ベジファーストは血糖値コントロールやダイエットに有効な食事法として知られていますが、期待する効果が得られず挫折してしまう人も少なくありません。
ベジファーストを成功させるためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
この記事では、ベジファーストで効果が得られない原因や解決策について解説します。
この記事でわかること
- ベジファーストの効果が得られない原因は主食を食べるタイミングや野菜の種類にある
- 血糖値コントロールにはミートファーストも有効
- それぞれの体質やライフスタイルに合った食事法の選択が重要
ライフスタイルに合わせた血糖値コントロールの方法についても詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
ベジファーストの効果が得られない原因は主に4つある

ベジファーストを正しく行うには、食べる順番以外にもいくつかのポイントを押さえる必要があります。
血糖値コントロールやダイエットのためにベジファーストに取り組んでいる人は、食事の最初に野菜を食べる点のみを意識しているケースがほとんどです。
しかし、それだけでは血糖値の上昇を抑える効果が十分に得られません。
ベジファーストを継続しているにもかかわらず結果が出ない場合、主な原因として考えられるのは以下の4つです。
- 野菜を食べてから主食を口にするまでの時間が短い
- 糖質の含有量が多い野菜から食べている
- 野菜に大量のドレッシングをかけて食べている
- 野菜を食べた後の食事量が増加している
ここでは、それぞれの原因について詳しく解説します。
野菜を食べてから主食を口にするまでの時間が短い
ベジファーストの効果を十分に得るには、野菜を食べてから主食を口にするまで5〜10分ほど時間をおく必要があります。
そもそもベジファーストは、野菜に含まれる食物繊維を食事の最初に摂取して糖質の吸収を遅らせる食事法です。
しかし、食物繊維は食べてすぐに吸収されるわけではなく、野菜が胃から小腸へと届いてからゆっくりと吸収が始まります。
野菜を食べた直後に主食を口にしても食物繊維の吸収が始まっておらず、さらに胃の中で食物繊維と主食が混ざり合うため、血糖値コントロールの効果を十分に得られない可能性が高いです。
食事の最初に野菜を食べたら、5〜10分ほど間隔を空けてから炭水化物を食べ始めましょう。
ただし、野菜を食べ終えてから炭水化物を食べ始めるまでに時間をおく必要はなく、5〜10分かけてゆっくりと野菜を食べた後で炭水化物を口にする方法でも問題ないとされています。
糖質の含有量が多い野菜から食べている
ベジファーストで食べる野菜は種類を問わないと勘違いしている人も少なくありませんが、糖質量が多い野菜を選択すると、血糖値コントロールの効果を十分に得られません。
糖質の含有量が多い野菜の例は、以下のとおりです。
- さつまいも
- じゃがいも
- かぼちゃ
- 長芋
- 里芋
- れんこん
- とうもろこし
- ごぼう
- 玉ねぎ
イモ類や根菜類は基本的に糖質量が多いため、主食を食べるタイミングで口にするとよいでしょう。
ベジファーストで食事の最初に食べると効果的な野菜の例は、以下のとおりです。
- ほうれん草
- キャベツ
- ピーマン
- トマト
- 大根
- セロリ
加熱または非加熱のどちらでも効果を得られるため、好みのレシピで摂取できます。
さらに、野菜の代わりとして食事の最初に野菜ジュースを飲む人もいますが、商品によっては糖質量が多いものもあります。
野菜ジュースを活用する場合は、糖質オフの商品が最適です。
野菜に大量のドレッシングをかけて食べている

ベジファーストの効果が実感できない人は、ドレッシングの使用量が多い可能性もあります。
生野菜にかけるドレッシングの量は、1食あたり大さじ1までが目安です。
ドレッシングの中でもオニオンドレッシングやフルーツ入りのドレッシングは特に糖質量が多いため、大量にかけると血糖値を上昇させてしまいます。
ドレッシングの使用量を抑えるポイントは、以下のとおりです。
- 野菜の水気をしっかりと切って味が薄まるのを防ぐ
- 柑橘系の果汁を加えて香りと風味をアップさせる
- ハーブやスパイスを使用して風味豊かに仕上げる
ドレッシングの量が多いと塩分過多や脂質過多にもつながるため、適量に抑えられるよう工夫してください。
ただし、ドレッシングの使用は血糖値コントロールにプラスの効果も認められています。
ドレッシングに使用されている食酢やオリーブオイルには血糖値の上昇を抑える効果があり、食事の最初に野菜と併せて摂取すると、血糖値の安定効果をより高められるといわれています。
ベジファーストとともにドレッシングもうまく取り入れて、血糖値の上昇を防ぎましょう。
野菜を食べた後の食事量が増加している
食事の最初に野菜を摂取していても、その後に食べる主食の量が過剰である場合、血糖値コントロールやダイエットの効果は得られない可能性が高いです。
ベジファーストは食後の血糖値上昇の抑制に有効であるものの、野菜を食べた後に過剰な糖質を摂取すると、結果として血糖値スパイクが起こってしまいます。
さらに、食べる順番を意識していても、総摂取カロリーが増えると本来の健康効果は期待できません。
野菜を先に食べるのみで健康効果を得た気分になってしまう人も多いですが、ベジファーストをはじめとするさまざまな食事法は、バランスのよい食事内容を前提としています。
主食や糖質の全体量を見直し、適量に抑えたうえでベジファーストを実践してください。
食後血糖値の安定にはミートファーストも有効

