糖質制限や筋トレ民に大人気のブロッコリー!その栄養について解説

ブロッコリーはサラダやお弁当の添え物として食べられることが多い野菜ですが、近年では筋トレや糖質制限を行っている人に特に人気の食材となっています。
その理由は含まれる糖質の低さとその栄養価の高さにあります。そんな現在人気のブロッコリーの栄養について紹介していきます。

1.ブロッコリーの栄養成分

ブロッコリーは近年人気の食品となっていますが、その含まれる栄養の高さからです。まずは含有成分について紹介していきます。

1-1.成分表示表

栄養成分 100g当たり

エネルギー 37kcal
たんぱく質 5.4g
脂質 0.6g
炭水化物 6.6g
食物繊維 5.1g
カリウム 460mg
カルシウム 50mg
マグネシウム 29mg
鉄分 1.3mg
葉酸 220μg
ビタミンC 140mg
ビタミンK 210μg

食品栄養成分データベース参照

https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06263_7

食物繊維やビタミン、ミネラルの含有量も多く、とくに食物繊維とビタミンCの含有量多いため、これらが不足しがちな方にはぴったりの食材となっています。

1-2.ビタミンC、ビタミンK、カリウム、食物繊維が豊富

ブロッコリーは栄養豊富な食材となっており、特にビタミンC、ビタミンK、カリウム、食物繊維が豊富に含まれています。これらの栄養がどのような効果があるのか説明します。

1-2-1.ビタミンCで肌の調子を整える。

ブロッコリーに含まれるビタミンCは100gあたり140mg含まれています。成人の場合、1日の推奨量が100mgですから、1個200g程度のブロッコリーなら2分の1個程度で1日分のビタミンCが摂取できる計算になります。

ビタミンCには日焼けによるシミ・そばかすを防ぐ美肌効果のほかにも、コラーゲンの生成を促して皮膚や血管の健康を保つ働きや、活性酸素を取り除く抗酸化作用が期待できます。

1-2-2.ビタミンKで骨を強く

ビタミンKにはカルシウムを骨に沈着させる働きがあり、骨を強くし、骨粗しょう症の予防にも役立ちます。

ビタミンKと同じくカルシウムの吸収を促進する働きを持つビタミンDを含んだ食材といっしょにとると、より効果が期待できます。

1-2-3.葉酸が貧血を防ぐ

葉酸は、ビタミンB群の一種で、赤血球を作り出す働きがあるため、貧血の予防につながります。

細胞の分裂や成熟に大きく関与しているため、妊娠初期にも必要不可欠な栄養となっています。早産などのリスクを減らし、胎児が健康に成長するのを助けるといわれています。

1-2-4.食物繊維が腸内環境を整える

食物繊維は、摂取することで腸内細菌のエサになって善玉菌を増やし、腸内環境の改善につながります。

ブロッコリーは、野菜の中でも食物繊維の含有量が多く、便秘の解消などに効果が期待できます。さらに、血糖値が急激に上がるのを抑えたり、血中コレステロール濃度を下げて血圧をコントロールしたりする働きもあります。

以上のようにブロッコリーに含まれる栄養には多くの健康を助けてくれる成分が含まれていますので、積極的に食べたい食材となっています。

2.ブロッコリーの加熱方法による栄養の変化

食材の多くは、加熱することで栄養が壊れたり、ゆでることでその栄養が流れ出てしまうということがあります。ブロッコリーもこの例にもれず加熱やゆでることで含まれている栄養が変化します。

2-1.蒸したときの変化量

出典:J-STAGE「無水調理によるブロッコリーのミネラル・ビタミンの変動」

蒸し焼きにした場合は、ほとんどのミネラルが90%以上残ります。茹でたときに水に溶け出す量が多かったカリウムと亜鉛も約90%残っており、ミネラル類を残すには有効な方法です。ビタミン類も、カロテンやビタミンB1(約100%)だけでなく、ビタミンB2(80%)やビタミンC(94%)も多く残りました。

2-2.ゆでたときの変化量

出典:J-STAGE「無水調理によるブロッコリーのミネラル・ビタミンの変動」

鍋で塩茹でにしたブロッコリーでは、ミネラル類の中でもカリウムと亜鉛は50%以下に減りました。一方、ビタミン類に関しては、カロテンの残存率はほぼ100%でしたが、ビタミンB1(58%)、ビタミンB2(35%)、ビタミンC(44%)は大きく減りました。

