MENU

空腹時血糖値を下げる方法や血糖値による糖尿病の判断基準について紹介

空腹時血糖値は、健康診断をはじめとした血糖値の検査で用いられる数値です。

診断結果から空腹時血糖値が高かった場合、糖尿病の詳しい検査を推奨される可能性があります。

そのため、健康診断前後で空腹時血糖値を下げたいと考えている人もいるでしょう。

この記事では、空腹時血糖値について、数値を下げる方法や糖尿病を予防するための基準値などをまとめました。

この記事でわかること

  • 空腹時血糖値は食事の影響がない血糖値として参照される
  • 糖尿病の判断は空腹時血糖値以外にも随時血糖値やHbA1cが用いられる
  • 空腹時血糖値を下げる際は食事療法や運動療法による生活習慣の改善を行う
  • 喫煙や飲酒の習慣がある場合は血糖値への悪影響を避けるために控える
  • 持病や体質の影響で血糖値が下がらない場合は薬物療法も検討される
  • 健康診断後の検査や定期的な診察で血糖値の状態を把握する

健康診断で問題がなかった人は、今後も空腹時血糖値の良い状態を保つための方法として、参考にしてください。

目次

健康診断では食事の影響がない血糖値として空腹時血糖値が参照される

健康診断では食事の影響がない血糖値の状態を確認するために、空腹時血糖値を参照します。

空腹時血糖値とは、8時間以上絶食した後に採血して測定する血糖値のことです。

食事で糖分を摂取した場合、糖分を消化や吸収する過程で血糖値の変動が生じます。

糖尿病の検査後に健康指導するうえでは、食事の影響を除いた基礎的な数値が必要になるため、空腹時血糖値が指標として用いられています。

糖尿病ガイドライン2024における空腹時血糖値の判断基準は、以下のとおりです。

区分 空腹時血糖値 目安の対応
正常 100mg/dL未満 現在の生活習慣を継続する
正常高値 100〜109mg/dL 食事や運動など生活習慣の見直しを検討する
要確認 110〜125mg/dL 医療機関への相談を検討する
糖尿病型 126mg/dL以上 早めに医療機関を受診する

参照:糖尿病診療ガイドライン2024 2章-日本糖尿病学会

上記の区分のうち、正常高値は糖尿病リスクが比較的低い段階ですが、健康診断で該当した際は生活習慣の見直しの検討が推奨されます。

要確認や糖尿病型に該当した際は、速やかに医療機関を受診して、より詳しい検査を受けてください。

糖尿病を判定する際は空腹時血糖値以外の数値も参照する

糖尿病を判定する際は空腹時血糖値以外の数値も参照する

糖尿病を判定する際は、空腹時血糖値以外の数値も参照する必要があります。

糖尿病診療ガイドライン2024における糖尿病の診断基準は、以下のとおりです。

項目 糖尿病型 医療機関の精査が推奨される数値
空腹時血糖値 126mg/dL以上 110〜125mg/dL
随時血糖値 200mg/dL以上 140〜199mg/dL
75g OGTT 2時間値 200mg/dL以上
HbA1c 6.5%以上 6.0〜6.4%(明らかな糖尿病症状を除く)

参照:糖尿病診療ガイドライン2024 2章-日本糖尿病学会

随時血糖値は食事の時間にかかわらず測定した血糖値、OGTTは75gのブドウ糖を摂取してから2時間後の血糖値を指します。

HbA1cは、赤血球内のヘモグロビンにブドウ糖が結合した割合です。

ヘモグロビンにブドウ糖が一度結合した場合、約120日間は同じ状態が保たれるため、HbA1cは過去の血糖値を把握する際に参照されます。

上記の判断基準や患者の状態から、以下のいずれかに該当すると、糖尿病の発症が確定します。

  • 1回目は血糖値、2回目は血糖値もしくはHbA1cで糖尿病の検査を行い、2回とも糖尿病型だった場合
  • 血糖値とHbA1cが同一採血で両方とも糖尿病型だった場合
  • 血糖値が糖尿病型かつ慢性高血糖症状が確認される場合
  • 糖尿病の典型的な症状がある、または確実な糖尿病網膜症が見られる場合

