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「コーヒーは飲みすぎるとカフェイン中毒になる」ってウソ?ホント?

「コーヒーは飲みすぎるとカフェイン中毒になる」ってウソ?ホント?

3. 「コーヒーは飲みすぎるとカフェイン中毒になる」ってウソ?ホント?

(質問に対するアンサーについてはアカシアの樹公式ツイッターにてアンケート形式で投票できます。コチラから。)

ホント:コーヒーは安全な飲み物です。しかし、カフェインを多く摂ることで身体に不調を感じることがあります(万人に起こる症状ではなく個人差が大きいようです)。カフェインの中毒性や離脱症状は飲酒や喫煙とくらべて弱いとされています。(信頼性★★★☆☆)

 

コーヒーにまつわる噂話はにはネガティブな情報も多くあります。ここではコーヒーを飲みすぎるとどういう影響があるかについてみていきます。

コーヒーに含まれるカフェインはヒトの中枢神経に直接働きかけ作用します。そのため、一度に大量にコーヒーを飲むと手足の震え、動機など症状が現れることがあります。しかし、これらの症状は個人差が大きい上、症状が出た場合もその日のうちに回復し目立った後遺症はありません(1)。また、カフェインには致死量が設定されていますが、その量は5-10グラムとされています(2)。これはコーヒー50杯以上を一度にとる必要があり、コーヒーを飲むうえでは現実的な数字ではありません。一方、カフェインは風邪薬や頭痛薬にも含まれます。これらの薬を大量に飲むことは大変危険ですので絶対にやめましょう。

次に長期的な過剰症状についてみてみましょう。カフェインを多く(一般に1日に400 mg以上)摂取するヒトが摂取をやめると頭痛や疲労感集中力の低下を引き起こすことがあります。これをカフェイン離脱とよびます。これらの症状は依存性があるもののアルコールや薬物の依存の場合とは異なり、かなり軽微なものであるとされています(1)。このことからもコーヒーはアルコールや煙草と比べてもはるかに安全な嗜好品であるといえます。しかし、注意が必要な場合もあります。例えば妊娠初期-中期にカフェインを多量に摂取し続けると流産のリスクが高まるとの報告があります(3)。そのため産婦人科からも妊娠時にカフェインを過剰に摂取しないことと指導されますが、1日にコーヒー2-3杯であればリスクに差がないという報告が多く(4)「過剰に摂取し続けないこと」が重要なようです。

1.コーヒーを飲むと集中力が高まるって、ウソ?ホント?」に書いたようにカフェインには覚醒作用があります。逆に言うとこれは眠れなくなるということで不眠となる可能性が当然あります。また、カフェインには覚醒作用の他に利尿作用もあり、これも睡眠の妨げとなります。特に眠りが浅くなりやすい高齢者は注意が必要です。カフェインの半減期は成人で数時間ですが、高齢者は腎臓や肝臓の働きが弱くなりこの時間より長くなる傾向があります。高齢者に向けた睡眠衛生のための指導の中では就寝の4 時間前からはカフェインの入った飲料や食べ物は摂らないようにする。また1 3 杯以上のコーヒーに相当するカフェイン摂取も控えることを推奨しています(5)。

では結局、コーヒーはどのくらい飲めばいいのでしょうか。集中力を上げたい、眠気をとりたいなどの急性効果を得たい場合はカップ12杯(150-300 ml)で十分です。糖尿病リスク低減のためなど健康維持を目的にする場合も、134杯(450-600 ml)が目安です。また、目的やご自身の体調に応じて飲む時間帯に注意しましょう。カフェインに対する依存を気にするなら一部をカフェインレスのものに変えるのも有効です。

 

  1. 旦部幸博. コーヒーの科学「おいしさ」はどこで生まれるのか. 講談社. (2016).
  2. Thelander G, Jönsson AK, Personne M, Forsberg GS, Lundqvist KM, Ahlner J. Caffeine fatalities–do sales restrictions prevent intentional intoxications? Clin Toxicol (Phila). 48:354-358 (2010).
  3. Weng X, Odouli R, Li DK. Maternal caffeine consumption during pregnancy and the risk of miscarriage: A prospective cohort study. Am J Obstet Gynecol. 198:279 e1-8 (2008).
  4. 栗原久. コーヒー/カフェイン摂取と日常生活妊婦, 胎児, 乳幼児, 小児への影響. 東京福祉大学・大学院紀要. 7:77-83. (2017).
  5. 鈴木圭輔, 宮本雅之, 平田幸一. 3. 高齢者睡眠障害の特徴とその対策. 日本内科学会雑誌. 103:1885-1895 (2014).