カカオポリフェノールとは、カカオ豆に含まれるポリフェノールの一種のことです。
近年、カカオに多く含まれるポリフェノールが健康維持に関心のある人の間で注目されています。
この記事では、カカオポリフェノールが注目される理由やさまざまな効果について紹介します。
この記事で分かること
- カカオポリフェノールは主にフラバノール系の成分で構成される
- 近年注目を集めているカカオポリフェノールはさまざまな健康効果を持つ
- 高カカオチョコレートやピュアココアはカカオポリフェノールを多く含む
- カカオポリフェノール摂取時に気をつけたいポイント
- 日常でカカオポリフェノールを取り入れるときのアイデア例
具体的にカカオポリフェノールが多く含まれる食品や摂取時に気をつけたいポイント、日常で取り入れるときのアイデア例なども紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
カカオポリフェノールは主にフラバノール系の成分で構成される
カカオポリフェノールは、主にフラバノール系の成分で構成されています。
中でも代表的なのが、カテキンやエピカテキン、さらにそれらがいくつか結合したプロシアニジンといった成分です。
これらはすべて強力な抗酸化作用を持ち、体に酸化ダメージを与える活性酸素を除去する働きに優れているとされています。
カテキンは、抗酸化作用の他にも以下のような効果をもちます。
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- 抗ウイルス作用
- 抗ガン作用
- コレステロール値を下げる作用
- 血糖値の上昇を抑制する作用
- 殺菌作用や抗菌作用
- 虫歯や口臭予防
- 肥満予防
特にカテキンの一種であるエピカテキンは血管の拡張を促し、血流改善や血圧低下をサポートするさまざまな健康効果があり、カカオポリフェノールの中でも重要な役割を果たしています。
さらにプロシアニジンは高分子のポリフェノールで、腸内環境や免疫機能を調整する作用があるといわれています。
カカオポリフェノールは強い抗酸化作用によりさまざまな健康効果を持つ
強い抗酸化作用を持つカカオポリフェノールはさまざまな健康効果を持つ成分であるため、近年注目が集まっています。
本来、体は酸素を利用してエネルギーを作り出していますが、酸素を利用すると同時に体内で常に活性酸素を生じています。
この活性酸素は細胞にダメージを与えて、がんや糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病を招く要因になります。
カカオポリフェノールは、体内で生じる活性酸素を中和して、細胞の損傷や炎症を防ぐ働きがあるのです。
その結果、カカオポリフェノールの抗酸化作用は動脈硬化の予防や血圧の安定などのさまざまな健康効果が期待されています。
健康面からカカオポリフェノールが役立つ可能性があるとして注目されている
カカオポリフェノールは、近年の研究や実証データを通じて、健康維持や病気予防に役立つ可能性があるとして注目されています。
その最大の理由は、強力な抗酸化作用に加えて、体内のさまざまな機能に働きかける点にあります。
特に血管への健康維持への効果は多くの研究で報告されており、フラバノール系の成分により血流が改善されて、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病のリスクを低下させる可能性があるとされているのです。
さらにストレスの軽減や集中力の向上、脳の認知機能への良い影響など、心の健康にも役立つと考えられています。
他にも抗酸化作用によって、肌の老化予防や紫外線対策にもつながるとされ、美容の観点からも高い評価を受けています。
カカオポリフェノールは抗酸化作用を通じて体内のバランス維持に役立つ
カカオポリフェノールは抗酸化作用を通じて、体内のバランスを整える働きがあるとされています。
人の体は日常生活の中で、以下のような要因の影響を受けて活性酸素が発生し、それが細胞や血管にダメージを与えます。
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- 紫外線
- 放射線
- 大気汚染
- 食品添加物
- 喫煙
- 睡眠不足
- 不規則な生活習慣
- 薬剤
- 酸化された物質の摂取
- 過度な運動
- ストレス
