたいと考えても、デスクワークの時間を大幅に短くしたり、ストレスを完全に避けることは現実的に難しいでしょう。そこで、自分でできる肩こりケアの急所をご紹介。それがズバリ、肩甲骨なのです。

 

3-1.肩こりはそもそも肩甲骨周辺の筋肉から起きている

 

首から肩、背中をおおっている大きな筋肉である僧帽筋。一般に肩こりではこの僧帽筋の上部、まさに肩の部分のこりや痛みが気になるもの。そのため、仕事や家事の合間に、手で肩を強くもみほぐすクセがついている人も多いのではないでしょうか。しかし、肩こりケアの急所となるのは、実は肩そのものではありません。というのも、肩こりの元凶となる筋肉の緊張と血行不良は、背中の左右にある肩甲骨周辺から起きていることが多いのです。肩甲骨とは背中側の左右の肋骨の上にある骨ですが、肋骨や背骨とはつながっていません。鎖骨とのみ連結しており、周囲の筋肉に支えられてすべるように動きながら、腕を上げる・下げる、回すといった動作をサポートしています。デスクワークなどで前かがみの姿勢を続けていると、その間、肩甲骨が大きく動くことはほぼありません。すなわち、それを支えている筋肉も動くことはなく、むしろ同じ姿勢を長く保つために緊張して、コチコチにこわばっていきます。さらに、この肩甲骨を支える筋肉は肩、首、腕、胸などにもつながっているため、その緊張はほかの部位の筋肉にも拡大。すると、広い範囲で血液の流れがよどんで、筋肉に老廃物が蓄積し、酸素不足も引き起こされます。その結果として現れるのが、肩こりの一連の症状なのです。

 

3-2.肩甲骨を動かすストレッチこそセルフケアの要

そう考えると、肩こりをやわらげるセルフケアのポイントとは、まず肩甲骨周辺の筋肉の緊張をほぐすこと。とりわけ急所となるのが、肩甲骨を引き上げる役割をする肩甲挙筋(けんこうきょきん)と、肩甲骨を横に寄せる菱形筋(りょうけいきん)です。これらの筋肉はいずれも僧帽筋よりも深い位置にあるため、入浴をしたり、マッサージすることでこりをほぐし、血行を盛んにすることは残念ながら難しいのです。無理に力を入れてマッサージすると筋肉が傷ついたり、かえって痛みがひどくなるもみ返しが起きることもあるでしょう。そこで、肩甲挙筋と菱形筋を無理なくほぐすには、肩甲骨のなめらかな動きを促すストレッチが最適。特別な道具や手間はいらず、ちょっとした動作のコツをおぼえるだけで、肩甲骨を支えるこれらの筋肉にほどよい刺激が加わり、こりを起こしている筋肉の緊張と血行不良が連鎖的にやわらいでいきます。

 

4.肩甲骨ストレッチで肩こりにサヨナラしよう!。

肩甲骨をなめらかに動かして、肩こりをスッキリ楽にするために役立つ簡単ストレッチをご紹介します。仕事や家事の合間に行って、つらい症状がやわらげば、気持ちまで晴れ晴れリフレッシュ。やる気や集中力もみなぎってくることでしょう。なお、肩の痛みがひどくてうまくできないときは無理をせず、医療機関を受診するなどの対処をしましょう。

 

4-1.これはおすすめ!「ひじ回しストレッチ」

グルグル勢いよく回すのでなく、ゆっくり大きく回すのがコツ。ひじで円を描くようなイメージで行うとよいでしょう。

【やり方】

  • 右手の先を右肩、左手の先を左肩に軽くつける
  • 肩の力を抜いてリラックスし、ひじを前方に向かってゆっくり大きく回す
  • 同じように後ろ向きにも回す。前後それぞれ10~20回行う

 

4-2.これはおすすめ!「壁ぎわストレッチ」

足と壁の距離を調整して、また体重のかけ方も加減しながら、心地よいと感じるポジションで行うようにしましょう。

【やり方】

  • 壁を横にして立って、壁側のひじを曲げて手を壁につける
  • 足は動かさず、壁に寄りかかるように体重をかけながら、ひじを背中側に押し入れるようにして肩甲骨に近づける
  • 深い呼吸をしながら、②の姿勢を20秒キープする。体の向きを変えて反対側も同様に行う

 

4-3.これはおすすめ!「タオルストレッチ」

肩幅よりも長めのタオルを使って行うストレッチです。タオルを下げるときには、胸を前に張り出すように意識しましょう。

【やり方】

  • イスに座って、両手でタオルのはしを持ってゆっくり上に上げる
  • タオルが頭の後ろを通るように、両手をゆっくり下げる
  • 両手を下げた位置で、そのまま10秒キープしてから両手を上げて①の姿勢に戻る。10~20回行う

 

5.まとめ

肩が固くこわばって重い、ズキズキと痛い、気分も悪くなるなど、肩こりが悪化すると毎日がゆううつ一色になるもの。そこで、肩甲骨まわりをほぐすピンポイントのケアを習慣づければ、不快感に悩まされず、仕事や家事を快調に行うための手助けとなります。