【2023年版】食後の運動。その秘訣はタイミングと強度にあり!

男女が入っている背景画像に「食後の運動その秘訣はタイミングと強度にあり!」と記事タイトルが表示されている

毎日の健康のためには、日々の運動がとっても大切です。カラダを動かすことは、余ったカロリーを消費するだけでなく、疲れたココロもリフレッシュさせてくれます。運動をはじめた方の多くがはじめに悩むことが、「運動するタイミング」です。例えば、お昼に働いている方の場合は、お家に帰ってから晩ごはんを食べて、それから運動するケースが多いかと思います。ですが、ごはんを食べた後すぐに運動をして、おなかが痛くなったりしたことはないでしょうか?これってなぜなのでしょうか。今回はそんな方のために、「食後の運動」に注目して、運動するためのぴったりのタイミングと、どれぐらいの激しさの運動がよいのか、バッチリ解説しちゃいます!

目次

1. 食後の運動のタイミングは、運動強度で判断するべし!

まず結論から言うと、運動は「食べた後すぐ」に行うのがおススメです。しかしながら、気を付けたいのは、食後の運動といっても、「食べ終わった直後」と「食べてから数時間経った後」ではまったく違うということです。ここではこの食べ終わってからの経過時間と、運動強度に注目して解説します!

1-1. 散歩レベルの軽い運動は、食べた後すぐやるべし!

まず初めに、「食べ終わった直後」は、散歩レベルの軽めの運動をしてください。食べ終わったあとすぐは、まだ胃の中に食べ物が入ったばかりで、消化が進んでいません。そのため、すぐにハードな運動をしてしまうと、負担がかかり消化不良を起こすことがあります。また、これは私の実体験からですが、すぐに激しい運動をしてしまうと、カラダの動きにあわせて胃の中の食べ物や胃液が揺さぶられてしまうようで、おなかの調子が悪くなります。

女性が散歩している画像

1-1-1. おすすめの軽い運動は、食べた後の皿洗いと散歩

おすすめの軽い運動は、皿洗いと散歩です。具体的には「ご飯を食べ終わったらすぐに、食卓を片付けてお皿を洗う」「家の近所のお店で外食して、15分ぐらい歩いて帰る」などが良いでしょう。そのほかにも、掃除をかけたり、洗濯したりなど、普段やっている家事のそれぞれは、食後すぐにやる運動としてぴったりの強度です。

1-2. ジョギングや筋トレなどのハードな運動は、食後2時間は避けるべし!

次に、ジョギングや筋トレなどのハードな運動をする場合ですが、食べ終わってから2時間以上は時間をあけるようにしましょう。食べた後すぐに激しい運動をすると、消化に影響して具合が悪くなることがあります。

男性がランニングしている画像

1-2-1. おすすめのハードな運動は、ジョギングやサイクリングなどの有酸素運動

おすすめのハードな運動は、ジョギングとサイクリングです。これらは有酸素運動と呼ばれ、贅肉のような体にたまった余分な脂肪を落とすことにつながります。またハードとはいえ、これらの有酸素運動は、軽~中程度の負荷をかけて行う運動ですので、比較的無理なく継続しやすいというメリットがあります。また心肺機能が高まりますので、続けることで、さらに体力がついて苦しさが軽減されます。

2. 食後すぐは、軽めの運動がよい理由

食後の運動のタイミングについては、ご理解いただけたかと思いますが、気になるのはその理由のところ。第2章では、なぜ食後の運動がよいのか、そのメカニズムを解説いたします!

2-1. 食後すぐの軽い運動で、血糖値の上昇を穏やかにする

食事をすると、ごはんに含まれている糖質が分解吸収され、血糖値が上昇します。このとき血糖値が急激に上がると、カラダに負担がかかり、いろんな健康リスクにつながります。食後すぐの運動は、この血糖値の急上昇を防いでくれます。運動することで、食べた糖が消費されて、血糖値の上昇スピードがゆるやかになるためです。実際に、毎分60m以下の散歩や、家事労働でも食後血糖の上昇を抑える効果が報告されています。(※出典:糖尿病と運動-食後血糖に及ぼす様々な身体活動の影響-

2-2. 血糖値の急上昇を防ぐと、太りにくい

血糖値の急上昇の悪影響のひとつとして、「太りやすくなる」というものがあります。食後の運動で、血糖値の急上昇を防ぐことは、エネルギーの代謝を良くして、太りにくい状況を作り出す、とても良い習慣となるのです。

