ナスは栄養が無い?あっても少ないのでは?と思われているのではないでしょうか。ナスは美味しいだけでなく、栄養もあり健康にも良い野菜なのです。ここでは、ナスの栄養についてお伝えし、健康効果を理解して毎日の献立に活用してみてください。
目次
1ナスに含まれる栄養素
なすは日本料理をはじめ、世界中で広く使われている野菜の一つです。紫色の特徴的な形で、煮物や漬物、てんぷらなどの揚げ物から炒め物など、様々な調理方法で食べることができます。
水分が多いイメージのあるナスですが、ここでは実際にナスに含まれる栄養をまとめて表にしました。
1.1 ナスには栄養がない思われる理由 水分が多く低カロリー
実際にはナスは健康に良い成分を含んでいまが、一部の人々がナスを栄養価の低い野菜と見なすことがあります。その理由は、ナスは9割以上が水分の野菜であり、低カロリーである食材だからです。しかし、ほとんどの野菜は水分が9割以上でナスが特に水分が多いというわけではありませんので、ナスに栄養が無い理由にはなりません。多くの野菜と同じように、ナスにも栄養が含まれるのは納得です。
1.1.1ナスは低カロリー 100gあたり18kcal
なす1本は大体80gなので、100gはやや大きめか太めのナスになります。カロリーの低いイメージのもやしは15kcalで大根は18kcal、セロリで15 kcalですので、ナスも低カロリーな食材といえます。
1.1.2ナスのGI値は25 非常に低い野菜
ナスはカロリーも低い野菜ですが、GI値も25と非常に低く、ダイエット中の方に非常におすすめです。
1.1.3 血糖値への影響 血糖値の急激な上昇を抑える
急激な血糖値上昇を抑える低GI食材であるため、血糖値のコントロールが必要な方には有効な食材です。また、食物繊維を多く含むことも血糖値のコントロールに役立ちます。炭水化物や糖分・脂質を食べる前に採ることをおすすめします。
1.2ナスは食べる価値あり!
ナスには食べる価値がたくさんあります。その理由は下記のとおりです。
- ビタミン・ミネラル栄養素を含む
- 健康効果のある成分(ポリフェノール・食物繊維)などを含む
- 美味しくてさまざまな料理で使える
- 低カロリー食材でダイエット中の人も安心
2 ナスに含まれる栄養素の期待される効果
食べる価値のあるナスですが、実際にはどんな栄養素が含まれ、健康にどのような効果があるのでしょうか。
ここでは、ナスを食べると得られる栄養素と健康効果をお伝えします。
2.1カリウム:むくみ解消や高血圧の予防
ナスには比較的カリウムが多く含まれ、体内の余分な水分を排出する働きがあり、血圧を下げる効果があります。しかし、漬物にしてしまうと食塩を多く含むため、総じて塩分はが高くなります。食べる量や頻度には注意しましょう。また、体の余分な熱を体外に放出する効果もあるので、夏バテ解消にも役立ちます。
2.2 「食物繊維」:便秘解消や血糖値のコントロールに役立つ
ナスには比較的食物繊維が多く含まれ、腸内の有害物質の排出や便のカサを増やして便秘を改善する効果が期待できます。また、食物繊維は消化吸収を遅らせ、血糖値の急激な上昇を抑える効果があるため、ナスを糖質や炭水化物を採る前に食べることは血糖値のコントロールに有効です。
2.3「葉酸」:貧血予防と妊娠準備
ナスにはビタミンB群の一つである葉酸が含まれています。葉酸はDNA合成に必要です。赤血球の生成に関与しているので、不足すると貧血を起こす可能性があり、月経中の女性や妊婦には重要です。
また、葉酸には神経系の正常な発達と機能に影響があり、胎児の神経管形成に必要なため、妊娠を希望する際には、妊娠前からしっかり摂取して準備しましょう。
2.4「ナスニン」:ポリフェノールの一種で抗酸化作用
ナスニンは、ポリフェノールであるアントシアニンの一種で抗酸化作用があり、ナスの皮の紫色の色素成分でナス特有のものです。体内で発生した活性酸素を除去し、活性酸素によって損傷した組織を修復し細胞の酸化を防ぎます。アントシアニンはナスのほか、ブルーベリー、赤ワイン、黒豆、アズキ、紫サツマイモ、赤ジソ、赤タマネギなどにも含まれています。
3ナスの栄養素をムダなく摂るコツ 短時間水にさらして皮ごと油いため!
