糖質の表示が無い?栄養成分表示の糖質を判断するポイント

最近、糖質制限ダイエットを始めてみようと思っている方が多いですよね。食材の糖質量を計算しながら、糖質管理している人もいると思います。しかし、商品の糖質量を確認しようとパッケージを見てみたのに、糖質の表示が無いと思ったことはありませんか?そんな時にすぐに糖質を判断できるポイントをご紹介します!

1. 糖質=炭水化物と考えて良い


皆さんがよく目にする栄養成分表示は、エネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量だと思います。

この5つの表示は、「食品表示基準」で必ず表示しなければいけないものと定められて、一般的な食品にはこの表示が記載されているからです。

糖質など、上記以外の表示については事業者が任意で表示することになっているので、書かれていないことが多いんですね。

ですが、この表示でも簡単に糖質を知ることができるんです。それは、炭水化物量をそのまま糖質量と判断するという方法です。

1-1. 炭水化物-食物繊維=糖質

食品表示の際に栄養表示基準で定義される炭水化物(製品100g中)は、

炭水化物(g) = 100g-( 水分 + たんぱく質 + 脂質 + 灰分※ミネラル分 )

とされており、栄養表示上、たんぱく質、脂質、ミネラル分のいずれにも分類されないものは、炭水化物に計算されます。炭水化物には糖質と食物繊維が含まれます。

なので、糖質量だけを調べるときには、

炭水化物-食物繊維=糖質

と、炭水化物から食物繊維を引けば糖質量がわかるんです。

しかし、食物繊維も表示されていないことが多いので、そのような時は、食品に使われている素材をよく見てみましょう。

サラダなど野菜中心の食品に食物繊維は多く含まれていますが、パンや麺類、丼物などの食品であれば食物繊維はほとんど含まれていません。

したがってパンや麺類、丼物などの食品の炭水化物量と糖質量はほぼ同じと考えることができます。


ごはんやパン、麺類は炭水化物=糖質と考えて良い!

1-2. 栄養成分表示の単位に注意しましょう!

栄養成分表示を見るときについ見落としがちなのが「100gあたり」といった食品単位です。100gあたりの栄養成分表示が記載されていて内容量が300gだった場合、栄養成分表示の値は3倍になるということですよね。

また、「1食あたり」「100mlあたり」等、商品の特性に応じて事業者が任意に食品単位を設定することができます。成分表示を確認するときは食品単位も見るようにしましょう。

100mlあたり11.3gの炭水化物のコーラ。内容量は300mlなので、表示より3倍の量が実際には入っています。

2. 糖質ゼロ、低糖質、糖質オフを過信しない!

よく商品パッケージに『糖質ゼロ』や『低糖質』、『糖質オフ』の表現がされていますよね。この3つの違いは、糖質量の違いです。糖質ゼロといっても全く入っていない訳ではないので注意が必要です。

2-1. 糖質ゼロ、低糖質、糖質オフの糖質量の真実

「食品表示基準」では、栄養成分ごとに0gと表示して良いとする量が決められていて、糖質は100gあたり0.5g未満であれば『糖質ゼロ』と言うことができます。

また、糖質が100gあたり5g未満であれば『低糖質』と表示可能で、『糖質オフ』は比較するほかの食品より100gあたり5g以上少ない場合に表現することができます。
糖質ゼロや糖質オフだからと言って安心して多量に食べたり飲んだりしていると、結果糖質をたくさん取り入れてしまうことになるので気を付けましょう。

基準値 糖質ゼロ 低糖質 糖質オフ
0.5g未満 5g未満 5g以上
(0.5) (2.5) (2.5)

( )内は、一般に飲用に供する液状の食品100ml当たりの場合

3.さらに詳しい糖質の計算方法

1章で糖質=炭水化物と思って良いと紹介しましたが、食物繊維の量も気になるしもっと詳しく糖質量を知りたい!と思う方もいると思います。そんな方のために、もっと詳しく糖質量が出せる計算方法をご紹介します。

3-1. 糖質はカロリーから逆算して求めることができるんです

それは、カロリーを逆算して計算すること。栄養素にはそれぞれカロリーが決まっていますが、食物繊維にはカロリーがありません。これを利用して糖質を計算することができます。

栄養素ごとのカロリー

たんぱく質 1g=4kcal
脂質 1g=9kcal
炭水化物  1g=4kcal

糖質(g)={エネルギー(kcal)-(たんぱく質量g×4kcal)-(脂質量g×9kcal)}÷4kcal

このように、全体のエネルギーからたんぱく質、脂質のエネルギーを差し引いて出た糖質のエネルギーから、グラム(g)に換算すると糖質量がわかります。

3-2. 実際に糖質を求めてました

カロリーを使って、実際のパッケージを使いながら糖質を導き出してみました。

“きくらげ入り”と書いてあったレトルトパウチ食品のパッケージです。

きくらげは食物繊維が入ってそうですが、どうでしょうか・・。

 糖質(g)={65kcal-(3.1g×4kcal)-(1.4g×9kcal)}÷4kcal
=10.0g

みごとに炭水化物=糖質となりました。

残念ながら食物繊維は入っていませんでしたね。

ではこちらはどうでしょうか。

乾燥しいたけのパッケージです。炭水化物としか書かれていませんが実際は?


糖質(g)={182kcal-(19.3g×4kcal)-(3.7g×9kcal)}÷4kcal
=17.9g

炭水化物が63.4gですので、糖質17.9gを引くと45.5gが食物繊維ということになります。
こちらは食物繊維がたっぷり入った食品ということですね。

計算してみると意外と隠れた糖質量や食物繊維量を知ることができるんです。

ちなみに商品によっては炭水化物<糖質となってしまい計算が合わないこともあります。メーカーによっては成分量が省略されていたり、輸入品だと成分量自体が曖昧だったりすることもあるからです。厳密に成分量を求めることは難しい場合もあるのですが、より詳しく糖質量を知りたい方はぜひやってみてくださいね。

4. まとめ

いかがでしたでしょうか。手軽に判断できる方法からしっかり計算する方法までご紹介しました。
計算するのが面倒・・と思った方は、糖質=炭水化物と思っておけば、糖質を摂り過ぎることはありません。気になった食品を調べてみると意外な発見があるかもしれません。自分に合った方法でぜひ糖質管理してみてくださいね。