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飲酒が血糖値に与える影響!適量と過剰の基準や低血糖のリスクも解説

血糖値が高めと指摘された場合、お酒は止める必要があるのか迷っている人も多いでしょう。

お酒好きの人にとって、飲酒は簡単に止められるものではありません。

飲酒と血糖値の関係は単純ではなく、適量か過剰かで異なる身体への影響について、厚生労働省や東京都保健医療局などの一次情報に示されています。

今回は、飲酒が血糖値に及ぼす二面性のメカニズムや、今日から実践できる節度ある飲み方を解説します。

この記事でわかること

  • 飲酒が血糖値にもたらす影響は適量か過剰かで異なる
  • アルコールが肝臓を介して血糖値を変動させる
  • 公的ガイドラインが示す純アルコール量の基準と具体的な目安を把握する
  • 糖尿病発症リスクと飲酒量には密接な関係がある
  • 糖尿病治療中の人は低血糖のリスクにも気を付ける必要がある

飲酒と血糖値の関係を正しく理解して、お酒との上手な付き合い方を見つけましょう。

目次

飲酒の血糖値への影響は適量か過剰かで異なる二面性がある

飲酒の血糖値への影響は適量か過剰かで異なる二面性がある

飲酒による血糖値への影響は一律ではなく、飲酒量によって異なる二面性があります。

飲酒すると血糖値が悪化する、という単純な話ではなく、適量か過剰かによって同じ飲酒でも身体への影響が異なります。

飲酒による血糖値への影響について、以下の3点を通して解説します。

  • 適度のアルコール摂取量において血糖値改善の効果が期待できる
  • 度を超えた多量の飲酒は高血糖のリスクを高める
  • 飲みすぎや食べすぎによるカロリー過多による悪影響にも注意

飲酒と血糖値の関係を正しく理解するには、最初に二面性がある点を知っておきましょう。

適度のアルコール摂取量において血糖値改善の効果が期待できる

適度のアルコール摂取量を守っていると、血糖値改善の効果が期待できます。

厚生労働省のe-ヘルスネットには、適切な飲酒による適量のアルコール摂取は、糖尿病の発生を予防する可能性があると示されています。

糖尿病の発生を抑えるとされるアルコール摂取量の目安は、1日あたり20〜25g程度です。

参照:アルコールと糖尿病 – 厚生労働省 e-ヘルスネット

東京都保健医療局の資料でも、適度な飲酒は全く飲まない場合よりも、糖尿病になるリスクが低い可能性があると紹介されています。

参照:糖尿病とお酒とタバコの関係 – 東京都保健医療局

飲酒は血糖値を高めると考えている人が多いかもしれませんが、適量を守る場合は高血糖リスクを下げる可能性が示唆されています。

度を超えた多量の飲酒は高血糖のリスクを高める

度を超えた過剰なアルコール摂取は、高血糖のリスクを高めます。

厚生労働省のe-ヘルスネットには、過剰な飲酒によって脂質異常症高血圧が相まって、高血糖に加えて脳血管障害や虚血性心疾患の原因になる点について記されています。

1日25gのアルコール摂取量を超える飲酒習慣は、肝臓に脂肪を蓄積させると同時にすい臓からのインスリン分泌を抑制するため、血糖値を上昇させる要因です。

長年にわたる多量の飲酒は肝臓すい臓に障害をもたらし、コントロールが困難な糖尿病につながるリスクがある点も説明されています。

参照:知って得する病気の話 糖尿病とアルコールのはなし – 彦根市立病院

飲酒は少量であれば血糖値の改善効果がある一方で、多量を摂取すると高血糖のリスクを高めるため、摂取量に留意する必要があります。

飲みすぎや食べすぎによるカロリー過多による悪影響にも注意

飲みすぎや食べすぎによるカロリー過多による悪影響にも注意

お酒の飲みすぎや食べすぎによるカロリー過多は、血糖値を上げる重要な要因の1つです。

アルコールは1gあたり約7kcalのエネルギーをもつため、過剰摂取するとカロリー摂取量が過多になってしまいます。

さらに、飲酒によって摂取されたアルコールは肝臓における中性脂肪の分解を抑制し、脂肪の蓄積を助長してしまう側面もあります。

そのため、飲酒する際には、同時に食べるおつまみの分量や種類にも配慮するとよいでしょう。

過剰な飲酒に加えておつまみなどの食べ過ぎが血糖値に与える悪影響を理解して、カロリー過多となるリスクを避けてください。

アルコールそのものが直接身体に及ぼす作用を理解しよう

飲酒と血糖値の関係を理解するためには、お酒に含まれるアルコールが直接身体に及ぼす作用を知っておくのも重要です。

蒸留酒や糖質ゼロのお酒なら血糖値に影響しないと考える人もいるかもしれませんが、実際にはアルコール自体が肝臓を介した血糖値変動をもたらします。

アルコールが身体に与える作用について、以下の3点を中心に解説します。

アルコールが身体に与える作用
  • 肝臓内でのグリコーゲン分解の抑制につながり低血糖のリスクが高まる
  • 糖質を含むお酒を選んだ場合は血糖値に与える影響が拡大する
  • 肝臓がアルコール分解を優先するためインスリンの鈍化や糖の放出抑制につながる