ナスには渋みやえぐみ成分である「アク」が含まれており、切り口の変色の原因になります。また、ナスは尿路結石や骨粗しょう症の原因となる物質であるシュウ酸を含みます。使用前の下処理として、これらの成分を水にさらすことで流しだすことができますが、栄養成分であるポリフェノールやビタミン・カリウムなども溶けだしてしまうため、2~3分程度さっと水にさらしましょう。
また、ナスは油と相性がいいと言われます。ナスは、油を吸収すると肉質がなめらかになり、ナスニンの吸収率もUPします。アクが抜けて旨みが増すので、油を使用する調理で美味しさが増しますが、カロリーや脂肪分も増えるため使用する油の量と種類には注意が必要です。
3.1ナスを使ったおすすめレシピ
煮びたしにしたりチーズと合わせたりと、和洋中からエスニックなどあらゆる料理に使える野菜です。
3.1.1 厚揚げとナスの焼きびたし
材料(2人前)
材料(2人前)
厚揚げ1枚
なす3本
ししとうがらし10本
ごま油大さじ3
めんつゆ150ml
氷温熟成使い切りかつおパック1袋
さんしょう少々
作り方
1厚揚げは熱湯をかけて油抜きし、12等分にカットする。なすはヘタを取り乱切りにする。ししとうがらしはヘタを取り、つまようじなどで数ヶ所穴をあける。
2フライパンにごま油を熱し、なすを中火で炒める。時々返しながら3分ほど炒めたら、①を加えて全体に焼き色がつくまで炒める。
3器に盛り付けてめんつゆを回しかけ、かつお節とさんしょうをふる。
調理時間15分
カロリー135kcal
塩分1.6g
3.1.2 なすとピーマンのみそ炒め煮
https://www.orangepage.net/recipes/detail_114823
材料 (4人分)
なす 6個
ピーマン 4個
A
みそ 大さじ4
砂糖 大さじ4
水 大さじ4
酒 大さじ1
サラダ油
ごま油
作り方
1 なすはへたを切って幅1cmの輪切りにし、10分ほど水にさらしてアクを抜き、ざるに上げて水けをきる。ピーマンはへたと種を取り、一口大の乱切りにする。器にAの材料を混ぜ合わせる。
2 鍋にサラダ油大さじ2とごま油大さじ1を中火で熱し、なすを炒める。しんなりしたらピーマンを加えてさっと混ぜ、Aを回し入れる。汁けがほとんどなくなるまで弱火で4~5分、ときどき混ぜながら煮る。
熱量 190kcal(1人分) 塩分 2.4g(1人分)
3.1.3 ひき肉とナスのピリ辛炒め
https://www.ntv.co.jp/3min/recipe/20120821/
材料 (4人分)
なす5~6個(500g)
豚ひき肉200g
長ねぎ5cm
にんにく1かけ
しょうが1かけ
豆板醤小さじ1
▼合わせ調味料
酒 大さじ2
しょうゆ 大さじ1
酢 大さじ1
砂糖 大さじ1
粗塩 小さじ1/2
片栗粉 小さじ1(倍量の水で溶く)
ごま油 大さじ1/2
●油
作り方
1なすは縦に8つ割りにし、さらに斜め半分に切る。長ねぎ、にんにく、しょうがはみじん切りにする。
2合わせ調味料は混ぜておく。
3鍋に油大さじ3を熱し、なすを入れ、中火でしんなりするまで炒めてとり出す。
4空いた鍋にひき肉を入れ、火が通ってポロポロになるまで炒め、豆板醤、にんにく、しょうがを加えて炒め合わせる。(3)のなすを戻し入れ、合わせ調味料と長ねぎを加えて混ぜ、香りづけにごま油をまわし入れる。
カロリー/1人前 260kcal
塩分/1人前1.6g
3.1.4 なすのラタトゥイユ
材料(3~4人分)
・なす4コ(400g)
・たまねぎ1コ(200g)
・トマトの水煮 (缶詰/カットタイプ)1缶(400g)