仮に2回目の検査で糖尿病型に当てはまらなかった場合でも、1回目の検査で糖尿病型に該当した時点で継続的な再検査や経過観察が必要です。

健康診断で空腹時血糖値が高めの数値だったときは、なるべく医療機関で詳しい検査を受けてください。

空腹時血糖値と併せてHbA1cや食後血糖値も血糖値管理で調整する

空腹時血糖値と併せてHbA1cや食後血糖値も血糖値管理で調整する

空腹時血糖値を改善する際は、HbA1cや食後血糖値も併せて血糖値管理を行っていきます。

糖尿病診療ガイドライン2024における血糖コントロールの目標値の目安は、以下のとおりです。

指標 目標値
HbA1c 7.0%未満
空腹時血糖値 130 mg/dL未満
食後2時間血糖値 180 mg/dL未満

参照:糖尿病診療ガイドライン2024 2章-日本糖尿病学会

ただし、これらの目標値はあくまで一般的な指針であり、年齢や低血糖のリスクなどで個別に調整される場合があります。

血糖値やHbA1cは自宅で測定できる機器も存在しますが、高血糖や糖尿病が進行していない限りは、毎日の測定を推奨されるわけではありません。

定期的な数値の把握は必要であるため、一度血糖値に関する検査を受けた後も、定期的に検査や診察を受けましょう。

空腹時血糖値を下げるために食事や運動から生活習慣を改善する

空腹時血糖値を下げる際は、食事や運動から生活習慣を改善する方法が用いられます。

糖尿病の治療や予防において、空腹時血糖値は極端に下げるわけではなく、血糖値を急激に上昇させない方向で改善していきます。

具体的な生活習慣の改善方法は、以下のとおりです。

  • 摂取エネルギー量を調整する
  • 食物繊維の摂取量を増やす
  • 運動習慣をつける
  • アルコールの過剰摂取を防ぐ
  • 禁煙する

糖尿病の治療における食事療法や運動療法を基本にして、飲酒や喫煙については禁止、もしくは制限をかけていきます。

糖尿病型に該当していない人も、生活習慣の改善を意識すると、空腹時血糖値を急上昇させずに高血糖や糖尿病の予防ができます。

参照:健康日本21アクション支援システム 生活習慣病などの情報 糖尿病-厚生労働省

食事では糖分や脂質の摂取量を調整しながら食物繊維の摂取量を増やす

食事では糖分や脂質の摂取量を調整しながら食物繊維の摂取量を増やす

空腹時血糖値を下げるために食事を改善する際は、糖分や脂質の摂取量を調整しながら、食物繊維の摂取量を増やしていきます。

食べ過ぎは糖分の過剰摂取から血糖値を急上昇させる直接的な原因になる可能性があり、脂質の過剰摂取による肥満も血糖値に悪影響を及ぼします。

しかし、糖分と脂質も身体に必要な栄養素であるため、過剰摂取にならない範囲で調整していきましょう。

一方、栄養素の中でも食物繊維は、血糖値の急上昇を抑制する効果を持っています。

糖分と脂質の調整から減らされた食材分を、食物繊維を多く含む食材で補えると、食べる量を確保しながら健康的な食事に改善できます。

食物繊維を多く含む食材は、野菜や大豆製品、海藻類やきのこ類です。

栄養素の摂取量調整は、自己判断が難しいため、血糖値の検査や定期健診で医師や管理栄養士に相談してください。

参照:気になる糖尿病 | 厚生労働省

糖分を上手に消費するために有酸素運動や筋力トレーニングを取り入れる

空腹時血糖値を下げるために運動を取り入れる際は、摂取した糖分を上手に消費するために有酸素運動や筋力トレーニングを行います。

有酸素運動は酸素を使いながら筋肉を動かす運動であり、運動中の代謝によるエネルギー消費で糖分や脂質が使用されます。

ウオーキングは道具を使わないで手軽にできる有酸素運動であるため、これまでに運動習慣がなかった人は、医師から推奨される可能性が高いでしょう。

改善前から運動習慣があった人は、有酸素運動と併せて筋力トレーニングも取り入れられると、筋肉量の維持や増加で基礎代謝が高められます。

