健康診断で医師の診断基準に基づき糖尿病予備軍と指摘された場合、初めに冷静に受け止める姿勢が大切です。
この診断結果は糖尿病が発症するリスクが高い状態を示すものであり、適切な対策により予防の可能性を高められます。
特に食物繊維には、糖の吸収を穏やかにし、食後血糖値の急上昇を防ぐ働きが期待されています。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の特徴を理解し、バランス良く取り入れていきましょう。
- 水溶性食物繊維は血糖値の急上昇を抑制!不溶性は便通を促進
- 目標量は1日男性22g以上!女性18g以上
- キナコヨーグルトなど混ぜるだけの簡単レシピで無理なく増量
- 摂りすぎ注意!お腹の張りや便秘を防ぐには水分もしっかり
- 数値が思わしくなくても見直しを継続
血糖値コントロールの鍵を握る食物繊維の力

血糖値コントロールにおいて、食物繊維は欠かせない存在として知られています。
参照元:塩谷育子、高橋利和 食物繊維が食後血糖値に及ぼす影響 糖尿病65巻12号, 635-640, 2022年
食物繊維と一口にいっても様々な種類があり、その効果もそれぞれ異なります。
特に重要なのは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違いであり、それを理解して、自身の食生活に適切に取り入れると良いでしょう。
水溶性食物繊維は、ぬめりや粘りがあり、水に溶ける性質を持っています。
代表的な食品には、以下のようなものがあります。
- 海藻類…わかめ・昆布
- 果物…りんご・キウイフルーツ
- 野菜…オクラ・モロヘイヤ
- その他…納豆・押麦
水溶性食物繊維は、消化管内で水分を吸収して粘り気を増し、消化速度を遅らせる働きがあります。
この働きが、食後血糖値の急上昇を抑えるとされています。
一方、不溶性食物繊維は水に溶けず、消化されない性質が特徴です。
代表的な食品には、以下のようなものがあります。
- 玄米
- 麦ご飯
- 全粒粉パン
- きのこ類
- ごぼう
- 野菜の皮
不溶性食物繊維は、便のかさを増やし、腸を刺激して排便を促す効果があるとされています。
参照元:公益財団法人 長寿科学振興財団 食物繊維の働きと1日の摂取量 健康長寿ネット
これにより、便秘の解消や腸内環境の改善が期待できます。
ただし、血糖値コントロールへの直接的な効果は、水溶性食物繊維ほど高くはないというのが実情です。
血糖値コントロールには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスの良い摂取が推奨されています。
毎日の食事に海藻類や果物、野菜、豆類を積極的に取り入れてください。
白米から玄米や麦ご飯への変更も、一つの工夫です。
食物繊維摂取量の目標は、厚生労働省の日本人の食事摂取基準2025年版で30〜64歳の男性22g以上、女性18g以上と示されています。
血糖値コントロールの味方となる水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は消化管内でゲル状に変化し、糖質の吸収速度を緩やかにして、血糖値の急上昇を防ぐ働きがあると考えられています。
水溶性食物繊維を効率的に取り入れるために、以下のような食品を活用すると良いでしょう。
| 種類 | 代表的な食品 |
|---|---|
| 海藻類 | わかめ・昆布・めかぶ |
| ネバネバ食品 | 納豆・オクラ・山芋 |
| 果物類 | りんご・キウイフルーツ |
| 穀物類 | 大麦・オートミール |
今日から実践できる!食物繊維たっぷりレシピ集
今日から実践できる、食物繊維たっぷりのレシピをご紹介します。
血糖値が高いと感じている人は、ぜひ参考にしてください。
同じく、日頃の食生活に食物繊維が不足していないか心配している人にも役立ちます。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、それぞれの働きと1日の摂取量の目安は前述の通りです。
初めに、手軽なレシピから試してみてください。
キナコヨーグルトの作り方
キナコは、不溶性食物繊維が豊富に含まれています。
ヨーグルトに混ぜるだけで、手軽に食物繊維を摂取できます。
材料:
- ヨーグルト 150g
- キナコ 大さじ1
作り方:
- ヨーグルトにキナコを混ぜて、よくかき混ぜます。
- お好みで、はちみつやフルーツを加えても美味しく食べられます。
調理のポイント:
- キナコは、炒ってから使うと香ばしさが増します。
- ヨーグルトは、無糖のものを選ぶと良いでしょう。
このほかにも、野菜やきのこ類、海藻類なども食物繊維を含んでいます。
豆類や穀物も、食物繊維が豊富な食品です。
毎日の食事に意識的に取り入れ、無理なく食物繊維の摂取量を増やしましょう。
注意点
食物繊維を一度にたくさん摂取すると、お腹の張りやガスの発生につながる場合があります。
最初は少量から始めて徐々に量を増やし、十分な水分摂取も心がけてください。
手軽に食物繊維をチャージできるキナコヨーグルト

