血圧が高い状態が継続すると、血管や心臓が傷ついて、脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクが高まります。
高血圧は塩分の過剰摂取や肥満などが原因で発生するため、生活習慣の改善が必要です。
日常的に摂取する飲み物についても、摂取回数や商品の選び方によっては、高血圧の対策につながります。
この記事では、血圧を下げる効果がある飲み物や常飲する飲み物について、以下の項目をまとめました。
この記事でわかること
- 自分が高血圧かどうかを判断する基準
- 血圧を下げる飲み物と効果
- 過剰摂取を控えたい血圧を上げる可能性がある飲み物
- 購入する際に意識する飲み物の塩分量
- 飲み物と併せて改善する食事の塩分
血圧の高さが気になる人は、飲み物を見直すきっかけとして、参考にしてください。
高血圧を対策するために自分の家庭における血圧を把握しておく
高血圧を対策するためには、自分の普段の血圧について、家庭で測定して把握する必要があります。
「高血圧管理・治療ガイドライン2025」における測定場所ごとの血圧の目標値は、以下のとおりです。
| 測定場所 | 血圧の目標 |
|---|---|
| 診察室血圧 | 130/80mmHg未満 |
| 家庭血圧 | 125/75mmHg未満 |
診察室血圧は緊張する影響で家庭血圧よりも高い数値が出る傾向があるため、基本的には家庭血圧の数値が重視されます。
家庭血圧は、朝起きてすぐの血圧と夜寝る前の血圧の平均値が基準です。
血圧測定器で上下の値のいずれかが125/75mmHgより高い場合は、血圧を下げられるように飲み物から改善していきましょう。
こまめな水分補給は血管への圧力を軽減させる効果がある
血圧を下げる飲み物について、普通の水でもこまめに補給した場合、血管への圧力を軽減させる効果があります。
高血圧は心臓から血液を血管へ送り込む際に、血管の壁に与える圧力が常に高い状態です。
圧力が高まる原因は複数考えられますが、その1つに脱水症状による血液の粘度の高まりがあります。
血液の粘度が高いと血管を流れる際の抵抗力が増すため、血液を流すためには心臓からより強い圧力で送り出さなければいけません。
そのため、脱水症状が長く続いていると、血圧が高い状態も継続します。
普段から飲み物を飲む頻度が少ない人は、高血圧の対策として、こまめな水分補給をするところから始めてみましょう。
血圧を下げる飲み物は主成分が血管や塩分の排出に影響する

飲み物で高血圧を対策する場合、血圧を下げるのに良い影響がある主成分が多い飲み物を優先的に摂取していきます。
血圧を下げる飲み物の代表例は、以下のとおりです。
| 飲み物 | 主成分の効果 |
|---|---|
| ココア | カカオフラバノールによる高血圧の低下 |
| 緑茶 | カテキンによる血管の収縮抑制 |
| 乳製品 | カルシウムの補充で正常な働きを促す |
| 食塩無添加トマトジュース | GABAの血圧抑制とカリウムの塩分排出 |
上記の飲み物は血圧を下げる効果を重視しているため、必ずしも日常的な水分補給に適しているとは限りません。
ココアやトマトジュースは1日1杯程度に留めて、水分補給のために常飲する飲み物としては、普通の水を選ぶと良いでしょう。
ココアに含まれるカカオフラバノールは高血圧に対して効果がある
ココアに含まれるカカオフラバノールは、心血管や血流に作用して血圧を下げる効果があるとされています。
カカオフラバノールはカカオ豆に含まれるポリフェノールの1種であり、ココア以外ではチョコレートにも含まれる成分です。
成分を用いた研究結果では高血圧の人に対して血圧の低下する効果が出ており、正常値の人については血圧への影響は見られませんでした。
そのため、カカオフラバノールは高血圧のときのみ、血圧を下げる効果が期待されます。
実際に飲み物として取り入れる際は、商品ごとの砂糖の含有量に注目しましょう。
砂糖が多いココアを大量に飲むと、糖質過多で血糖値の上昇や肥満につながり、血圧にも影響します。
緑茶の主成分であるカテキンが血管を収縮させる働きを抑制する
緑茶に多く含まれるカテキンは、血管を収縮させる働きを抑制して、高血圧を対策できます。
カテキンはポリフェノールの1種であり、緑茶の苦みや渋みを生じさせる成分です。
お茶は茶葉に加工する過程で成分が変わる性質があり、成分によってはほかの種類のお茶に含まれない場合があります。
血圧を下げる目的でお茶を選ぶ際は、カテキンの量が多い緑茶を選ぶと良いでしょう。
緑茶については、カテキン以外のポリフェノールやカフェインの利尿作用も、高血圧に作用していると考えられています。
乳製品によるカルシウム不足の解消が血圧の低下につながる