糖尿病予備軍の人や血糖値の急上昇を防ぎたい人は、ミートファーストを取り入れて血糖値の安定を目指す方法もあります。
ミートファーストとは、以下の順番で食べ進める方法のことを指します。
- 肉
- 野菜
- 炭水化物
ベジファーストは食事の最初に野菜を食べる方法であるのに対し、ミートファーストはタンパク質源である肉から食べ始める食事法です。
炭水化物を食事の最後に食べる点はベジファーストと共通しており、血糖値の安定を目指すうえでも外せない重要なポイントであるため、食べる順番は必ず守りましょう。
ミートファーストには血糖値コントロール以外にも多様なメリットがある
ミートファーストを取り入れるメリットは、以下のとおりです。
- 血糖値の上昇を抑えられる
- タンパク質量をしっかりと確保できる
- 肉の摂取によって複合的な健康効果を得られる
ミートファーストはベジファーストと同じく血糖値の安定を目指せるほか、肉のタンパク質をしっかりと摂取できる点からも注目を集めています。
さらに、肉に含まれるさまざまな栄養素により、代謝アップや疲労回復などの健康効果も得られます。
以下では、ミートファーストのメリットについて詳しく解説します。
血糖値の上昇を抑えられる
タンパク質を食事の最初に摂取するとインスリンの分泌が促されるため、食後血糖値の上昇の抑制が可能です。
タンパク質には、インクレチンの一種であるGLP-1の分泌を促進する働きがあります。
ミートファーストでタンパク質を摂取した後に炭水化物を口にすると、インスリンの働きによって血糖値スパイクの防止効果が期待できる点がメリットです。
インクレチンは野菜や炭水化物を食べても分泌されますが、肉を食べた時にもっとも早く分泌されるため、すぐに効果を実感できます。
さらに、GLP-1は胃の内容物の排出を遅らせる働きも備えており、食材が胃の中に長く留まって満腹感を得られます。
適量の食事でしっかりと食欲を満たせるため、余計な間食を取ってしまう心配もありません。
そのため、ミートファーストは糖尿病予備軍の人のほか、ダイエット中の人にも向いています。
タンパク質量をしっかりと確保できる

ミートファーストは食事の最初にタンパク質を食べる食事法であり、タンパク質不足に陥るリスクが小さい点も魅力です。
ベジファーストは野菜を食べてからタンパク質や炭水化物を摂取するため、最初に大量の野菜を食べて満腹感を得てしまい、タンパク質量が不足する人もいます。
ミートファーストでは毎食しっかりとタンパク質を摂取できるため、筋肉量をキープしたままで血糖値の上昇を抑えられます。
さらに、タンパク質の摂取は、ダイエットにおいても重要な要素です。
日々の食事でタンパク質をしっかり取り入れると筋肉量が増加し、基礎代謝アップや脂肪燃焼促進などの効果を期待できます。
肉の摂取によって複合的な健康効果を得られる
ミートファーストで積極的に肉を摂取すると、血糖値コントロール以外にもさまざまな健康効果を得られます。
具体的な健康効果は、以下のとおりです。
- 筋肉量が増えて血流や代謝の改善につながる
- 脂肪の分解力が高くなる
- 胃酸の分泌量が減少して満腹感を得られる
- 利尿作用やナトリウムの排出作用が期待できる
- 脂肪肝を防ぐ
- 亜鉛の摂取によって免疫力が高まる
- 貧血の予防や改善に役立つ
- ビタミンB1が疲労回復をサポートする
さらに、肉の栄養素や健康効果は種類によっても異なります。
| 牛肉 | ・鉄分が多く貧血予防に最適 ・脂肪燃焼に効果的なカルニチンが豊富に含まれている |
|---|---|
| 豚肉 | ・ビタミンB1が豊富で疲労回復やストレス軽減などの効果が期待できる ・悪玉コレステロールの減少に役立つオレイン酸が含まれている |
| 鶏肉 | ・牛肉や豚肉と比較すると消化吸収がスムーズ ・皮を外すと低脂質かつ低カロリーなタンパク源として食べられる |
ミートファーストで食べる肉類は、目的や体調に合わせて選択するとよいでしょう。
ミートファーストの効果を得るにはポイントを押さえて取り組む必要がある