糖質量のみに配慮するのではなく、アルコール自体にも血糖値に与える影響がある点を正しく理解しましょう。

肝臓内でのグリコーゲン分解の抑制につながり低血糖のリスクが高まる

アルコール自体は体内でブドウ糖に変化しないため、直接的に血糖値に影響を及ぼすわけではありません。

しかし、アルコールは肝臓内のグリコーゲンをブドウ糖に分解する働きを抑制し、血糖値を下降させる要因として作用します。

アルコールの分解をするために肝臓が働く結果、グリコーゲンの分解が遅れると考えられています。

さらに、アルコール摂取により酔った状態になると、低血糖の症状である手の震えや動悸などに気付けない場合も多いです。

アルコール摂取には低血糖のリスクがある点について、正しく理解しましょう。

糖質を含むお酒を選んだ場合は血糖値に与える影響が拡大する

糖質を含むお酒を選んだ場合は血糖値に与える影響が拡大する

糖質を含むお酒を選んだ場合は、血糖値上昇の作用が拡大する可能性があります。

ビールや日本酒およびワインなど、糖質を含むお酒は多いです。

糖質を含むお酒は、前述のアルコールの影響に加えて糖質による血糖値上昇も重なります。

焼酎やウイスキーなど糖質の少ない蒸留酒と比べて、糖質を含むお酒は血糖値を上げるリスクが高いです。

糖質を含むお酒を飲む際は、血糖値の上昇リスクが高い点を理解して、過剰摂取を避けるようにしましょう。

ただし、前述のとおりアルコール自体も血糖値変動をもたらす可能性があるため、蒸留酒や糖質ゼロのお酒であれば問題ないという判断は適切ではありません。

肝臓がアルコール分解を優先するためインスリンの鈍化や糖の放出抑制につながる

アルコールを過剰摂取すると、肝臓はアルコール分解を優先して作用するため、本来作用する肝臓の働きが後回しになります。

通常、肝臓は血糖値が下がると蓄えた糖を放出して血糖を維持する作用をもつ器官です。

しかしアルコールが体内に入ると、前述の通り肝臓がアルコールの分解を最優先にするため、糖の放出機能が抑制されます。

さらに、アルコールはインスリンの働きを抑制する作用ももっているため、インスリン抵抗性の悪化も懸念されると示す資料もあります。

参照:【減酒ドクター監修】お酒をやめるから減らすへ。糖尿病悪化を防ぐアルコール依存症の基礎知識 – 川崎中央病院

結果として、アルコール摂取の影響により血糖値が不安定になるリスクがあると考えられています。

特に、薬物療法中の方は重篤な低血糖を起こすリスクも考えられるため、糖尿病治療中のアルコール摂取には十分配慮する必要があるでしょう。

公的ガイドラインに記載されている基準を参考に飲酒習慣を検討する

血糖値を悪化させない飲酒習慣に関しては、公的ガイドラインに記載されている基準や内容を参考にする方法が有効です。

飲酒量を減らす必要があるものの、お酒が好きで継続して楽しみたいと考える場合は、公的ガイドラインが示す基準を参考にして節度ある習慣を作るとよいでしょう。

健全な飲酒習慣を検討する際の参考として、以下の3点について解説します。

節度ある飲酒習慣のポイント
  • 健康日本21では生活習慣病リスクを高める飲酒量基準が明記されている
  • お酒の種類ごとの純アルコール量の目安を理解する
  • 肝臓への体脂肪蓄積を抑えるためのおつまみの選び方を身に付ける

血糖値を健全に保てる飲酒習慣を身に付けると、安心してお酒を楽しめます。

健康日本21では生活習慣病リスクを高める飲酒量基準が明記されている

健康日本21では生活習慣病リスクを高める飲酒量基準が明記されている

厚生労働省の健康日本21(第三次)では、生活習慣病のリスクが高まる飲酒量として以下の基準が示されています。

性別生活習慣病リスクが高まる1日あたりの平均純アルコール量
男性40g以上
女性20g以上

参照:国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針の全部を改正する件 – 厚生労働省

糖尿病の発生を抑える可能性があるとされる1日20〜25gという目安と、生活習慣病リスクが高まるアルコール量は異なる概念です。

女性の場合、20gを超えるとすでにリスクが高まる区分に入るため、特に留意する必要があります。

基準のアルコール量はあくまで一般的な数値であるため、実際に目標値を定める場合には、主治医に相談するなどして自分に適した数値を決めましょう。

お酒の種類ごとの純アルコール量の目安を理解する

厚生労働省のe-ヘルスネットには、お酒の種類ごとの純アルコール量の目安として、以下の参考値が示されています。

お酒の種類量の目安純アルコール量の目安
ビール中瓶1本(500ml)20g
日本酒1合(180ml)22g
ワイングラス1杯(120ml)12g
ウイスキーダブル(60ml)19g

