食物繊維対策なら高コスパの「もやし」が必要不可欠な理由!

皆さん食物繊維はとっていますでしょうか。食物繊維はその働きから第6の栄養素とも呼ばれている重要な成分ですので積極的に摂りたい成分です。厚生労働省の調べによると、日本人は1950年ごろには一人あたりの1日の食物繊維の摂取量は20gを超えていましたが、食生活の変化により現在では平均の食物繊維の摂取量は14g程度とされています。そのため、1日に必要な食物繊維摂取量の不足分である6gを摂取する必要があります。不足分をどう補うかが必要になるのですが、自分が普段食べているものにどの程度食物繊維が含まれて食べている人は少ないでしょう。そんな人たちのために今回は庶民の味方であるもやしの食物繊維についてご紹介します。

1.もやしの食物繊維

庶民の味方であるもやしですが、その使いやすさからかなりお使いになられている人も少なくないのではないでしょうか。そんなもやしにももちろん食物繊維は含まれています。もやしにはどの程度食物繊維が含まれているのでしょうか。

1-1.もやしの食物繊維は100g中に1.32.3g

もやしには100g中に1.32.3g含まれています。この含有量の幅はもやしの種類によるものです。もやしには、緑豆もやし、黒豆もやし、大豆もやしの3種類が主にあります。一番よく見かけるもやしは緑豆もやしになります。また黒豆もやしもあるのですが、緑豆もやしと見た目はほとんど同じです。大豆もやしは、もやしの頭に大きな豆がついているもやしになり、見た目にもわかりやすいものとなっています。

この3種類のもやしが主に流通しており、それぞれ食物繊維の量が違い、以下のようになっています。

/100g

緑豆もやし

黒豆もやし

大豆もやし

食物繊維(g)

1.3

1.4

2.3

緑豆もやしが一番少なく、大豆もやしが一番食物繊維の量が多くなっています。もやしは1袋あたりで250g程になっていますので、一袋に含まれる食物繊維の量は3.75g5.75gになります。

また、食物繊維には不溶性と水溶性という2種類があるのですが、この2つの食物繊維が含まれる量は食材によって変わりその性質もそれぞれ違います。不溶性は水分に溶けず、水分を吸収することでその体積を増やします。そうすることで便の量を増やして腸を刺激する働きがあり。水溶性食物繊維は水に溶けやすく、水に溶けるとゼリー状になるという特徴があり、便を柔らかくしてくれるという働きがあります。

もやしに含まれる食物繊維はほぼ不溶性食物繊維となっています。その量は緑豆もやしの場合は100g1.2gは不溶性で0.1gは水溶性という量になっているため90%以上は不溶性の食物繊維で構成されています。

1-2.もやしに含まれる食物繊維は多いわけではない

もやし100gに含まれる食物繊維は1.32.3g含まれていますが、数値的に見るともやしには食物繊維がそれほど多く含まれているわけではありません。ほかの食物繊維の多い野菜類は以下のようなものがあります。

食材

食物繊維/(100g)

グリンピース

8.6g

ごぼう

6.1g

オクラ

5.2g

芽キャベル

5.2g

ダイコン

5.1g

枝豆

4.6g

ブロッコリー

4.3g

緑豆もやしと比べると一番多いグリーンピースで6倍以上、少ないブロッコリーでも3倍以上の食物繊維の含有量の差があります。もやし自体には食物繊維の量が少ないわけではないのですが、特段多いというわけではありません。そのため、もやしで食物繊維をたくさん摂取しようとするとかなりの量をとる必要があります。

ちなみに、食物繊維が多いと思われているキャベツですが、100gあたり1.8gと実はそこまで多くありません。食物繊維を摂るだけならキャベツの方がよいですが、キャベツともやしどちらで食物繊維をとるほうがよいかというともやしの方をオススメします。

1-3. もやしでおかずを追加して食物繊維の摂取量を増やす

ご存知の通りもやしはスーパーに行けば必ずおいているうえに、1袋がかなり安く値段が設定されているため入手しやすくなります。そのため、おかずを一品増やす際に使いやすく、調理もしやすいので手軽に食物繊維の摂取量を増やすためにはおすすめの食材です。しかも、もやし自体はかなりヘルシーなためカロリーの摂り過ぎにもなりにくいでしょう。しかし、もやしには食物繊維を手軽に摂取できる以上に良い部分があります。それはもやしに含まれる栄養です。

1-4.もやしは栄養素が豊富

よく誤解されているのはもやしには栄養がないと言われていることです。そのヒョロヒョロの見た目や、色が薄く水分が多いことがそのようなイメージを持たれている原因なのですが、実際にはもやしはたくさんの栄養素を含んでいます。