活性酸素が過剰になると体内の酸化が抑えられなくなって、体内の抗酸化力と活性酸素の産生のバランスが崩れた状態になり、これを酸化ストレスといいます。
カカオポリフェノールはこうした酸化ストレスを抑制して、体の内側から健康を守る働きを持っています。
カカオポリフェノールにはストレス軽減やリラックス効果が期待できる
カカオポリフェノールは、抗酸化作用のみでなく、心の健康にも良い影響を与える成分として期待されています。
カカオポリフェノールが持つ強力な抗酸化作用によって、ストレスが原因で生じた酸化ストレスを軽減して、心身をリラックスさせます。
特にエピカテキンなどの成分は、ストレスホルモンであるコルチゾールを抑制する作用やセロトニンやドーパミンといった脳内の神経伝達物質に作用して、気分の安定やリラックス効果をもたらすとされているのです。
他にもカカオに含まれる成分であるテオブロミンには自律神経を整えて、ストレスや緊張状態を和らげる働きがあります。
そのため、リラックスタイムにカカオポリフェノールを取り入れるのは、心身のバランスを健康に保つうえで効果的な方法のひとつです。
上記のように、カカオポリフェノールは現代のストレス社会を生きる人にとって、心の健康をサポートする大きな可能性を持っています。
食生活のサポート成分としてカカオポリフェノールが注目されている
近年、カカオポリフェノールは日々の食生活を支える機能性成分として注目を集めています。
不規則な食生活やストレス、加工食品の摂取が増える現代では、体内の酸化バランスが崩れる傾向が高く、健康リスクも高まります。
こうした中で、自然由来の抗酸化成分であるカカオポリフェノールが体の内側からのサポート素材として期待されているのです。
カカオポリフェノールは以下のようなさまざまな健康効果が報告されており、毎日の食事に取り入れると、生活習慣病の予防や健康管理に役立ちます。
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- 血圧低下
- 動脈硬化予防
- アレルギーの改善
- 脳の活性化
- 便通改善
さらに美容やメンタルケアの効果もあり、性別や年齢問わず、幅広い層に支持されています。
特に高カカオチョコレートや無糖のピュアココアといった手軽な食品から摂取できる点も、大きなメリットです。
カカオポリフェノールを多く含まれる食品を把握して効率よく摂取しよう
カカオポリフェノールを効率よく摂取するには、どの食品に多く含まれているのかを把握するのが大切です。
カカオはさまざまな食品の原料として使われていますが、加工の過程でポリフェノール量が減少する場合もあるため、選び方が重要となります。
カカオポリフェノールが多く含まれる代表的な食品としては、以下の3つが挙げられます。
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- 高カカオチョコレート
- ピュアココア
- カカオニブ
一般的にカカオ分が70%以上の高カカオチョコレートには、フラバノール系ポリフェノールが豊富に含まれており、効率よく摂取できます。
ただし、高カカオチョコレートであっても過剰な摂取は肥満の原因になるため、1日25g程度を目安に摂取するのが理想的です。
さらにピュアココアもカカオポリフェノールを効率よく摂取するのに優れており、飲み物としてのみでなく、お菓子や料理の素材としても活用できて手軽に取り入れられます。
他にも最近では、カカオニブと呼ばれるローストしたカカオ豆を砕いた食品も注目されています。
香ばしく、ナッツのような食感のカカオニブはそのままでも食べられますが、ヨーグルトやシリアルに混ぜて食べる方法もおすすめです。
上記のようなカカオポリフェノールが多く含まれる食品を把握していれば、毎日の食生活に無理なく取り入れられ、健康や美容をサポートする効果を得られます。
カカオポリフェノール摂取時に気をつけたいポイントを理解しよう
カカオポリフェノールは健康や美容に良い影響を与えるとされる成分ですが、摂取の仕方を誤ると期待される効果が十分に得られない場合があります。
そのため、日常的に取り入れる際には気をつけたいポイントを押さえておくのが大切となります。
はじめに気をつけたいのは、含有量と糖質、脂質のバランスです。
高カカオチョコレートはカカオポリフェノールを多く含む食品のひとつですが、製品によっては砂糖や油脂が多く含まれている場合があります。
健康を目的として摂取する場合は、カカオ含有量が70%以上で糖質や脂質が控えめの製品を選ぶのがポイントです。