参照:飲酒量の単位 – 厚生労働省 e-ヘルスネット

ビール中びん1本や日本酒1合およびウイスキーのダブル1杯で、それぞれ約20gの純アルコール量に相当します。

今日はお酒を少量に留めたと自分では思っていても、実際には推奨量に達している場合があるため、飲んだ量を意識する習慣が大切です。

なお、純アルコール量はお酒の種類やブランドなどによって度数が異なるため、今回紹介した基準はあくまで目安として参照してください。

肝臓への体脂肪蓄積を抑えるためのおつまみの選び方を身に付ける

お酒の量や種類に加えて、飲酒時のおつまみ選びも血糖値管理において重要な視点です。

アルコールと一緒に取ったおつまみの糖質や脂質のうち、エネルギーとして消費されない分は、肝臓に蓄積されます。

おつまみの選び方としては、糖質や脂質の多い甘い食品や揚げ物を控えめにするのが基本です。

野菜や豆腐および魚など、食物繊維やタンパク質を含むものを意識的に選ぶと、血糖値の悪化を防止できます。

食事を抜いて飲酒するのではなく、適切なおつまみと合わせて飲むのが、低血糖のリスクと血糖値上昇をともに抑える観点からも重要です。

血糖値が気になるもののお酒を止められない人は、お酒の量や種類だけでなく、一緒に食べるおつまみについても配慮するとよいでしょう。

糖尿病の発症リスクとアルコール摂取量との関係性を理解する

糖尿病の発症リスクとアルコール摂取量との関係性を理解する

糖尿病の発症リスクとアルコール摂取量は、強い関係性がある要素です。

飲酒量と糖尿病発症リスクの関係については、少量の飲酒の場合にはリスク低減効果をもたらす一方で、量が増えると発症の可能性を高めるとの調査結果があります。

糖尿病発症リスクとアルコール摂取量との関係性について、以下の3点を通して解説します。

糖尿病発症リスクと飲酒の関係
  • 少量飲酒と多量飲酒の間には糖尿病発症率に対する一定の傾向がある
  • 肝臓やすい臓へのダメージにより身体全体の健康管理に支障を来す
  • 飲酒と糖尿病との因果関係の正しい理解が重要

適切なアルコール摂取量を順守して、糖尿病発症リスクを抑えましょう。

少量飲酒と多量飲酒の間には糖尿病発症率に対する一定の傾向がある

糖尿病発症率と飲酒量の間には、一定の傾向があると考えられています。

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、糖尿病は少量の飲酒で発症リスクが少し下がり、多量の飲酒で上昇する傾向があると示されています。