3. 食後2時間は、ハードな運動を避けた方がよい理由

第3章では、なぜ食後2時間はハードな運動を避けた方が良いのか?その理由を解説いたします。

3-1. 食後すぐのハードな運動は、消化不良をおこす。

繰り返しにはなりますが、食べた後すぐに激しい運動をすると、消化が悪くなってしまいます。食べた後すぐは、胃や腸などが働かないといけませんから、それらの内臓にエネルギーをおくるために血液が集まります。このとき激しい運動をしてしまうと、運動のためのエネルギー供給が必要となり、血液が全身に回されてしまいます。これにより、胃や腸のエネルギーが足りず消化不良が起きてしまうと言われています。消化不良が起きると、腹痛や吐き気などの症状に繋がります。また私自身の経験ですが、食べてすぐランニングをすると、おなかの中で食べ物や胃液が暴れて、おなかが痛くなったりします。

3-2. どうしても難しい時は、消化に優しいものを軽めに。運動の強度も落とす

日によっては、どうしても食べた後に充分な時間を空けられない場合もあると思います。その時は、食事量を減らしたり、うどんなど消化が良いものを食べるなど、消化の負担を減らしましょう。また、いつもより走るスピードを落とすなど、運動強度を減らすことで体への普段を減らすことができます。

コラム. スクワットも強度を落として長めにやると有酸素運動になる

ランニングなどと違い、激しい筋トレは基本的には無酸素運動ですが、強度を落とすことで有酸素運動になります。自宅で運動したい方には、ゆっくり呼吸をしながらのスクワットが有酸素運動となり続けやすいのでおすすめです。スクワットは下半身の筋肉を鍛えるのに効果てきです。下半身の筋肉はからだの中でもとくに大きな筋肉なので、ここを鍛えると代謝がよくなってさらに太りにくいカラダになりますよ。

4. 運動するのは「食前」と 「食後」だとどちらがいいの?

ここまでは食後の運動について解説してきましたが、では逆に、「食前」の運動だとどうなのでしょうか?第4章では食前vs食後の運動について解説します!

4-1. 運動するのは食前よりも食後がよい

結論から言うと、運動は「食前」よりも「食後」がおススメです。その違いは体の中にエネルギーがどれぐらい残っているかにあります。

4-1-1. 食前の空腹状態で運動すると、筋肉も分解される

食前とは、つまり何も食べていない空腹の状態ということです。運動するためにはもちろんエネルギーが必要です。空腹状態で運動をしてしまうと、私たちの身体はエネルギーが不足しているため、自身の筋肉を分解してエネルギーの補給をします。筋肉が減ると、エネルギーの代謝が落ちて、太りやすい体になってしまいます。そのため食前の運動はむしろ避けた方がよいのです。

4-1-2. 食後の適切なタイミングでの運動は、脂肪がたまるのを抑え、筋肉を増やす

繰り返しにはなりますが、食後の適切なタイミングでの運動は、血糖値の上昇を抑え、それによって脂肪がたまりにくくなります。そして筋肉が増えますのでエネルギー代謝が良くなり、自然と太りにくい体になっていくのです。

5. 実際にやってみて分かったこと「食後の運動はタイミングと強度だけでなく、食べる量も大事!」

ということで、ここまでは食後の運動のポイントと、そのメカニズムを解説してきました。でもそれって実際どうなんだろう?理論と実践は違いますよね。ということで、私、アカシアの樹の比嘉が実際にポイントを抑えた「食後の運動」をやってみました。第5章ではその実体験から分かったことを報告します。

5-1. お皿洗いはまったく苦にならない。ゴルフの素振りレベルだとちょっと胃に負担を感じました。

3月28日少し残業して家に着いたのは8時頃でした。そこから簡単な夕食を作りました。白ご飯、茹で豚、豆腐サラダです。ずぼらな性格がでてしまっている食事ですね。具体的な量としては、

・白ごはん お茶碗1杯(約 150g)

・ゆで豚 (約250g)

・豆腐サラダ(豆腐1/2丁、ミックスサラダ100g)

です。

食べ始めたのが8:35。食べ終わったのが9時でした。正直いうと普段の私の食事量からすると、「満腹!レベル」の食事量でした。

ご飯、茹で豚、豆腐サラダの写真

 