2-3.電子レンジで加熱した時の変化量

出典:J-STAGE「無水調理によるブロッコリーのミネラル・ビタミンの変動」

電子レンジで加熱したブロッコリーは、蒸し焼きと同様にミネラル類とビタミン類が多く残ります。特にビタミンCは97%と、蒸し焼きを上回りました。電子レンジでの加熱も、栄養の変化が少ない調理法といえます。

3種類の加熱方法について説明しましたが、ゆでた場合の栄養の現象が激しく、次いで電子レンジ、蒸すとなっています。これは栄養が水に溶け込んでしまうことが原因となっています。

ゆでる場合でもスープに入れてゆでてスープごと飲んでしまえば溶け込んだ栄養は摂取することが可能です。サラダなどにする場合は電子レンジを使うとよいでしょう。

3.ブロッコリーの茎の栄養

ブロッコリーは基本的に濃い緑色をした房の部分を食べることがほとんどかと思いますが、茎の部分も食べることができます。

しかも茎の部分も豊富に栄養が含まれており、ビタミンCやβカロテンについては房の部分より多く含まれているので、捨てるにはもったいない部分です。

βカロテンは、ブロッコリーの房より茎に多く含まれており、体内でビタミンAに変わるのが特徴です。

ビタミンAはのどや鼻、消化器官といった粘膜を正常に保ち、ウイルスや乾燥から守ってくれる働きがあります。

さらに活性酸素を除去する役割もあり、老化や生活習慣病の予防効果もあると言われています。子どもの発育にも欠かせない栄養のため、βカロテン豊富な茎は捨てずに食べるようにしましょう。

4.ブロッコリーの最強の健康効果

ブロッコリーは1章で説明した健康効果に加えてさらにすごい健康効果があるので、それを紹介していきます。

4-1.抗酸化作用

ブロッコリーは体内の活性酸素を除去する抗酸化の効果があります。活性酸素とは、呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が、通常よりも活性化された状態になることをいいます。

ヒトを含めた哺乳類では、取り込んだ酸素の数%が活性酸素に変化すると考えられています。

活性酸素は、体内の代謝過程において様々な成分と反応し、過剰になると細胞傷害をもたらしますため、深刻な病気になってしまう要因ともなります。

ブロッコリーさ先ほど説明したβ-カロテンを豊富に含むため、血中の脂質の酸化を防ぎ血管を若々しく保つ働きがあります。

さらに、ブロッコリーに含まれるビタミンEには活性酸素により酸化した脂質を分解することで、血中に粘度のある物質が流れ出ることを防ぎ血行を良くすることにより血圧を下げる働きや、血管を丈夫にする働きがあります。

これらの働きにより、ブロッコリーは動脈硬化や高血圧の予防・改善に効果的だといわれています。

また、発ガン物質が発生した際に体内でつくられる活性酸素は、正常な細胞を異常な状態にします。異常な状態になった細胞の核は本来の状態から変化してしまい、細胞分裂や再生がうまくできなくなります。

ブロッコリーに豊富に含まれているβ-カロテンとビタミンE、ビタミンC、スルフォラファンは、強力な抗酸化作用を持っており、活性酸素を無効化し細胞を正常な状態に戻すことにより、ガンの予防に効果的であるといわれています。

スルフォラファンは、ファイトケミカルの一種で、ブロッコリーに微量に含まれる成分です。

ピリッとした辛みを持ち、解毒力や抗酸化力を高める作用があることが報告されています。また、ファイトケミカルとは、植物に含まれる天然の化学物質の総称。

炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維につづく第7の栄養素と呼ばれています。

スルフォラファンの抗酸化作用はスルフォラファンが体内に入ってから3日間と長期間に渡って持続するという特徴があるので、定期的にブロッコリーを摂るとより効果的です。

4-2.免疫力向上

ブロッコリーは免疫力の向上の効果もあります。ブロッコリーに含まれている栄養である、ビタミンAは体内の粘膜を正常に働かせる力があり、ビタミンCは白血球の働きを強化し、免疫力を高めます。