参照:アルコールとメタボリックシンドローム – 厚生労働省 e-ヘルスネット

お酒を全く飲まない人と適量飲む人を比べた場合、適量飲む人の方が発症リスクがやや低いという調査結果は、糖尿病リスクと飲酒量を考える際に重要なポイントです。

お酒が好きな人は、高血糖を指摘されたからといってすぐに禁酒に踏み切るのではなく、主治医と相談のうえ適量を守って飲酒を楽しむ方針を検討するのもよいでしょう。

肝臓やすい臓へのダメージにより身体全体の健康管理に支障を来す

多量の飲酒を続けると肝臓やすい臓へのダメージが蓄積して、身体全体の健康管理に支障を来す恐れがあります。

肝臓やすい臓は、いずれも血糖値管理に重要な役割を担っているため、ダメージを受けて機能が低下すると糖を調節する機能にも障害が出てしまいます。

さらに、アルコールの過剰摂取が継続すると、アルコール性肝硬変アルコール性すい炎に罹患する可能性が高くなる点も問題です。

肝臓やすい臓への負荷を軽減するためにも、過剰なアルコール摂取は避ける必要があります。

飲酒と糖尿病との因果関係の正しい理解が重要

血糖値管理を目指すうえで、飲酒と糖尿病との因果関係を正しく理解する必要があります。

適量の飲酒が糖尿病リスクを下げるという傾向がある点は前述の通りですが、あくまで複数の調査から得られた統計的な傾向であるとの理解が正しいです。

糖尿病が進行している人など、場合によっては少量の飲酒でも身体に支障を来すケースがあるかもしれません。

高血糖を指摘された際は、一般的な基準を信じてお酒を飲んでもよいと判断するのではなく、主治医と相談しながら自分に合ったお酒との付き合い方を見つけるとよいでしょう。

糖尿病治療中の人にとっては低血糖に対する警戒と対策も重要

糖尿病治療中の人は、血糖の上昇のみでなく低血糖のリスクについても警戒し、適切な対策を講じる必要があります。

糖尿病の治療中の人にとって、飲酒は血糖値の急激な変動を招く可能性があります。

特に、アルコールの影響による血糖値の不安定さが原因として発生する低血糖への注意が必要です。

糖尿病治療中の人の血糖値管理のポイントとして、以下の3点を通して解説します。

糖尿病治療中の飲酒管理ポイント
  • 薬物療法中における重篤な低血糖発作を予防する
  • 食事を取らずにお酒を飲む習慣はエネルギー不足に陥る恐れがある
  • 主治医に相談したうえで自分に合ったお酒の楽しみ方を見つける

糖尿病治療中の人は、特に注意してお酒との付き合い方を考える必要があります。

薬物療法中における重篤な低血糖発作を予防する

糖尿病治療中は、重篤な低血糖の発作を予防する必要があります。

東京都保健医療局の資料において、糖尿病の治療中の人は原則的にお酒を控えたほうがよい旨が示されています。

参照:糖尿病とお酒とタバコの関係 – 東京都保健医療局

アルコールはインスリンに影響を及ぼし、薬の効果を弱めたり強めたりして血糖値を不安定にさせ、低血糖発作を起こす可能性があります。

血糖値を下げる薬とアルコールが同時に体内に入ると、低血糖を起こすリスクがあると考えられています。

参照:市民公開講座「アルコールと血糖値」 – 川崎市立井田病院

糖尿病治療中の人は、アルコール摂取による血糖値変動のメカニズムを正しく理解してお酒との付き合い方を考えましょう。

食事を取らずにお酒を飲む習慣はエネルギー不足に陥る恐れがある

食事を取らずにお酒を飲む習慣はエネルギー不足に陥る恐れがある

食事を控えてお酒ばかり飲む習慣は、身体活動を維持するエネルギー不足に陥る恐れがあるため避けましょう。

糖尿病の人がお酒のみを飲んで食事を十分に取らない場合、肝臓内のグリコーゲンが減少するとともに、グリコーゲン以外の経路からのエネルギー生成作用も抑制されます。

エネルギー供給が低下した結果、低血糖が生じるリスクが高くなる可能性があります。

参照:糖尿病の方の飲酒について-アルコール摂取と血糖値、中性脂肪の関係- – 浦安やなぎ通り診療所

お酒を飲みたいからとはいえ、食事量を減らして糖質摂取を抑えるという考え方は危険であるため避ける必要があります。

飲酒は、食事中にするかおつまみと一緒に行うなど、食べ物と合わせるようにしてください。

主治医に相談したうえで自分に合ったお酒の楽しみ方を見つける

糖尿病治療中の人は、自己判断をせず、必ず主治医と相談したうえで自分に合ったお酒の楽しみ方を見つけてください。

合併症を発症しておらず、血糖管理が良好である場合は、飲酒できると考える人がいるかもしれません。

しかし、飲酒の可否は自己判断するものではなく、あくまで主治医と相談のうえで決めるものです。

血糖値が安定していると思っていても、飲酒により急激に悪化する可能性もあります。

今は体調が悪くなく、血糖値も安定しているから大丈夫と勝手な判断をするのではなく、飲酒の可否や量および頻度について主治医に確認して自分に合った飲酒をしましょう。

飲酒が血糖値に与える影響を正しく理解してお酒を楽しもう

お酒は血糖値を上げる飲み物と考える人が多いかもしれませんが、適量を守ると血糖値の安定につながる側面があります。

しかし、過剰なアルコール摂取は血糖値を不安定にさせる作用があるため、飲酒量やお酒の種類を考慮したうえでアルコール量の管理が重要です。

飲酒は、カロリー摂取量の増加による高血糖につながるとともに、肝臓やすい臓に作用してエネルギー供給を抑制して低血糖の原因となる場合もあります。

特に糖尿病治療中の人は、服用している薬品との兼ね合いから、重篤な低血糖リスクが高くなる恐れもあります。

糖尿病治療中の飲酒については必ず主治医と相談のうえ、飲酒そのものの可否や分量などについて検討しましょう。

今回の記事を参考にして、飲酒が血糖値に与える影響を正しく理解し、自分に合ったお酒との付き合い方を見つけてみてください。

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