キナコヨーグルトは、手軽に食物繊維をチャージできる方法として注目されています。
キナコは大豆を炒って粉末にした食品で、100gあたり18.1gの食物繊維を含み、そのうち15.4gが不溶性食物繊維です。
参照元:文部科学省 日本食品標準成分表八訂増補2023年版 きな粉
ヨーグルトに含まれる乳酸菌との組み合わせで、腸内環境をさらに整える効果が期待できます。
キナコは大豆が原料で、脂質もやや多く含まれているため、気になる人は摂取量を控えめにするとよいでしょう。
食物繊維の過剰摂取に注意して安全に取り入れよう
食物繊維は、健康維持に欠かせない栄養素として広く知られています。
特に、血糖値のコントロールに関心のある人にとって、食物繊維の摂取は重要な要素です。
しかし、どんなに良いものであっても、過剰摂取は体に悪影響を及ぼす可能性があります。
ここで解説するのは、食物繊維を摂取する際の注意点と、万が一過剰摂取をしてしまった場合の対策です。
過剰摂取による副作用として、お腹の張りや便秘、下痢などの消化器系の不調が挙げられます。
食物繊維は、鉄分やカルシウムなどのミネラルの吸収を阻害する可能性も指摘されています。
そのため、これらの栄養素が不足するリスクも考慮する必要があります。
食物繊維を摂取する際には、十分な水分補給が不可欠です。
食物繊維は水分を吸収する性質があるため、水分不足時には便秘の悪化や消化不良を招く可能性があります。
食事から摂る水分に加えて、飲み物として1日1.5リットル程度の水分補給が目安とされています。
参照元:公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット 水分摂取の目安
1日の食物繊維摂取量の目安は、30〜64歳の男性で22g以上、女性で18g以上です。
年齢や健康状態、食生活によって適切な摂取量は異なります。
過剰摂取による副作用を防ぐためには、無理に摂取量を増やす必要はありません。
バランスの取れた食事の中で、様々な種類の食物繊維をバランス良く摂取するよう意識してください。
特定の食品に偏らず、野菜や果物などをバランス良く摂りましょう。
医師の指示に従った再検査で改善の成果を確認しよう!

医師の指示に従って受ける再検査は、これまでの食事改善の成果を確認するための大切な機会です。
今日から始めた食物繊維を意識した食事は、血糖値やコレステロール値に影響を与え、健康状態が改善する可能性があります。
しかし、効果を実感するには、ある程度の時間が必要です。
その結果を踏まえて、今後の食事改善の方向性を検討するとよいでしょう。
再検査の結果、数値が改善していると、それは日々の努力の証です。
この喜びをモチベーションに変えて、さらに食事改善への取り組みを深めてください。
逆に、数値が思うように改善していなくても、落胆する必要はありません。
うまくいかない原因を分析し、食事内容や調理方法を見直すなど、改善策を講じるとよいでしょう。
再検査は、医師や栄養士にこれまでの食事改善の内容を伝えて具体的なアドバイスをもらう機会にもなります。
