食べても食べてもお腹が空く原因別対処法

ついさっき食べたばかりなのにお腹が空いてしまう。成長期の子供や、運動をした後ならまだしも、お腹が空く原因が分かっていない時に病気なんじゃないかと不安になってしまう方は多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、食事後にお腹が空いてしまう原因と対処法をご紹介しますので是非参考にしていただければ幸いです。

1. 食べてもお腹が空く原因と対処法

食べてもお腹が空く原因には3つあります。それぞれ「生理的原因」「病気的原因」「生活的原因」です。それぞれを究明したうえで、きちんと対策を取るようにしましょう。

1-1. 生理的原因

寝不足の時に食欲が増した経験はありませんか?妊娠中に普段より多く食べた経験はありませんか?生理中にお腹が空くことはありませんか?そういった経験は何も不思議な事ではなく自然と行われる生理的原因かもしれません。

1-1-1. 寝不足は食欲を25%増加させる

「寝不足が続くと太る」この言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。実はしっかりと科学的根拠を元に裏付けがあります。

スタンフォード大学の調査で睡眠時間5時間のグループと8時間のグループを比較したところ、睡眠時間5時間のグループでは食欲が増すホルモンのグレリンが14.9%増え、食欲を抑えるホルモンのレプチンが15.5%減ることがわかったのです。つまり睡眠時間が短いと「食べたい」欲求が自然とわいてくるため食べた食後でもお腹が空いてしまうのです。一日に78時間の睡眠を確保することでグレリンが抑えられます。

※参照 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15602591/

1-1-2. 妊娠中

妊娠中にお腹が空く原因は主に2つあります。「ホルモンバランスが変化している」「エネルギーが赤ちゃんに送られている」の2つになります。ホルモンバランスが変化すると自律神経のバランスが乱れて、食欲のコントロールがうまくいかなくなり食べてもお腹が空いてしまいます。また妊娠中は自分自身の生命活動の維持だけでなく胎児にも栄養が使われます。胎児にも栄養を送ることで普段よりも体は多くの栄養素を必要としています。その為、1日あたり250kcal(ご飯茶わんに軽く一杯、150g程度)増やす必要があります。

対処法としては普段の食事量は変えずに小分けにしてよく噛んで食べることで満腹感を得られやすく、トータルの食摂取量が大きく変わるリスクが減らせます。下記表にて体重増減の目安にしてみてください。

 

妊娠前の体型

妊娠前のBMI

体重増加量の目安

やせ

18.5未満

12~15kg

ふつう 

18.5~25.0

10~13kg

肥満(1度)

25.0~30.0

7~10kg

肥満(2度以上) 

30以上 

個別対応
(上限5㎏までが目安)

1-1-3. 生理中

生理前・生理中に食欲が増して暴飲暴食をしてしまうのは、「月経前症候群(生理前症候群)(PMS)」の症状のひとつです。お腹が空いてしまうのは【プロゲステロン】という女性ホルモンが増えるせいだと言われています。 血糖値の上下値が大きいとたいして血糖値が下がってないのに空腹を感じます。 これが生理前の異常な空腹感の正体です。

対処法としてPMSを緩和する食材を取るようにしましょう。PMSを緩和させる栄養素としてタンパク質を多く含む食材を取るようにしてください。おすすめの食材は脂肪分が少なくタンパク質が多い、ナッツ、果物、野菜、大豆製品です。ヨーグルトはタンパクも取れる上に、生理前後で荒れがちな腸内環境を整える乳酸菌が豊富なので積極的にとるようにしましょう。

1-1-4. 成長期

成長期にお腹が空く理由として人間は生まれたとき、体の約78割が水分で成型されています。成人に達するときにはその割合が約6割となり、そのかわり脂肪や筋肉の割合が増加します。それを「成長」と呼ぶのですが、成長には順番があり、小学校入学頃までの間に生命を維持するために必要な神経やリンパ系が先に発達します。

 

そのあとに「骨=身長」や「筋肉=体重」、そして「脂肪=生殖器系」が発達をしていきますが、身長の急激な伸びのことを「成長スパート」と呼んでいて、この時期には骨や筋肉を作るさまざまな栄養素がたっぷりと必要になります。成長スパートの時期には普段よりより多くの栄養を取り入れるために食べても空腹を感じる現象が起きるのです。

1-2. 病気的原因

特に思い当たる節がないにも関わらず、食べてもお腹が空いてしまうと不安になりますよね。実は病気のサインかもしれません。

1-2-1. 過食性障害

一般的に『過食症』と呼ばれるもののうち、体型へのこだわりは並か低く、過食・食べ物への依存が中心の症状になる摂食障害です。年齢・性別・体型へのこだわりにかかわらず発症します。過食の衝動は普通の食欲とは異なり、我慢しようと思ってもそれがきかず、内容や量や時間帯を選べず、異常なスピードで押し込むように食べてしまったり、目の前に食べ物があると制限がきかなくなったりします。その為食べた後でも、お腹が空いてしまう症状が出ます。