ということで、いざ軽めの運動。ということで、食べてすぐのお皿洗い。食後はだらだらとしてしまいがちですが、すぐテーブルを片付けて皿洗いをするのは、意外と気持ちがいいものです。やってみると、こんな運動でいいのかなというぐらいの軽作業で、実際に胃などへの負担もまったく感じません。やはり軽めの運動は、食後すぐでもおなかが痛くなったり気持ち悪くなったりはなさそうです。

皿洗いをしている画像

考察. 食後すぐの運動は、カラダの上下運動やねじれが少ないかどうかが大事

ちなみに、別の日に食後すぐにゴルフの素振り練習をしました。フォームの確認なので、思い切り振ることもなくリラックスして動きを確認しながらの素振りでしたが、これは少しおなかに負担を感じました。前傾姿勢でカラダをねじる動作もあるので、胃の中のものが暴れたような印象です。このことから、運動強度はもちろん、内臓がどれぐらい動くのかというのも大切なことが分かりました。たとえば、皿洗いや掃除機かけや、散歩などはカラダを上下に動かしたりねじったりすることが少ないため、食後にしても負担が少なくなっているものと考えられます。

5-2. 食後2時間後の激しめランニングは、満腹だとやや胃に負担が。

さて、次は食後のハードな運動。今回は2時間あけて夜11時にランニングに出発しました。緩急つけながらですが、全力のダッシュもまぜながら、20分ぐらい走ってきました。食後2時間あけたものの特に走り始めは、胃からこみあげてくるような感覚ありました。お腹が痛いとか吐き気がするという感じはまったくありませんが、ゲップがあがってくるような感じですね。以前、食後すぐにランニングしたときにはお腹が痛くなってしまいましたが、今回は時間をおいたので痛みなどはありませんでした。

ランニングシューズを履いた自分の足を見下ろしている写真

考察. 食後のハードな運動は最低2時間あけることで胃への負担がかなり軽減されるが、食事量によって時間をさらにおいた方がよい。

食後2時間あけてのランニングは全力ダッシュをしても、腹痛や吐き気などの不調はでませんでした。しかしながら、今回は「満腹レベル」の量を食べてしまったので、2時間後のランニングではゲップがこみあげてくるような感じで、少し負担があったようです。このことから、運動強度と食後の経過時間だけでなく、どれぐらい食べたか、何を食べたかという食事量と質も大事ということが分かりました。日によって食事量や食べるものは変わりますから、その日の自分のコンディションをみながら、運動強度とタイミングを微調整してみてください!

6. 食物依存性運動誘発アナフィラキシーに注意

第6章では、ごく稀に発生する食物依存性運動誘発アナフィラキシーについてご説明いたします。これは、何かと言いますと、アレルギーの原因になる食べ物を食べた後に運動すると、その運動をきっかけとしてアレルギー症状が起きるという現象です。

6-1. 食物依存性運動誘発アナフィラキシーを防ぐためにも、食後2時間はハードな運動は避ける

この食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、多くの場合、食後2時間以内に運動をした際に発症しやすいと言われています。そのため、やはりハードな運動は食後2時間はあけておこなうのが良いでしょう。

6-2. アレルギーになる食品や、風邪薬など薬を飲んだ日は、激しい運動はしないようにする

もし食後運動をしていて、全身のじんましんやむくみ、せき込み、呼吸困難」などの違和感や不調を感じた場合には、すぐに運動を中止して休憩をとってください。症状が治まらない場合には、早めの病院受診を検討するのが良いでしょう。私の場合はエビやカニなどの甲殻類アレルギーを持っていますので、もちろんこれらは食べないように避けていますが、完全に避けることが難しい場合もあるかと思います。アレルギーの原因になる食材を食べてしまったなという日は、運動はしないようにしましょう。また、風邪薬や解熱鎮痛剤を飲んだ後に運動することで、このアナフィラキシーが起こることも稀にあります。体調を崩してこれらの薬を服用している日は無理せずに休養をとるようにしてください。(参考文献:食物依存性運動誘発アナフィラキシー

7. まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は食後の運動のベストなタイミングと、強度についてご紹介いたしました。まとめると、「食後すぐに運動した方が良いが、適切な強度を見極める」ということがポイントでしたね。食べたと直後は、散歩などの軽い運動。食べてから2時間以上あけてハードな運動をするのが良いということでした。ぜひ、今日からこのポイントを抑えて、運動習慣を始めてみてください!