ベジファーストの効果を得るにはいくつかのルールがあるように、ミートファーストにも押さえておくべきポイントがあります。
ミートファーストの具体的なポイントは、以下のとおりです。
- 15分以上かけてゆっくり食べる
- 夕飯でミートファーストを実践する場合は早めに食べ終える
- 野菜もしっかり食べる
- 胃薬の服用を避ける
血糖値の上昇を抑制するインクレチンは、分泌されてから10〜15分後に効果を発揮するといわれています。
早食いすると血糖値コントロールの効果を十分に得られないうえ、満腹感を感じるまでに時間がかかり、食事量が増えてしまう可能性もあります。
食事の最初に肉を食べる際は、血糖値スパイクや余計な間食を防ぐためにも、よく噛んでゆっくりと味わいましょう。
さらに、肉は野菜や炭水化物に比べて消化吸収に時間がかかります。
夕食としてミートファーストを実践する場合は、就寝の3時間前までに食べ終えると胃への負担を軽減できます。
加えて、ミートファーストでは2番目に食べる野菜も重要な要素であり、野菜の食物繊維で腸内環境を整えてこそ効果を発揮します。
肉ばかり食べるのではなく、野菜もバランスよく摂取してください。
そのほかにも、ミートファーストには胃の働きを遅らせて満腹感を得る効果があるため、胃の働きをサポートする胃薬を飲むと健康効果を妨げる恐れがあります。
血糖値コントロールを目指す場合は自分の体質やライフスタイルに合った食事法を採用する

食事の工夫で血糖値の安定を目指す場合、自分の体質やライフスタイルに合った方法を見極めると無理なく持続できます。
血糖値コントロールに役立つ食事法は複数ありますが、どの方法が優れているかは一概には判断できません。
ベジファーストとミートファーストの選択で迷った場合、以下の例を参考に検討してみてください。
| ベジファーストが向いている人の例 | ・食事量が安定している若年層 ・外食の機会が多い人 ・タンパク源として魚や納豆を食べたい人 ・夕食後すぐに就寝する人 |
|---|---|
| ミートファーストが向いている人の例 | ・タンパク質不足を防ぎたい高齢層 ・自宅で食事する機会が多い人 ・タンパク源として肉を食べたい人 ・夕食を早めに済ませられる人 |
食が細い高齢者はタンパク質不足を防ぐためにもミートファーストが向いていますが、食事量が安定している若年層はベジファーストを選択しても十分なタンパク質量を確保できます。
さらに、外食時はサラダから提供されるケースが多いため、外食が多い人はミートファーストの採用が難しい場合もあります。
そのほかにも、肉は消化吸収に時間がかかるため、帰宅時間の関係で食後すぐに就寝する人はベジファーストが向いています。
自身のライフスタイルや食事内容に合った食事法を選択し、無理なく続けられる習慣を身につけてください。
血糖値を安定させるために日常生活で意識したい食事のルール
血糖値の急上昇を抑制するには、食事法と併せて取り入れたいポイントがあります。
食事の際に意識したいポイントは、以下のとおりです。
- 一口30回以上噛んでゆっくり食べ進める
- 食物繊維の質にこだわる
北海道大学の研究では、朝食時に咀嚼回数を増やすと血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が促され、食後血糖値の安定に役立つと報告されています。
同研究では咀嚼回数10回と40回の2パターンで食後の血糖値を比較しており、朝食時に40回咀嚼した場合、10回咀嚼した場合と比べて血糖値が14〜15%下がっていました。
加えて、夕食時は咀嚼回数によるインスリン分泌量の違いが見られなかった点も報告されています。
しかし、よく噛んで食べると食事量を抑えられたり、食後のエネルギー消費量が増加したりする効果を得られます。
さらに、血糖値の安定には食物繊維の摂取も重要です。
特に海藻やきのこは食物繊維が豊富であるうえ、低カロリーでカロリーコントロールにも役立つといわれています。
海藻は血糖値の上昇を緩やかにする水溶性食物繊維が豊富であり、きのこには糖や脂肪の排出を促す不溶性食物繊維が豊富に含まれています。
それぞれをバランスよく摂取すると、血糖値の安定効果をさらに高められるでしょう。
血糖値コントロールは正しい食事法と自分に合った習慣づくりがカギ

ベジファーストの効果を実感できない人は、炭水化物を口にするまでの時間が短いなど、成功のためのポイントを押さえられていない可能性が高いです。
食べる順番以外のポイントをしっかりと把握したうえで現在の食べ方を見直すと、血糖値の安定効果やダイエット効果を高められます。
さらに、血糖値の上昇を緩やかにする食事法には、ミートファーストも挙げられます。
ミートファーストは食事の最初に肉を食べる食事法であり、血糖値を安定させながら十分なタンパク質量を摂取できる点がメリットです。
ただし、ミートファーストもベジファーストと同様に、いくつかのポイントを押さえなければ本来の健康効果を得られません。
具体的には、15分以上時間をかけて食べたり、肉だけでなく野菜も摂取したりすると効果を高められます。
血糖値コントロールやダイエットのために食事法を取り入れる際は、自分の体質やライフスタイルに合った方法であるかを見極める必要があります。
毎日無理なく続けられる方法を確立して、血糖値の安定を目指しましょう。