さらに摂取のタイミングも重要で、空腹時に甘いチョコレートを多く摂取すると血糖値が急激に上昇する恐れがあります。
そのため、朝昼夜の食前と間食に25g程度を目安にこまめに摂取するのが効果的です。
他にもカカオポリフェノールは熱や加工によって分解される可能性があるため、加熱調理された食品やミルク入りのココア製品では、含有量が大きく減少している場合もあります。
可能な限り加工度の低いピュアココアやカカオニブを選ぶと、効率よく摂取できます。
このようにカカオポリフェノールの健康効果を最大限活かすためには、選ぶ食品の質や摂取量、タイミングを意識するのが大切です。
日常生活の中でカカオポリフェノールを取り入れる時のアイデア例を知ろう
カカオポリフェノールは、毎日の生活の中に無理なく取り入れると、継続的にその効果を実感できます。
そのため、日常生活の中で以下のような取り入れ方をしてみてください。
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- カカオ70%以上の高カカオチョコレートを間食にする
- 朝食にピュアココアを牛乳に溶かして飲む
- ヨーグルトやシリアルにカカオニブをトッピングする
- スムージーやお菓子作りにピュアココアを取り入れる
上記のような少しの工夫やアイデアで毎日無理なく飽きずに摂取できます。
工夫次第で、毎日の食事が健康作りの第一歩となるため、できる範囲から積極的に取り入れるのがよいでしょう。
カカオポリフェノールの味覚と五感への影響にも注目が集まる
カカオポリフェノールは健康や美容への効果のみでなく、味覚と五感に与える影響という点で近年注目されています。
カカオに含まれる香り成分とポリフェノールの相乗効果により、リラックス感や満足感が高まり、ストレス緩和につながるという報告もあるのです。
カカオに含まれる苦みや香りにより五感が刺激され、主観的なリラックス効果が得られます。
さらにカカオの苦味成分は、満足感やマインドフルネスな食体験をもたらします。
よくある質問(FAQ)
Q1.カカオポリフェノールは摂りすぎても大丈夫?
A.カカオポリフェノールは基本的には体に良い成分ですが、一度に大量に摂取するのは推奨されていません。
過剰に摂取すると、体に以下のような悪影響が生じる可能性があります。
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- 頭痛
- 不眠
- 肥満
- 胃の不快感
- 血糖値の上昇
そのため、高カカオチョコレートであれば1日25g程度、ピュアココアであれば1日小さじ1〜2杯を目安にして適量摂取を心がけましょう。
食品のバランスを意識しましょう。
Q2.加工チョコレートでもポリフェノールは摂れる?
A.加工チョコレートでもポリフェノールは摂取できますが、含有量は製品によって大きく異なります。
一般的にミルクチョコレートはカカオ成分が少ない一方で、砂糖やミルク、油脂は多く含まれています。
さらに加工や加熱の過程でポリフェノールが分解される場合もあるため、カカオポリフェノールの含有量は少なくなるのです。
一方で、70%以上の高カカオチョコレートは、加工されていても比較的多くのポリフェノールが残っています。
近年では、ポリフェノール量を明記している製品もあるため、成分表示の確認をするのがよいでしょう。
Q3.子どもや高齢者もカカオポリフェノールを摂っていいの?
A.一般的な食品から適量を摂取する分には問題ないとされていますが、体調に応じた判断が必要です。
持病がある場合は、医師と相談して取り入れるのがよいでしょう。
さらに歯の健康や飲み込みの問題がある場合は、ココアドリンクで代用するのがおすすめです。
カカオポリフェノールを上手に取り入れてバランスの良い毎日を過ごそう
カカオポリフェノールは、抗酸化作用をはじめとするさまざまな健康効果が期待できる成分として、日常の生活に無理なく取り入れられるのが魅力です。
特にストレスの多い現代では、心身のバランスを保つのが重要となります。
カカオポリフェノールは血流を促進して、脳の活性化や気分の安定にも関与するとされており、心と体の両面から健康をサポートする成分として注目されています。
毎日の食生活の中で、少しの工夫と意識を持ってカカオポリフェノールを摂取すると、健康的でバランスの取れた生活に近づけます。
高カカオチョコレートやピュアココア、カカオニブなどを積極的に活用して取り入れましょう。