/100g

緑豆もやし

黒豆もやし

大豆もやし

カロリー(kcal)

14

15

37

タンパク質(g)

1.7

2

3.7

脂質(g)

0.1

微量

1.5

炭水化物(g)

2.6

2.7

2.3

ナトリウム(mg)

2

6

3

カリウム(mg)

69

71

160

カルシウム(mg)

10

15

23

マグネシウム(mg)

8

11

23

(mg)

0.2

0.4

0.5

亜鉛(mg)

0.3

0.4

0.4

ビタミンB1(mg)

0.04

0.04

0.09

ビタミンB2(mg)

0.05

0.06

0.07

ビタミンC(mg)

8

11

5

葉酸(μg)

41

42

85

食物繊維(g)

1.3

1.4

2.3

このほかにも、必須アミノ酸や非必須アミノ酸も豊富に含まれており、印象と違い栄養素がかなり豊富な食材です。食物繊維を補うだけでなく、栄養をとるという点でもオススメの食材です。

ちなみに、元々の豆の状態でもここまでさまざまな栄養素は含まれていません。

2.もやしの食物繊維と栄養を余すことなくとる方法

どんな食材でもそうですが、調理方法によってはその栄養を損なってしまうこともあるので注意が必要です。そうならないためにもやしの栄養と食物繊維を十分に摂れる方法をお教えします。

2-1.水洗いは短めに

もやしに含まれるビタミンCやビタミンB1、カリウムなどは水溶性なので、水に溶けやすい性質があります。長い時間水にさらせばさらすほど溶け出してしまいます。

水洗いする時は流水でさっと洗い、ザルなどにあげて、長時間水の中に入れないよう注意しましょう。料理する直前に準備するともやしも傷まず使うことができます

2-2. 加熱にはレンジで、炒めるなら短くさっと

一番栄養素が損なわれない調理方法は、レンジで温めることです。もやしを耐熱ボウルに入れて600w2分ほど温めることで食べられることができます。この方法だと、ナムルなどにぴったりの調理方法です。レンジで温めた後は、ナムルなどは調味料を合わせるだけで簡単にできます。

もしくは、もやしを炒めることもお勧めです。ただし炒めすぎると、もやしの栄養が水分と一緒に出て行ってしまうので、さっと1,2分ほど炒めるようにしましょう。

2-3.もやしのひげとあたまはとらない

もやしの根っこにあたる「ひげ」と呼ばれている部分についてですが、食感が悪くなるのでとっている人もいらっしゃるようです。実はこの部分に食物繊維が多く含まれています。この部分をとってしまうと、もやしからの食物繊維の摂取量が減ってしまいます。

また、もやしのあたまをとる人もいるようですが、こちらもよろしくありません。もやしの頭は種だった部分です。つまり、もやしはこの部分の栄養をもとに成長しているため、一番栄養が含まれていた部分になります。この部分を取り除いてしまうと、摂取できる栄養が減ってしまうため、取り除かないようにしましょう。

3.食物繊維を摂りすぎるとどうなる。

食物繊維を摂ろうとする人の目的が、お通じの改善を目的としている人は少なくないのではないでしょうか。食物繊維を適切に摂る分には問題はありませんが、何事も取り過ぎは厳禁になります。食物繊維を摂りすぎるとどういうことになるのかご紹介します。

3-1. 便が緩くなる

お通じをよくするために、食物繊維を摂っているのにお通じが悪くなってしまうのは本末転倒です。なぜこのようなことが起きてしまうのかというと、不溶性食物繊維の働きは水分を吸収して便の量を増やし、腸を活発にしてお通じをよくするという説明をしました。しかしこの特性がお通じを悪くする原因になってしまいます。どういうことかというと、不溶性食物繊維を摂ることで便の量が増えるのは良いのですが、不溶性食物繊維を摂りすぎることで、便が増えすぎて体がうまく排出できなくなってしまうということがおきてしまい、お通じが悪くなってしまいます。

3-2. お通じが悪くなる

食物繊維を摂りすぎると便が緩くなりすぎることになってしまうことがあります。先に説明したお通じが悪くなると矛盾するような話ですが、察しの良い方ならもうすでに分かったかとは思います。今度は逆に水溶性食物繊維を摂りすぎると便が緩くなってしまうのです。水溶性食物繊維の特徴は水に溶けドロドロのゼリー状になることです。その特性で便が固くなるのを防いでくれるのですが、水溶性食物繊維が多すぎると便が緩くなりすぎたりしてしまうので注意が必要です。

4まとめ

もやしには食物繊維はそこまで多くありませんが、手に入れやすさ、調理しやすさなどで食物繊維を摂取しやすい食材です。もやしをおかずとしてたすことで、いつもよりも多く食物繊維が取れるので、是非取り入れてみてください。