ビタミンEは血行を促します。これらのビタミンには先ほど説明した活性酸素を抑制する抗酸化作用があり、基礎的な抵抗力強化にもつながり、免疫力の向上につながります。

またビタミンEはビタミンCと一緒に摂ることによって抗酸化作用がより高まる効果があります。

そのほか、食物繊維には、感染症などに対する抵抗力をつける成分が含まれているためさらに免疫力の向上に期待ができます。

4-3.筋肉のサポート

筋トレをする人にブロッコリーが人気な理由は筋肉をつけるためのサポートをしてくれるからで、ブロッコリーがほかの野菜に比較して、筋トレに必要な栄養素が多く含まれており、しかも筋肉を育てるにも有効な成分を含んでいます

ブロッコリーには筋肉をつけるために必要なたんぱく質が野菜の中では多く含まれています。

また男性ホルモンのテストステロンが含まれていることで筋肉をつけやすくしてくれます。

これはジインドリルメタンとI3C(インドール-3-カルビノール)という成分が含まれており、女性ホルモンのエストロゲンを抑え、男性ホルモンのテストステロンを増強する働きをもち、結果として筋肉をつけやすくしてくれるのです。

5.ブロッコリーの保存方法

ブロッコリーは大きめの房で売っていることが多く、そのままの状態で保存すると邪魔になってしまいますので加工して保存することが必要な時に必要な分を使えて便利になります。もちろん、そのままの状態で保存することも可能です

5-1.冷蔵保存

冷蔵保存する場合は、生のまま、もしくは加熱してから保存するのがおすすめです。また、加熱はゆでてもよいですが、栄養的には電子レンジでの加熱が良いので気にする人は電子レンジを使うようにしましょう。

5-1-1.生のまま冷蔵保存

①外側の葉を取り除く

②新聞紙でブロッコリーを包む

③ビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存

5-1-2.ゆでてから冷蔵保存

①ブロッコリーを小房に切り分ける

②かために加熱する

③キッチンペーパーでしっかりと水気を取る

④ジップ付き保存袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存

5-2.冷凍保存

冷凍保存の場合も、生のまま、もしくは加熱してから保存します。切り分けてから冷凍保存することで、鮮度が長持ちします。

5-2-1.生のまま冷凍保存

①ブロッコリーを小房に切り分ける

②軽く洗って、水気を取る

③冷凍用保存袋に入れて、冷凍庫で保存

5-2-2.加熱してから冷凍保存

①ブロッコリーを小房に切り分ける

②かためになるくらいに電子レンジで加熱する

③キッチンペーパーでしっかりと水気を取る

④冷凍用保存袋に入れて、冷凍庫で保存

食べるときは軽くゆでるか、電子レンジで加熱するのがおすすめです。

5-3.どうなったら食べられないのか

黄色く変色したブロッコリーはさらに鮮度が落ちると茶色に変色します。茶色になったブロッコリーは傷んでいる可能性があるので食べないようにしましょう。

また、黒色のカビが生えていたり、花蕾や茎がヌルヌルと溶け出していたり、酸っぱい臭いがしたりと腐敗のサインが見られる場合は、食べないようにしましょう。

また、ブロッコリーを加熱すると茶色く変色することがありますが、これは熱を加えすぎたことによってブロッコリーの色素が落ちたためです。傷んでいるわけではないので、こちらは食べても問題ありません。

6.ブロッコリーのレシピアイデア

ブロッコリーは加熱したものをマヨネーズを付けて食べるというシンプルな食べ方でも十分おいしいですが、ちゃんと料理すればとてもおいしく食べることができる食材です。いくつかブロッコリーを使ったレシピを紹介します。

6-1.サラダ:ブロッコリーのツナマヨ和え

参照:キッコーマン

6-2.スープ:ブロッコリーと玉ねぎのスープ

味の素

6-3.炒め物:ブロッコリーとベーコンの炒めもの

参照:オレンジページ

6-4.グリル:ブロッコリーのグリル

参照:Asahi

7.まとめ

説明したようにブロッコリーは栄養豊富で健康にもよい食材となっています。ビタミン類やミネラル類が豊富で、野菜としてはタンパク質も多く含まれている食材です。

その栄養の健康効果は様々なものがあり、骨を強くしたり、肌の調子を整えたりとありますが特筆すべきは抗酸化作用です。

含まれているビタミンや特徴的な成分であるスルフォラファンが活性酸素を除去する抗酸化作用を持ち、生活習慣病の予防に役立ってくれます。

通常そのまま加熱して食べるだけではなく様々な料理にも使えますので積極的に取っていきたい食材です。