・にんにく2かけ
・好みのハーブ適宜
*ここではタイム(生)1本、ローリエ1枚を使用。
・オリーブ油
・塩
・こしょう
つくり方
1なすは食べやすい大きさの乱切りにする。たまねぎは1cm幅のくし形に切る。にんにくは半分に切ってつぶす。
2フライパンになすを入れて中火で熱し、オリーブ油カップ1/2を少しずつ加え、なすをじっくりと揚げ焼きにする。しっかりと焼き色がついたら、ざるに上げて油をきる。
! ポイント
なすは水分が出てくるのであまり動かさないように。じっくりと焼き色をつけて風味を際立たせる。
3フライパンをサッと拭いてオリーブ油大さじ1を中火で熱し、たまねぎ、にんにく、塩1つまみを入れて炒める。たまねぎがしんなりとしたら2のなすを戻し入れ、トマトの水煮、水カップ1/4、あればハーブを加える。ふたをし、時々混ぜながら15分間ほど煮る。味をみて塩・こしょう各適量で調える。
*1人分 エネルギー /200 kcal 塩分 /0.6 g
調理時間 /25分
3.2ナスを使った料理 カロリーを抑えるコツは塩水にさらす
ナスは低カロリーですが、水分が9割以上で油の吸収率も高いため、油を吸って高カロリーになってしまいます。塩水にさらすことで油の吸収を抑え、さらに鮮やかな色に仕上がります。
また、片栗粉やデンプンなどを使用すると糖質が多くなるので、できるだけ油を使わない、または少量使用する調理法を選びましょう。
4ナスの選び方はこれ
へたが黒く、ツヤがあって濃い紫色のものが新鮮です。ほとんどが水分なので、皮に張りと弾力があり、ナス自体ずっしり重いものを選びましょう。その際、ヘタと実の間が白いものを選ぶと苦みが少なく、食べやすく美味しいナスである証拠です。また、ヘタにとげがあるものは、痛いくらいに尖っているのが新鮮です。皮が変色していて凹凸があり、やせて張りがないものは避けましょう。
【コラム】産地
高知県や佐賀県、栃木県などが主な生産地ですが、北陸での消費量が多いため、県外への出荷が多くありません。特に新潟県は「なす食い県」といわれるほ地場での消費が多く有名です。
5旬のナス 初夏と秋に積極的に食べよう
ナスは夏野菜の一種で高温を好む作物で、5月初夏に収穫されるものを「夏ナス」、9月以降収穫されるものを「秋ナス」といい、8月の出荷量をピークに5~10月頃まで旬が続きます。店頭でよくみられる長卵型なすや、米なす、丸なす(賀茂なす等)、小なす、大長なすなど60以上の種類があります。夏ナスは水分が多くみずみずしく、秋ナスは甘みが強く種が少ないのなどそれぞれ特徴があるため、調理方法をかえて美味しく食べられます。
【コラム】ことわざ「秋ナスは嫁に食わすな」とは?
主な説は2つあります。1つ目は文意の通り「おいしいので嫁には食べさせない」という説と、2つ目は
「夏野菜なので体を冷やすため、身体を冷やさないように気遣っている」という説があります。
6ナスは常温で保存
保存適温は7~10℃ですが、冷蔵庫に入れると種子・果肉・皮が硬くなり風味が落ちます。常温で保存して早めに数日で食べてしまいましょう。野菜室に入れる時は。新聞紙に包んで冷え過ぎを防ぎましょう。
大量にある場合は、あく抜き後水を切って冷凍するか、薄くスライスして天日干しにし、乾燥材とジップロックなどの密閉容器で保存しましょう。
7まとめ
ナスは他の野菜同様水分が多い野菜ですが、栄養素も比較的多く、ナス独自の成分も含んでおり、低カロリーで何にでも活用できる野菜です。効率よく栄養素を摂るためのコツを知って、毎日の献立に取り入れ健康的な食生活に役立てましょう!