 対処法として、基本的には過食をひきおこしているものが何か、自分を振り返っていくことで心理的アプローチが中心になってきます。また、体の方に影響が出ているときは内科的な治療も必要になります。

 

1-2-2.  バセドウ病

バセドウ病とは、甲状腺ホルモンが異常に多く作られることで新陳代謝が過剰になる病気のことです。バセドウ病の症状には食欲が旺盛になる症状があります。しかし代謝力が高い為、食べても食べても空腹状態が続きます。

こういう場合は病院へ行って診察してもらってください。

1-3. 栄養的原因

栄養素のバランスを考えたメニューで食事していますか?偏った食事をしてしまうと栄養素も偏ってしまう為、食べてもお腹が空いてしまう原因になるかもしれません。

1-3-1. タンパク質の量が足りていない

間食としてジャンクフードや安い加工食品を食べる方は多いかと思います。しかしそういった食事にはタンパク質の量が少ない為食べても食べても満腹感がかんじられません。

対処法として、タンパク質が豊富な大豆スナックなどを食べるようにすれば空腹感を紛らわすことができます。

補足として一日に必要なたんぱく質の量は体重1㎏あたり1gとなっています。

 

1-3-2. 食物繊維の量が足りていない

空腹感を抑えるためには血糖値と遊離脂肪酸の関係が大切です。遊離脂肪酸とは、空腹感をもたらす空腹物質と呼ばれています。その為、食べても食べても空腹状態が続いてしまいます。この遊離脂肪酸を減少させるには血糖値の上昇が必要になってきます。しかし急激な血糖値の上昇は体に負担がかかってしまいます。

対処法として、糖質の吸収を穏やかにする「食物繊維」が豊富に含まれる穀類や豆類などを食べるようにしましょう。急激な血糖値上昇を緩和でき、結果的に遊離脂肪酸の減少につながるため、空腹を紛らわすことができます。

 

2. お腹が空きやすい食品、空きにくい食品

ここまで食べても食べてもお腹が空いてしまう原因と対処法をご紹介してきました。この章では、お腹が空きにくい食品とお腹が空きやすい食品に分けてご紹介します。お腹が空きやすい食品は一緒に対処法もご紹介します

2-1. お腹が空きやすい食品と対処法

まずはお腹が空きやすい食品をご紹介します。

2-1-1. スナック菓子やジャンクフード

先ほども紹介しましたが、カロリーは高いですが、タンパク質の含有量が少ない為、満腹感を感じにくく食べ続けてしまいます。

 

対処法として食べる頻度を減らしたり、袋のまま食べずに小皿に盛って食べるのも食べ過ぎ予防に役立ちます。また、栄養のある豆乳、果物や野菜の繊維質が残ったスムージー等を一緒に摂ると、満足感が得られるのでオススメです。

2-1-2. 野菜&果物ジュース

ダイエットや健康維持のために、野菜や果物を使ったジュースを飲む人も多いですが、繊維をすべて取り除いてしまったサラサラタイプのジュースは、糖分の高さで血糖値が乱降下し、空腹を招きがちです。

対処法として繊維質を取り除かないスムージーのほうが腹持ちがよく、さらに、プロテインパウダーやピーナッツ&アーモンドバター等を混ぜるのもいいでしょう。

2-1-3. 精製小麦粉を使った具なしのパン

精製小麦粉を使ったふわふわのパンは噛みごたえがなく、いくらでも食べられてしまい、満足感も続きません。しかも、ほとんどが糖質なので、それ単体では栄養が偏り、不足していまいます。

対処法としてチーズとレタスを挟んだトーストにして飲み物を牛乳たっぷりのカフェオレにするのがおススメです。これだけでもその後の空腹感が違ってくるはずです。

2-2. お腹が空きにくい食品

「高たんぱく」+「低糖質」+「豊富な食物繊維」の観点からおススメするのは豆類です。

中でも間食として役立つのが「枝豆」と「ひよこ豆」です。

「枝豆」は房から出して食べるというひと手間が、食べ過ぎ予防と満足感アップに役立つのでオススメです。

ひよこ豆はタンパク質が豊富で、大豆に比べてカロリーと脂質が少ないヘルシーな豆になります。

その他、ヨーグルト、カッテージチーズ、ゆで卵、くるみ等も高たんぱく質で低糖質なので、食物繊維の多い果物や野菜等と食べることでお腹が満たされる組み合わせになっています。

3. まとめ

いかがでしたか?年齢や性別によっても原因が分かれています。まずは自分がどの原因かをしっかりと把握したうえで対処法を参考にしてみてください。また腹持ちが悪い食品と良い食品もご紹介しておりますので積極的に腹持ちが良い食品を選ぶようにしてみてください。ポイントは「高たんぱく」「低糖質」「豊富な食物繊維」になります。今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。