ナッツにも炭水化物は含まれ、食べた後に血糖値が上がります。
上がり方に関わる糖の量は、種類によって6倍を超える差があります。
食べる量の目安は、80kcal分をグラムに直した重さです。
種類ごとの糖の量と1回に食べる量が分かると、間食に選ぶときに量を決められます。
- 炭水化物はゼロではなく食べた分だけ血糖値に関わる
- 糖の量が少ないのはくるみやマカダミアナッツで多いのはカシューナッツ
- 1回に食べる量は80kcal前後が目安
- 食べる量を揃えると種類による糖の差は小さくなる
- 糖が少ないくるみもエネルギーは高いため量を決めて食べる
- 目につく所に置かない工夫も間食のコツに並ぶ
参照元:糖尿病の食事のはなし(実践編) | 糖尿病情報センター
ナッツを食べたときに血糖値が上がる理由と量の関係
食後の血糖値の上昇に大きく関わるのは、炭水化物です。
たんぱく質や脂質でも、血糖値はゆっくり上がります。
ナッツは炭水化物の少ない食品で、それでも炭水化物そのものはゼロではありません。
血糖値上昇の大きさは、食べるナッツの種類と量で変わります。
種類による差を作っているのは、食物繊維を除いた糖の量です。
食物繊維を除いたこの糖の量は、成分表の利用可能炭水化物という欄で分かります。
難しそうな名前でも、中身は糖の量そのものを指します。
食物繊維はこの欄に入らず、炭水化物の総量と別に数えた値です。
くるみを例にすると、炭水化物の総量11.7gのうち、食物繊維が7.5gを占めます。
残る利用可能炭水化物は2.8gで、ここが血糖値の上昇に関わる側にあたります。
まず比べたいのは、成分表のこの欄に載っているナッツの種類ごとの量です。
同じ80kcal分に揃えて比べると、差の見え方も変わります。
食事に含まれる炭水化物の量を把握する方法が、カーボカウントです。
1食あたりの炭水化物の量をある程度揃えると、血糖値の動きも安定します。
実際に取り入れる場合は、主治医や管理栄養士の指導のもとで進めます。
参照元:糖尿病の食事のはなし(実践編) | 糖尿病情報センター
種類で差が出るナッツの利用可能炭水化物の量

5種類の値を並べると、差の大きさが見えてきます。
| 種実類 可食部100g | 利用可能炭水化物 | 食物繊維 | 炭水化物の総量 | エネルギー | 80kcal分の重さ | 80kcal分の糖の量 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| くるみ 炒ったもの | 2.8g | 7.5g | 11.7g | 713kcal | 約11.2g | 約0.3g |
| マカダミアナッツ 炒って味付け | 4.8g | 6.2g | 12.2g | 751kcal | 約10.7g | 約0.5g |
| アーモンド 乾燥 | 5.5g | 10.1g | 20.9g | 609kcal | 約13.1g | 約0.7g |
| 落花生 大粒種 乾燥 | 10.7g | 8.5g | 19.4g | 572kcal | 約14.0g | 約1.5g |
| カシューナッツ 揚げて味付け | 18.6g | 6.7g | 26.7g | 591kcal | 約13.5g | 約2.5g |
100gあたりで比べると、くるみの2.8gに対してカシューナッツは18.6gで、差は6倍を超えます。
ただし、この比べ方には3つの条件が付きます。
1つめに、カシューナッツとマカダミアナッツの値は推定値です。
2つめに、もう1つの計算方法で求めた欄ではくるみ3.7gとカシューナッツ20.2gになり、差は約5.5倍まで縮みます。
3つめに、くるみは炒ったものでカシューナッツは油で揚げて味を付けたものと、加工の仕方が違います。
炭水化物の総量で見ると、くるみの11.7gに対してカシューナッツは26.7gです。
総量の差は2倍ほどで、食物繊維を除くと差はさらに開きます。
アーモンドも、炭水化物の総量20.9gのうち10.1gが食物繊維です。
利用可能炭水化物は5.5gで、総量の3割ほどに留まります。
落花生の場合は、総量19.4gのうち8.5gが食物繊維の分です。
同じ80kcal分で比べた場合、糖の量の差はくるみとカシューナッツで約2gです。
糖の少なさと切り離して確かめたいナッツのエネルギー

