健診の結果票を手にして、どこから直すべきか分からないと感じるかもしれません。
ここで扱う数値は、40歳以上74歳以下が対象の特定健康診査のものです。
項目別の食事の節は、年齢を問わず参考になる数値となっています。
- 結果票の数値は腹囲や血圧などの基準で判定
- 受診勧奨判定値を超えた項目は医療機関への相談が望ましい
- 特定保健指導では腹囲と体重を少し減らす目標が決められている
- 血圧の項目では毎日の食塩を減らす工夫が中心
- 中性脂肪の項目ではアルコールと甘いものを見直す
- 血糖の項目では腹八分目でやめて1食にまとめて食べない
健康診断の結果票で引っかかった数値を判定する2種類の基準

特定健康診査は40歳以上74歳以下の人を対象に行われ、結果票の数値は決まった基準で判定されます。
目指す先は、糖尿病や循環器の病気の発症そのものの減少です。
この健診の検査項目には、2種類の基準が定められています。
1つは保健指導の対象を選ぶ保健指導判定値で、もう1つは医療機関の受診を勧める受診勧奨判定値です。
受診勧奨判定値を超えるレベルの場合、再検査や生活習慣改善指導を含め、医療機関で管理する必要が生じる場合もあります。
結果票の数値は、食事の見直しで足りる水準と医療機関で確かめる水準の2つに分かれる仕組みです。
どちらに該当するかは、項目ごとの数値で決まります。
参照元:標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)第2編別紙5・別添資料フィードバック文例集等 | 厚生労働省
受診勧奨判定値を超えた項目は医療機関への相談が望ましい
受診勧奨判定値は、項目ごとに数値が定められています。
収縮期血圧は140mmHg以上、拡張期血圧は90mmHg以上が該当します。
中性脂肪は空腹時と随時のいずれも300mg/dL以上、LDLコレステロールは140mg/dL以上です。
この値を超えた場合でも、直ちに薬の治療が始まるわけではありません。
同プログラムでは、Ⅰ度高血圧の場合、服薬治療よりも3か月間の生活習慣の改善を優先する進め方が一般的とされています。
脂質異常症でも、虚血性心疾患を発症していない人は、まず3〜6か月の生活習慣改善から始める必要があります。
参照元:標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)第2編別紙5・別添資料フィードバック文例集等 | 厚生労働省
参照元:標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)第2編第2章 | 厚生労働省
腹囲と血圧と脂質と血糖で決まる特定保健指導の対象

特定保健指導の対象は、2段階で決まります。
1段目に置かれているのは腹囲で、該当するのは男性85cm以上または女性90cm以上です。
腹囲がこれに満たない人については、BMI25以上という条件が置かれています。
2段目で数える対象が、追加のリスクです。
| 項目 | 該当する値 |
|---|---|
| 血圧 | 収縮期130mmHg以上または拡張期85mmHg以上 |
| 脂質 | 空腹時の中性脂肪150mg/dL以上、随時の採血では中性脂肪175mg/dL以上、またはHDLコレステロール40mg/dL未満 |
| 血糖 | 空腹時血糖100mg/dL以上、やむを得ない場合は随時血糖100mg/dL以上、またはヘモグロビンA1c5.6%以上 |
| 喫煙歴 | あり |
喫煙歴は、血圧と脂質、また血糖のリスクが1つ以上ある場合にだけ数えます。
腹囲が基準に該当する人の場合、追加のリスクが2個以上で積極的支援です。
1個の場合は動機付け支援、0個の場合は情報提供という区分となります。
動機付け支援では、専門職との面接で自分の行動目標と行動計画を立て、3か月以上たってから結果を振り返ります。
積極的支援は、これに加えて生活の変化を確かめて計画を見直す支援を、3か月以上にわたって受ける区分です。
なお血圧と脂質と血糖の薬を服用している人は、保険者による特定保健指導の対象外です。
すでに医療機関で管理が始まっているためで、生活習慣の見直しは主治医のもとで進めます。
参照元:第4期特定健診・特定保健指導の見直しについて | 厚生労働省
腹囲やBMIで引っかかった場合の食事改善と体重の目安