牛乳などの乳製品の飲み物でカルシウム不足を解消した場合、身体が正常な状態を保って血圧の低下につながります。
カルシウムは骨や筋肉、血中に必要な栄養分です。
血圧については塩分の摂取量が多い場合、尿中のカルシウム排泄量が増えて、カルシウムが不足します。
カルシウム不足になると血管を広げる作用が弱まり、血管が狭まって圧力がかかります。
そのため、高血圧の対策として、カルシウムを補充できる乳製品の摂取は効果的です。
牛乳に限って見た場合、カゼインや乳清タンパク質も血圧を下げる効果が期待できます。
2つの成分はタンパク質の分解過程でペプチドを生成して、ペプチドが血圧を上昇させる酵素のACEの働きを阻害します。
食塩無添加トマトジュースのGABAとカリウムが血圧に作用する
食塩無添加のトマトジュースはGABAとカリウムの2つの成分から、血圧を下げる効果が期待できます。
GABAはアミノ酸の1種であり、野菜や発酵食品、穀物に含まれる成分です。
GABAにはノルアドレナリンの過剰な分泌を抑制する効果があり、血管の収縮を抑制して、高血圧を防ぎます。
野菜のなかでは完熟したトマトやトマトジュースはGABAを多く含んでいるため、飲み物で摂取する際はトマトジュースが適しているでしょう。
ただし、トマトジュースは商品によって塩分を多く含む場合があります。
塩分の過剰摂取は血圧の上昇につながるため、トマトジュースは塩分無添加などの塩分量が少ない商品を選んでください。
アルコールやカフェインが多い飲み物は過剰摂取で血圧に影響が出る

飲み物のなかでもアルコールやカフェイン飲料は、過剰摂取した際に血管や自律神経に作用して血圧を高める可能性があります。
アルコールは血管拡張作用で血圧を一時的に上下させて、過度に摂取した場合は、大幅な血圧の上昇で血管に負荷がかかります。
過度な飲酒を繰り返すほど血管の負荷も継続するため、毎日お酒を飲む人は適量の飲酒を心がけましょう。
カフェインは過剰摂取した場合、交感神経の活性化から血圧を一時的に上昇させます。
コーヒーなどのカフェインが多い飲み物は健康効果もありますが、常飲する際は1日の摂取量を調整してください。
2つの成分の摂取量の目安は、以下のとおりです。
| 成分 | 1日の摂取量目安 |
|---|---|
| アルコール | 平均純アルコールで約20g程度 女性は男性よりも少ない量が適量とされる |
| カフェイン | 健康な成人は最大400 mg 妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性は最大300 mg |
飲み物の成分表示から塩分量を把握して過剰摂取による血圧の上昇を防ぐ
血圧を下げる飲み物を含めて、飲み物を購入する際は、成分表示から塩分量を把握して商品を選びましょう。
飲み物で長期保存や味の調整のために、塩分を使用した飲み物は珍しくありません。
健康に良い商品でも高血圧を対策する点で見た場合は、毎日大量に飲んでいると、意図せず塩分の過剰摂取につながる可能性があります。
飲み物にも食品と同様に成分表示があり、塩分量は食塩相当量として記載されています。
日常的な水分補給で摂取する飲み物については、糖質やカロリーだけでなく、塩分量についても確認してみてください。
血圧を下げる飲み物と併せて塩分量を控えた食生活を心がける
血圧を下げる飲み物に切り替えたうえで、高血圧を対策する際は、塩分量を控えられるように食生活の改善も心がけていきましょう。
飲み物の塩分量に気を付けていても、食事の塩分量が多い場合は、血圧を下げる効果を発揮できません。
2025年度に公表された厚生労働省の日本人の食事摂取基準において、1日の食塩摂取量目安は成人男性で7.5g未満、女性で6.5g未満です。
飲み物は塩分が入っていても1gに満たない量が多いため、基本的には食品の塩分が摂取量に影響してきます。
食生活では塩分の摂取量を念頭に置きつつ、そのほかの栄養素もバランス良く摂取できるように改善してください。
血圧を下げる飲み物とこまめな水分補給で高血圧を対策する

高血圧を飲み物で対策する際は、血圧を下げる効果がある飲み物とこまめな水分補給を駆使していきます。
こまめな水分補給は血液の粘度や流れを改善して、血管への負荷を減らす効果があります。
食事や休憩時間の水分補給で常飲する飲み物としては、普通の水や血管の収縮を抑える作用がある緑茶を選ぶと良いでしょう。
ココアやトマトジュース、牛乳などの乳製品も、含まれている成分から血圧を下げる効果が期待できます。
商品によっては糖分や塩分を多く含んでいるため、購入時には成分表示を確認して、糖分や塩分が少ない商品を選んでください。