基礎代謝が高いと、運動時以外も効率的に糖分を消費できます。

ただし、具体的な運動メニューは個人の体力や健康状態によって異なるため、医師に相談をしてから取り組んだほうが安全です。

参照:身体活動・運動 – 厚生労働省

禁煙を前提にアルコールの過剰摂取を防げるように飲酒量を調整する

禁煙を前提にアルコールの過剰摂取を防げるように飲酒量を調整する

普段から喫煙や飲酒をしている人は、禁煙を前提にして、アルコールの過剰摂取を防げるように飲酒量を調整していきます。

たばこは継続的に吸っている場合、空腹時血糖値に限らず、身体にさまざまな悪影響を及ぼします。

空腹時血糖値を下げるために生活習慣を改善する場合、喫煙する習慣がある人は、禁煙も始めましょう。

アルコールは適切な飲酒量かつ糖尿病の症状が進行していないときは、空腹時血糖値に対する悪影響はそれほどありません。

一方で、アルコールの過剰摂取は肝臓の脂肪燃焼抑制やすい臓のインスリン分泌を抑制するため、血糖値を上昇させる可能性があります。

医師や管理栄養士と相談しながら、自分が飲酒して良いか、飲酒できる場合の摂取量がどの程度許容されるか確認してください。

参照:健康日本21アクション支援システム 生活習慣病などの情報 喫煙-厚生労働省健康日本21アクション支援システム 生活習慣病などの情報 飲酒-厚生労働省

食事や運動で改善できない場合は薬物療法も検討される可能性がある

食事や運動のみで血糖値の状態が改善できない場合は、経口血糖降下薬やインスリン注射などの薬物療法も検討される可能性があります。

持病や先天的な体質の影響から、一般的な人よりも食事や運動による血糖値の改善が難しい人はいます。

ただし、薬物療法を行うかどうかは、医師の判断が必要です。

そのため、食事や運動による改善が面倒という理由で、薬物療法は選択できません。

血糖値や糖尿病の検査を行った時点では、持病や体質による血糖値への影響がわからない可能性もあります。

効果のない改善を続けても血糖値の上昇を見送るだけになるため、定期的な診察で改善の効果や途中経過を確認できる機会を作りましょう。

参照:糖尿病診療ガイドライン2024 13章-日本糖尿病学会

空腹時血糖値の上昇や糖尿病の初期症状は自覚できない傾向がある

空腹時血糖値の上昇や糖尿病の初期症状は自覚できない傾向がある

血糖値の上昇や糖尿病の初期症状は自覚できない傾向があり、悪化してから症状に初めて気付く人もいます。

高血糖や糖尿病は進行すると血管に負担がかかり、糖尿病の三大合併症や脳卒中などの血管が関連する傷病に発展する可能性もあります。

健康診断で空腹時血糖値が高かった場合、現在の体調にかかわらず、血糖値の状態を把握するための詳しい検査を受けてください。

血糖値の管理を始めた場合、一度対処すれば終わるわけではなく、生活習慣の改善を継続する必要があります。

定期的な診察で血糖値の状態が改善したときでも、自己判断で通院を止めないようにしましょう。

厚生労働省の予防資料でも、定期的な診察による健康度の確認が、糖尿病予防の重要な柱のひとつとして挙げられています。

参照:気になる糖尿病 | 厚生労働省

空腹時血糖値は急激に上昇させないように食事や運動から調整する

空腹時血糖値は、血糖値の基礎的な数値として用いられており、基準値を超えると糖尿病の詳しい検査を受ける必要があります。

健康診断の結果は簡易的な判定の可能性もあるため、空腹時血糖値が高めと診断されたときは、なるべく早く医療機関で検査を受けましょう

空腹時血糖値を下げる方法は、糖尿病の治療や予防でも使用される食事療法や運動療法が有効に働きます。

食事や運動と併せて、喫煙や飲酒の習慣がある人は、禁煙と適量のアルコール摂取に切り替える必要があります。

空腹時血糖値を下げるための生活習慣の改善を始める際は、医療機関で医師管理栄養士と相談しながら、定期的な診察で改善の効果を確認してください。

目次