腹囲やBMIが基準を超えた場合、体重をどれだけ減らすかにも目安があります。
メタボリックシンドロームでは、5〜10%の体重減少でも高血圧や脂質異常、高血糖の改善が期待できるとされています。
特定保健指導の第4期では、腹囲2cmと体重2kgの減少が主要な達成目標です。
体重60kgの人の場合、2kgは3%程度にあたります。
食事については、肥満を解消する進め方として、食事と嗜好品を区分する方法が挙げられています。
嗜好品はやめるか減らし、そのために食事を削る進め方はとりません。
毎食、主食と主菜と副菜が適量か確かめる点もあわせて示されています。
血圧で引っかかった場合に見直したい1日の食塩の量
血圧の項目が該当した場合、初めの目安となるのは食塩の量です。
食塩の摂取目標量は、1日あたり男性7.5グラム未満、女性6.5グラム未満とされています。
高血圧がある場合は、さらに減らして1日6グラム未満が目安です。
食塩を控えるための12か条には、漬け物や汁物の量に気をつける工夫が挙げられています。
漬け物は浅漬けか塩出ししたものにし、汁物は具の多いものにして1回にとる汁の量を減らす工夫です。
めん類を食べるときは、汁を残す方法が示されています。
しょうゆやソースは、かけて食べるよりつけて食べたほうが食塩の摂取量は少なめです。
参照元:糖尿病の食事のはなし(実践編) | 糖尿病情報センター
参照元:食事療法について | 国立循環器病研究センター 病院
中性脂肪やHDLコレステロールで引っかかった場合の食事改善

脂質の項目が該当した場合、見直したい食習慣は3つあります。
1つ目に挙がるのは、中性脂肪を増やす直接の原因とされるアルコールと甘いものです。
食事を不規則にする要因にもなるため、量を確かめます。
2つ目に挙がるのは、食物繊維の摂り方です。
食物繊維には血中のコレステロール値を下げる働きがあり、野菜や海草類、豆類などを取り入れる方法が挙げられています。
3つ目に挙がるのは、食事の回数と時間帯です。
不規則な食事は脂肪を体内に溜める原因とされ、1日3食を欠かさず食べる間食や夜食をとらない食生活を目指します。
参照元:食事療法について | 国立循環器病研究センター 病院
血糖で引っかかった場合に見直したい食事の量と食べ方
血糖の項目が該当した場合、その数値の位置づけから確かめます。
空腹時血糖値が100〜109mg/dLの人、ヘモグロビンA1cが5.6〜5.9%の人は、将来糖尿病を発症するリスクが高いグループに該当します。
特定保健指導の血糖の基準と重なる範囲にあり、糖尿病と診断された状態から見ると手前の区分です。
この段階では、生活習慣の改善で糖尿病の発症リスクをまだ減少させられます。
食べる順番や速さも、血糖の動きに関わる要素です。
1日の総エネルギー量が同じでも、1食に集中して食べた場合は血糖の変動が大きくなります。
3度の食事は均等を基本とし、規則正しく適量食べるようにしましょう。
参照元:食事療法について | 国立循環器病研究センター 病院
すべての項目に共通する野菜350グラムという食事の目標
どの項目が該当した場合でも、共通して挙がる目標があります。
野菜の摂取については、毎食食べる習慣と1日350グラムが目標として挙げられています。
この350グラムは、厚生労働省の健康日本21が掲げる目標値と同じ数字です。
この量は、小鉢に置き換えると5杯分にあたります。
野菜は食物繊維の供給源でもあり、脂質の項目で挙がった食物繊維の話ともつながります。
ただし、数値が戻るかは食事だけで決まるものではありません。
結果票を持って相談したい医療保険者と主治医の窓口

結果票について相談したいときの窓口は、働き方や治療の状況によって異なります。
特定健康診査と特定保健指導の詳細は、加入している医療保険者が窓口です。
自営業の人は市区町村、勤めている人とその被扶養者は勤め先が窓口にあたります。
服薬中の人は、生活習慣の見直しを特定保健指導ではなく主治医のもとで進めます。
どちらにも当てはまらない場合、今日からは食塩と野菜の量を数えるところから始められます。
汁物を1杯減らし、野菜を1杯増やすところから、結果票の項目とつながります。