糖の少なさだけを見て量を増やすと、別の落とし穴があります。
ナッツのエネルギーは100gあたり572〜751kcalで、どの種類も高い値です。
糖が最も少ないくるみが、エネルギーでは713kcalと上位に来ます。
くるみの脂質は100gあたり68.8gで、マカダミアナッツでは76.7gという値です。
ナッツは脂質の多い食品のため、エネルギーは低くなりません。
糖尿病の食事療法で使う食品交換表では、アーモンドやピスタチオ、ピーナッツが主に脂質を含む食品のグループに入ります。
この食品交換表は、80kcalを1単位として数える仕組みです。
指示された単位数が分かると、間食に使える分もそこから割り出せます。
ナッツを間食に選ぶ場合に先へ効いてくるのは、糖の量よりもエネルギーの側です。
量を決める基準も、ここから80kcal前後という数字につながります。
参照元:食事療法について | 国立循環器病研究センター 病院
ナッツを食べる量の目安は80kcal前後をグラムに直す
1回に食べる量の目安は、80kcal前後です。
間食の習慣そのものは体重の増加につながり、血糖の管理も難しくします。
そのため、量を決めて食べる進め方が勧められています。
成分表の値から計算すると、80kcal分の重さはくるみで約11g、アーモンドで約13gです。
同じ80kcal分では、落花生が約14gでカシューナッツが約13.5gにあたります。
マカダミアナッツはエネルギーが高い分、約10.7gと最も軽い重さです。
このとき食物繊維を除いた糖の量は、くるみで約0.3g、カシューナッツで約2.5gに留まります。
マカダミアナッツで約0.5g、アーモンドで約0.7gという量です。
個包装の食べきりサイズを用意する工夫も、あわせて挙げられています。
参照元:糖尿病の食事のはなし(実践編) | 糖尿病情報センター
ナッツを食べるタイミングは夕食後を避けた日中の間食

ナッツを間食として食べる時間帯は、夕食後を避けて日中にします。
少量を味わってゆっくり食べる点も、あわせて勧められています。
同じエネルギー量でも、1食に集中して食べると血糖の変動が大きくなります。
3度の食事は均等に摂り、規則正しく適量食べる進め方が基本です。
間食の量を80kcal前後に揃えると、時間帯の工夫も生きてきます。
ナッツを間食に選ぶ場合も、摂るべき時間は3食を基本にした日中です。
夕食後の時間帯を外すだけでも、1日の配分は変わります。
参照元:糖尿病の食事のはなし(実践編) | 糖尿病情報センター
参照元:食事療法について | 国立循環器病研究センター 病院
栄養成分表示で量を決めるナッツの選び方と注意点
買う場面で確かめたいのは、袋の裏の栄養成分表示です。
おやつを買う際は、エネルギーを確かめて選ぶ方法が勧められています。
だらだら食べずに量を決めて食べる工夫も、あわせて添えてあります。
味付けの有無も、選ぶときの目安の1つです。
味付けのカシューナッツには0.6g、マカダミアナッツには0.5gの食塩相当量が含まれます。
くるみとアーモンド、落花生(らっかせい)はいずれも0gです。
これらはいずれも100gあたりの値で、80kcal分に直した食塩相当量は0.1g未満に留まります。
お菓子を目につく所に置かない工夫も、コツの1つです。
もう1点、腎臓の状態によって注意の向きが変わる場合があります。
参照元:糖尿病の食事のはなし(実践編) | 糖尿病情報センター
参照元:食事療法について | 国立循環器病研究センター 病院
糖尿病の治療中にナッツの食べ方を主治医へ相談したい場面

ここまでの目安は、糖尿病患者向けにまとめられています。
指示されているエネルギー量によって、間食に使える分が変わるためです。
カリウムの制限を受けている場合、食品の選び方は医師や栄養士の指導に従います。
治療中でない場合の初めの一歩は、80kcal分の重さを量る方法です。
日中の間食として取り入れると、1日の配分にも収まります。
